近藤基彦の発言 (憲法調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○近藤(基)委員 21世紀クラブの近藤基彦でございます。
 私は、この調査会に、委員に入れていただきましてからちょうど一年になります。その間、幹事会にも参加をさせていただいており、中山会長、鹿野会長代理、葉梨筆頭を初めとする皆様方の大変公平で公正な会の運営を心より感謝を申し上げるものでありますし、また、今後とも同様の会の運営に期待を申し上げておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 さて、私どもの21世紀クラブというのは大変人数の少ない会派ではありますが、憲法の話になるとやはりそれぞれの思いがあるようであり、改憲から護憲まで、それぞれの考え方を持っていらっしゃる先生方がいらっしゃるということで、毎回熱心な議論となっております。
 ただ、一点に関してだけは意見が一致をする点があります。それは、この憲法が非常に読みにくくてわかりにくいということであります。最高法規でありますから、尊厳のある言葉で書いてあるべきだということはよくわかるのでありますけれども、内容や解釈を変えずに、もう少しだれにでもわかる言葉で書いてある副読本的なものがあれば、子供たちから大人までもっと現憲法に興味を持ち、そして理解を深めていただけるんではないかと思うものであります。
 そんなことを話している折に、本屋さんでこんな本を見つけました。もう皆さん方もごらんになった方もたくさんいらっしゃると思いますけれども、「あたらしい憲法のはなし」という本であります。これは、一九四七年、昭和二十二年の八月に文部省が発行いたしました、中学一年生用の社会科の教科書を復刊したものであります。ただ、これは一九五二年、昭和二十七年の三月までのたった数年間だけ使用されたものであります。これを読んでいただけばわかるんですが、この本の一部には、やはり現在の解釈と若干異なる表現や、現在では若干不適当と思われる部分もあるのですけれども、終戦直後に書かれたものであり、何とか子供たちにも新しい憲法を理解してもらおうという当時の熱意が感じられる内容になっているものと思います。
 少しだけ御紹介をさせていただきますと、この本は十五の節に分かれております。現憲法は補則まで入れると十一章でありますが、それに沿って書いてあるというわけでは決してありません。「一 憲法」「二 民主主義とは」「三 国際平和主義」「四 主権在民主義」「五 天皇陛下」「六 戦争の放棄」「七 基本的人権」「八 国会」「九 政党」「十 内閣」「十一 司法」「十二 財政」「十三 地方自治」「十四 改正」そして「十五 最高法規」という、この項目でそれぞれを易しく説明しているというものであります。
 最初の、「一 憲法」という節の出だしをちょっと読んでみます。
  みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本国民は、この憲法を守ってゆくことになりました。このあたらしい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。ところでみなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかかわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きなまちがいです。
  国の仕事は、一日も休むことはできません。また、国を治めてゆく仕事のやりかたは、はっきりときめておかなければなりません。そのためには、いろいろ規則がいるのです。この規則はたくさんありますが、そのうちで、いちばん大事な規則が憲法です。
  国をどういうふうに治め、国の仕事をどういうふうにやってゆくかということをきめた、いちばん根本になっている規則が憲法です。
という書き出しから始まって、各項目をいろいろ易しく紹介しているという本であります。
 私がこの本の話を申し上げたのは、現憲法を改正するあるいは改正をしない、この論議の大前提には、国民にもっともっと現憲法を理解し、そしてその論議に参加をしてもらわなければならないと感じているからであります。
 ですから、今国会から始めた地方公聴会も、やり方の改善はあるにしても、できるだけ多くの場所に出かけていって、我々がもちろん国民の生の声を聞くこと、これは一番大事なことでもありますが、もう一方で、逆に、国民にもっと憲法に興味を持ってもらい、大いに理解をしていただき、大いに議論をしていただく一助になるのではないかと思っております。ですから、これからも、地方公聴会ばかりでなくいろいろな場面で国民の憲法への興味を引く努力をし、理解を深めていくようにするのもこの憲法調査会の、ある意味では一つの目的だと思っております。
 それから、今後の憲法調査会の進め方でありますが、前国会から、二十一世紀の日本のあるべき姿というテーマでいろいろな参考人の方々から意見をお聞きし、大変勉強になっております。ただ、整理をすると、まだお聞きしたいテーマがかなり残されていると感じております。例えば環境問題、教育問題、安全保障問題などなどありますが、私の個人的な意見では、もう少しそういった問題の専門の方々の意見をじっくりお聞きをし、我々も勉強し、また広く国民の皆様にもそういった議論を周知し、また地方公聴会等でそういった国民の皆様方の声をお聞きし、しばらくこれをもう少し深く掘り下げて続けていっていただきたいというのが私どもの意見であります。この点では御配慮のほどをよろしくお願い申し上げて、私どもの会派の意見といたしたいと思います。
 ありがとうございました。

発言情報

speech_id: 115104184X00720010614_020

発言者: 近藤基彦

speaker_id: 34408

日付: 2001-06-14

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会