中川正春の発言 (憲法調査会)
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○中川(正)委員 民主党の中川正春でございます。
この一年余り、憲法調査会に席を置いて、憲法を論じるという機会を与えていただきました。日常の政治活動の中に憲法がいかに反映されなければならないか、あるいは、我々、おのずと憲法の原点に戻っていってこの国の形を考えていくということ、これがいかに大切かということを改めてこの一年の議論の中で私自身もかみしめているところであります。
また一方で、今、国の情勢、特に国会、それから内閣、あるいは司法、裁判所の問われているところ、新しい時代変革のさなかで、一つの統治能力、ガバナビリティーというのですか、そうしたものが欠如をしておる。立ち往生しながら、どこへ行こうかということで今迷い続けている、そんな状況がこの日本の現状の中に浮かび上がってくるんではないだろうかというふうに思うわけであります。
そうした意味から、憲法をてこにしながら、このガバナビリティーをもう一度私たちの手にしっかりとよみがえらせる、新しい国のエネルギーとしてそこに集中をしていく、このことが私たち政治家にとって改めて大切なことなのではないかということを思っております。
その上に立って、具体的な問題、特にこの調査会、正直、私の気持ちから言えば、現状の形で五年間推移をしていくんではなくて、もっとダイナミックに、そうした意味ではこのガバナビリティーにもっとエネルギーを注入できるような役割というか、そういうものを模索していく必要もあるんではないだろうか、そんな素直な気持ちも表明をさせていただきたいというふうに思います。
そうした中で、具体的に例をとってお話をさせていただきますと、例えば、財政再建という問題が日本で今本当に大きな課題となっておりますが、アメリカでは、一九九七年、オーリン・ハッチ上院議員によって、第百五回連邦議会に財政の均衡を図るための憲法改正案が出されております。財政赤字を解消するために、各院の総議員の五分の三以上により賛成されない限り当該会計年度において支出が収入を上回ってはならない、そういう内容でありますが、実は二度出されまして、必要な三分の一に一票差で廃案となっております。しかし、これが出されたということで、クリントン政権の中でその次の手だてというのが起き上がってきまして、ダイナミックに財政再建に向けた考え方が整理をされました。
これは一つの例でありますが、日本では、ブッシュ政権にかわってから、また外交課題の中で、この間から話に出ておりますTMDやNMDに対してどういうスタンスをとっていくか、日本の一つの生きざまがここで問われるような国際環境でもこれあり、あるいはまた社会的には、時代の急激な変化から社会的なドロップアウトを生み出して、家庭の崩壊や人間疎外などの社会現象によって多発している病的犯罪や子供たちの無規範な社会行動、こうしたものが、どうするのかということで、私たちに差し迫った課題として出てきております。
こうした現実的な課題が、私自身が考えなければならない大きな問題として目の前にあるだけに、もっと言えば、憲法改正の発議権というのはこの国会にありまして、憲法第九十六条、国会議員しかこの発議はできないということでもあります。そんなことを考えていけばいくほど、私たちのこの議論というのも、ただこうした形、勉強会で終わるだけじゃなくて、この調査会も含めて、あるいはまたほかのいろいろな組織も含めて、さらに活発な、具体的な憲法議論というものに進めていきいたい、そのことを改めて表明させていただくところでございます。
以上です。