上田勇の発言 (憲法調査会)

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○上田(勇)委員 公明党の上田でございます。
 私は、本年の一月からこの憲法調査会に所属をさせていただきまして、これまで非常に幅の広い分野の有識者の方々から意見を聴取し、いずれも貴重な御意見であったというふうに考えております。そうした御意見を総括してみますと、今の憲法と、それに基づいて形成されてきました今日の日本の社会に対する評価というのは、部分的にはさまざまな意見があるものの、おおむね評価するというものが多かったんではないかというふうに考えております。
 しかし一方で、憲法制定時から、我が国を取り巻く国際環境や国内の情勢も劇的な変化をしてきているのも事実であります。その代表的な問題は、国際的な環境についていえば、東西冷戦構造が崩壊をしたということと、我が国が経済力を背景として、国際社会における地位、影響力が格段に増大したということではないかというふうに思います。国内の情勢を考えてみますと、かつて私たちが経験したことのない少子高齢社会が進行しているということ、それから、従来の物質的な豊かさを至上とする価値観から、極めて多様な価値観、ライフスタイルの社会になってきているということが挙げられるのではないかというふうに思っております。
 私は、私たちが今議論をしている二十一世紀の日本の憲法のあり方というのは、そういう意味で、今の憲法の考え方、理念を基礎として、こうした環境の変化にいかに対応していくものにしていくかということがこれから必要であろうというふうに考えております。
 これからこの調査会での論議の方向性について私なりの若干の考え方を御提案させていただきたいと思いますが、これまで包括的にこの国のあるべき姿という議論をしてまいりました。それはいずれも、冒頭申し上げましたように貴重な御意見であり、評価できるものではありますが、こうしたこれまでの議論を踏まえまして、今後は関心の高いテーマごとに焦点を当てて、もっと具体性のある、より深みのある議論を行ってはどうかというふうに考えております。
 いろいろな御意見があろうかと思いますが、私が、当面論議する必要性の高い、また早く議論を深めるべきであると考えている課題は、一つには、日本国憲法の最大の特徴であります第九条の平和主義の考え方であります。
 この平和主義の理念、私は、非常に貴重なものであり、守っていかなければいけないというふうに考えておりますけれども、今の国際社会の中において、我が国に対する期待、我が国がもっと積極的な役割を果たしていくことに対する期待は年々高まっており、それにいかにしてこたえていくかということが今大きな課題になっているのではないかというふうに思います。その代表的な例が、例えば国連のPKO活動への参加についてどこまで考えるかというようなことをもっと議論し、それに伴う憲法のあり方も考えていかなければいけないというふうに考えております。
 二つ目には、現憲法でも国民主権がうたわれているわけでありますけれども、これをいかに実質的にもっと深めていくのか、あるいは現代に合ったような形でどれだけ展開できるかということではないかというふうに思っております。
 その論点には、最近話題になっております首相公選制の是非の問題、二院制のあり方を含む国会の機能の問題、あるいは住民投票等直接民主主義のあり方なども議論すべきだろうというふうに思っております。
 三つ目には、立法、行政、司法の三権のあり方、これも改めて見直す必要があろうかというふうに思っております。特に、非常に強大化している行政権をどういうふうに位置づけていくのか、そして、それにかわる司法の機能拡充といったことも大きなテーマとしてこれから論議をしていただければというふうに考えているところでございます。
 以上です。
    〔会長退席、鹿野会長代理着席〕

発言情報

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発言者: 上田勇

speaker_id: 32551

日付: 2001-06-14

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会