遠藤政則の発言 (憲法調査会)

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○遠藤政則君 私のような者につたない意見陳述の機会をちょうだいしまして、貴重な時間を割いていただきまして、まず御礼申し上げます。
 地方公聴会、それから意見陳述人の一般公募、私、これで出てまいったのですが、これもやはり民主主義の一つなんでしょうななんて思っておるわけですが、民主主義といいますと、直接民主制あるいは直間併存の政治、あるいは電子投票、電子政治などという主張もございます。さらに、代表民主制は民主主義ではないんだという主張もございます。
 そこで、なぜこういう主張が出てくるのかと考えますと、国民は本当の主権者になっていない、されていないといううめき声ではないだろうかという感じがするわけでございます。ところが、一般の国民はというと、政治的無関心、政治不信、投票率の低下、これでは有権者としての権利と義務を放棄したものと言わざるを得ないと思います。
 私は、高等学校で長い間政治・経済という科目を担当してまいりました。子供たちに、もし仮にあなたたちに選挙権があったとしたら、今例えば衆議院の総選挙があったならば、投票に行きますかと聞きますと、行かないというのが過半数以上、六〇%ぐらいになるのです。
 その子供たちが成人してそれが変わっていくだろうか、実態は余り変わりないというのが現実ではないかと思うのです。授業中に、きちっと投票してくれないかな、一票を大事に投票してくれないかと思いながら授業をするのですが、非常にじくじたる思いで、教師の至らないところを痛感しておるわけでございます。子供たちに、抽象的に、選挙というのは大事なんだよ、一票一票を大事にしなさいよと言っただけでは解決しないと思うのです。
 そこで、どうするかということなわけですが、政治参加のチャンスをふやす。簡単に言えばこういうことでありますが、チャンスがふえても青島・ノック現象があるんじゃないかという指摘もあるかと思います。
 選挙民は、民主主義は愚民が集まっているんだなどと言われておりますが、それでは政治家は賢者、賢い人たちなんでしょうか、目の前にして失礼でございますが。真理を知り、絶対に正しいということを判断し実行できるのが賢者、賢い人間であるとするならば、国民はもとより政治家も愚者である、愚かな者ではないだろうか、愚者が集まって民主主義だろう、こう思うわけでございます。私は、それでいいんじゃないかと思うのです。政治は真理を探求する場ではないと思うからです。政治課題を選択していく、これが政治だろう。
 選択といいますと、政治家は政策の実行者であり政策の提示者だ、我々国民はそれの選択者だ、こう思うわけです。ところが、選択の機会というのは、普通の選挙のときは別ですが、ないのですね。憲法上規定されているのは、九十六条の憲法改正と国民投票の規定、それしかレファレンダムはないわけです。まず、私は、その九十六条を活用していただきたい。
 そこで、九十六条に関して申し上げますと、これも失礼な言い方になるかと思うのですが、九十九条の憲法尊重擁護義務というのがあるわけですが、これに対して、いまだ九十六条が制定されていないということは、九十九条違反だと言わざるを得ないのではないかと思うのです。この九十六条による国民投票の改正手続の法律がまだできていないということです。
 この法律につきましては、昭和二十八年閣議提出されたものがあると聞いております。最近では、ある政党ではこの手続の要綱を党議決定しているのではないかと承っております。
 ところが、この手続法だけでは私は不十分だと思います。といいますのは、九十六条に例えば総議員の三分の二とあるが、総議員とは何だ、在籍議員なのか定数なのか、こういう問題がございますね。それから、内閣に提案権があるのかないのかというのも、これもはっきりしておらないわけです。
 そこで、私は、ただ単なる国民投票手続法じゃなく、例えば憲法九十六条に関する基本法、国民投票基本法と言ってもいいと思うのですが、それの制定が必要じゃないだろうかと思うわけでございます。つまり、九十六条に疑義がある点を基本法に明示するということでございます。
 この私のつたないレジュメにあるのですけれども、例えばこの中で、四番目に、議案の提案、審議、採決などの一切については党議拘束しないと書いておきましたが、法律にこれを書くとはとんでもないと言われるのも承知の上です。政党政治を否定するのかという反論があることも重々承知の上です。
 こう言ってはなんですが、政治課題がどんどん出てまいります。それを解決しない、未解決のままのものがたくさんあるんじゃないだろうか。我々国民の価値観も多様化しています。変遷しています。こういう状況で、一つの政党があらゆる問題にすべて対応できるのでしょうか、これを教えていただきたいことなんです。
 党内で一致することがあればそれで結構です。ところが、一致しないことが非常に多いんじゃないですか。そのために党議拘束を外す、これをお願いしたいという意味であえてこれを書いてみたわけで、基本法に入れるとか入れないということではないのです。
 さて、調査会は、いわゆる調査するのだということでございます。具体的な成案を出すということじゃないということでございますので、ならば、議員提案で、この手続法を含んだ基本法というものの成立をお願い申し上げたいと思います。これこそ私は護憲だと思います。
 基本法が成立しましたその後の課題はといいますと、九十六条の改正でございます。三分の二を過半数にする。
 過半数という考え方について、先ほど塩野七生さんの話もあったのですが、彼女とは私はちょっと違うのです。国民投票は絶対欠いてはならないということです。いろいろな方、あるいはマスコミも憲法案を出しておりますけれども、国民投票を欠いても憲法改正はできるということになっているのですが、これでは国民が主権者であるとか、国民が政治判断することはできないということで、過半数は絶対入れなきゃならないということです。
 時間になりましたが、最後に一つだけ、申しわけありません。

発言情報

speech_id: 115104184X00520010426_025

発言者: 遠藤政則

speaker_id: 3451

日付: 2001-04-26

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会