山本幸三の発言 (財務金融委員会)
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○山本(幸)委員 ゼロ金利解除は失敗ではなかった、間違いではなかった、そう強弁されるわけですね。その根拠は、要するに、昨年の数字はよかった、株もゼロ金利解除しても月末まで上がったじゃないか、そういうことが一つ根拠。それから、日本経済がおかしくなったのは昨年の末からであって、それは米国経済が落ち込んだからだという理屈のようですね。
幾つか疑問がありますが、八月、ゼロ金利解除をやって株が月末まで上がったら、それでいいという話になるのですか。ではあなたのモデルでは、金融政策を変更したらすぐに効果があらわれて、その効果は二週間ぐらいで終わる、そんなモデルを使って議論しているんでしょうかね。そんなモデルがあったらいずれ論文で示してもらいたい。そんな、金融政策の効果が、やって直ちにきくなんという実証研究なんて見たことない。大体、金融政策の効果が出てくるのは、二カ月とか三カ月後に出てくるというのがどんな実証研究だって出している話ですよ。
それから、米国経済が予想以上に落ち込んだ、昨年の末まではだれもそんなことはわからなかったと言っていますが、私は、去年の予算委員会でちゃんと言っていますよ。米国経済はもうおかしくなりつつある、米国経済は落ち込みつつあるよ、そしてアジア経済も落ち込みつつある、こんなことは私はわかっていた。あなたがわかっていなかったというだけの話じゃないですか。そう予算委員会で私は指摘していますよ。みんなわかっていましたよ。当時、アメリカの株価はいずれ暴落する、七千ドルか八千ドルぐらいになってもおかしくない、PERから見て。そんなことはもう普通に言われていたことですよ。それを、いや、私は全くわかりませんでしたというのは、あなたの見通しが、予測能力が足りないというだけの話じゃないんですか。私は、米国経済がおかしくなると。
私はもっと、もう一個リスク要因があると思っていた。それは原油価格の高騰ですが、これは私が危惧したほどにはありませんで、それはよかったと思っているんですが、原油価格の高騰がそれに加わっていたら大変なことになっていた。原油価格の高騰はそうならなかったけれども、米国経済は予想以上に落ちた。
しかし、いずれにしても八月の段階で、将来的に見れば、デフレという状況に対して、むしろ下振れリスクのある現象の方が起こる可能性が高いということが明らかだったわけですよ。そういうときに、あなたは、足元がいい数字が出てきたから、今やその足元のいい数字だったのは間違いだったのが明らかになっています。七—九のGDPはプラスどころかマイナスだった、あるいは、ダム論の根拠になった中小企業の所定外給与、特別給与は実はそんなにプラスじゃなかったということが明らかになっています。
つまり、政府はもうその当時補正予算の話をしていた。政府はもうそういう予測をして、補正予算ということでエンジンをかけた。将来的には下振れリスクしかない、そういう状況でエンジンをかけなきゃいけないときに、あなたはブレーキをかけた、逆噴射をしたんですよ。私は、これが間違いでなくて何が間違いだと言うしかないと思うんですね。
今回の「金融市場調節方式の変更と一段の金融緩和措置について」という前文のところにはっきりと書いていますよ。「過去十年間にわたり、」云々と書いてあって、いろいろやってきた、「それにもかかわらず、日本経済は持続的な成長軌道に復するに至らず、ここにきて、再び経済情勢の悪化に見舞われるという困難な局面に立ち至った。」はっきりと、これは財政政策も含めてですが、財政金融政策は間違ってきましたということをちゃんと認めているじゃないですか。
失敗であったか失敗でなかったかという評価は、国民生活に利益をもたらしたか被害をもたらしたかで判断するべきだと私は思います。昨年のゼロ金利政策を解除したときに、ノーベル経済学賞をもらったポール・サミュエルソンさんが大変興味深い論文を書いて、ある新聞に寄稿されました。
それは、日銀は間違いを犯しただろう、そのときに、しかし流動性のわなにはまり込んでしまった場合には、金利を上げようと下げようと、その変化が通常は実質経済成長率や物価水準に持つ影響力の多くは失われる、こう書いた後に、だが、破産は別だ、支払い不能の瀬戸際に立たされた企業や銀行は、消費や投資の需要がまだまだ正常なレベルまで戻っていないのに、時期尚早に金利を厳しくされると、はっきりとした倒産へとたたき落とされてしまう、サミュエルソンさんはそう書いてある。私は、現実にそのことが起こった。不必要に倒産を余儀なくされた中小企業者がたくさん出た、失業を余儀なくされた雇用者がたくさん出たんですよ。
あなたは、そういう倒産した企業経営者や失業の憂き目に遭った人たちに対してお断りをしたいという気持ちはないんですか。そんなものは全然私の知ったことではない、グリーンスパンよりも二倍も給料をもらっているからいいや、そういう気持ちなんでしょうか。いかがですか。