松本龍の発言 (経済産業委員会)
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○松本(龍)委員 当時の振興とかいうところともう時代が変わってきているという認識だけは持っていただいて、さっき言った文化的な側面も、もっときめの細かい作業をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
なぜこういうことを言うかといいますと、私の町に、博多曲げ物という伝統産業がありまして、秋田大館の曲げわっぱみたいな感じで、木を高熱で曲げて、おぜんや飯びつ、三方あるいは折り箱や茶道具等々をつくっている産業なんですけれども、実にこの産業は、博多の町では、柴田さんという方ただ一人しか今やっておられません。この人を指定しろというわけじゃありません、それはもう無理な話ですけれども。
この技能を持っておられる方と私は一時間ぐらい話したのです。昭和四十九年の段階でもう既にこの要件を満たしておりませんでしたから、指定の申請もされなかった、こういう状況で今まで続いてまいりました。
先ほど局長が言われたように、産業振興、地域振興だから、一人産地みたいな方々になかなか手が届かないということは百も承知をいたしております。ただ、二十年前から半減あるいは三分の一という状況をかんがみて、やはりそこに手をこまねいているわけにはいかない、もっと何らかの方策が必要だろうということを申し上げておきたいと思います。
大臣にお尋ねをいたします。
福岡県や市では、逆に、十名以下の伝産法の外にある人たちをバックアップするシステムがあります。ある銀行では、そういった伝産法の外にある一人産地、一人職人みたいな方々をバックアップする、メセナといいますか、フィランソロピーといいますか、そういったことを支援していることもやっておられます。
そういう意味で、先ほど言った博多曲げ物の柴田さん、私、大体十五分ぐらいで帰ろうかなと思っていたら、一時間ぐらい話し込んでしまいまして、この人が言った言葉で大変印象深い言葉がありました。というのは、私はお金をもらっても何の足しにもならぬ、足しにはなるんでしょうけれども、そういう言い方をされました。職人の誇りとして、自分が一番つらいのは後を継ぐ者がいないことだ、後継者がいないことが一番つらい、まさに日本の伝統をどう残すかというのを政治家の皆さん、考えていただきたいということを、もう七十過ぎの方ですけれども、言われました。お金は要らないけれども、後継者、後継ぎが欲しいという彼の思いは非常に胸に迫りました。
そういう意味で、後継者問題も含めて、これからの伝統産業に対する大臣の見解をお聞きしたいと思います。