財務金融委員会
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会
会議録情報#0
平成十三年三月三十日(金曜日)
午前十時一分開議
出席委員
委員長 山口 俊一君
理事 伊藤 公介君 理事 佐藤 剛男君
理事 根本 匠君 理事 林田 彪君
理事 五十嵐文彦君 理事 海江田万里君
理事 石井 啓一君 理事 鈴木 淑夫君
大木 浩君 大野 松茂君
倉田 雅年君 小泉 龍司君
小島 敏男君 七条 明君
砂田 圭佑君 竹下 亘君
中村正三郎君 萩山 教嚴君
増原 義剛君 村田 吉隆君
山本 明彦君 山本 幸三君
渡辺 喜美君 上田 清司君
江崎洋一郎君 岡田 克也君
河村たかし君 小泉 俊明君
今野 東君 中川 正春君
長妻 昭君 原口 一博君
松本 剛明君 谷口 隆義君
若松 謙維君 中塚 一宏君
佐々木憲昭君 吉井 英勝君
阿部 知子君 植田 至紀君
…………………………………
財務大臣 宮澤 喜一君
国務大臣
(金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
内閣府副大臣 村井 仁君
財務副大臣 村上誠一郎君
財務大臣政務官 大野 松茂君
財務大臣政務官 砂田 圭佑君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 永谷 安賢君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 岩田 一政君
政府参考人
(金融庁監督局長) 高木 祥吉君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 衞藤 英達君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 木村 幸俊君
政府参考人
(財務省主計局次長) 藤井 秀人君
政府参考人
(国税庁次長) 大武健一郎君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 伊藤 雅治君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局次
長) 青木 功君
参考人
(日本銀行総裁) 速水 優君
参考人
(日本銀行副総裁) 藤原 作彌君
参考人
(日本銀行理事) 黒田 巖君
参考人
(日本銀行理事) 増渕 稔君
参考人
(日本銀行理事) 小池 光一君
財務金融委員会専門員 田頭 基典君
—————————————
委員の異動
三月三十日
辞任 補欠選任
七条 明君 小島 敏男君
岡田 克也君 今野 東君
日野 市朗君 上田 清司君
同日
辞任 補欠選任
小島 敏男君 七条 明君
上田 清司君 日野 市朗君
今野 東君 岡田 克也君
—————————————
三月十五日
消費税の大増税に反対、食料品の非課税に関する請願(穀田恵二君紹介)(第六五七号)
同(塩川鉄也君紹介)(第六五八号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
財政及び金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書並びに破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)
財政及び金融に関する件
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時一分開議
出席委員
委員長 山口 俊一君
理事 伊藤 公介君 理事 佐藤 剛男君
理事 根本 匠君 理事 林田 彪君
理事 五十嵐文彦君 理事 海江田万里君
理事 石井 啓一君 理事 鈴木 淑夫君
大木 浩君 大野 松茂君
倉田 雅年君 小泉 龍司君
小島 敏男君 七条 明君
砂田 圭佑君 竹下 亘君
中村正三郎君 萩山 教嚴君
増原 義剛君 村田 吉隆君
山本 明彦君 山本 幸三君
渡辺 喜美君 上田 清司君
江崎洋一郎君 岡田 克也君
河村たかし君 小泉 俊明君
今野 東君 中川 正春君
長妻 昭君 原口 一博君
松本 剛明君 谷口 隆義君
若松 謙維君 中塚 一宏君
佐々木憲昭君 吉井 英勝君
阿部 知子君 植田 至紀君
…………………………………
財務大臣 宮澤 喜一君
国務大臣
(金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
内閣府副大臣 村井 仁君
財務副大臣 村上誠一郎君
財務大臣政務官 大野 松茂君
財務大臣政務官 砂田 圭佑君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 永谷 安賢君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 岩田 一政君
政府参考人
(金融庁監督局長) 高木 祥吉君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 衞藤 英達君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 木村 幸俊君
政府参考人
(財務省主計局次長) 藤井 秀人君
政府参考人
(国税庁次長) 大武健一郎君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 伊藤 雅治君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局次
長) 青木 功君
参考人
(日本銀行総裁) 速水 優君
参考人
(日本銀行副総裁) 藤原 作彌君
参考人
(日本銀行理事) 黒田 巖君
参考人
(日本銀行理事) 増渕 稔君
参考人
(日本銀行理事) 小池 光一君
財務金融委員会専門員 田頭 基典君
—————————————
委員の異動
三月三十日
辞任 補欠選任
七条 明君 小島 敏男君
岡田 克也君 今野 東君
日野 市朗君 上田 清司君
同日
辞任 補欠選任
小島 敏男君 七条 明君
上田 清司君 日野 市朗君
今野 東君 岡田 克也君
—————————————
三月十五日
消費税の大増税に反対、食料品の非課税に関する請願(穀田恵二君紹介)(第六五七号)
同(塩川鉄也君紹介)(第六五八号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
財政及び金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書並びに破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)
財政及び金融に関する件
————◇—————
山
山口俊一#1
○山口委員長 これより会議を開きます。
財政及び金融に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君、日本銀行副総裁藤原作彌君、日本銀行理事黒田巖君、日本銀行理事増渕稔君及び日本銀行理事小池光一君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として国税庁次長大武健一郎君、金融庁監督局長高木祥吉君、内閣府大臣官房審議官永谷安賢君、内閣府政策統括官岩田一政君、総務省大臣官房審議官衞藤英達君、厚生労働省医政局長伊藤雅治君及び厚生労働省職業安定局次長青木功君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →財政及び金融に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君、日本銀行副総裁藤原作彌君、日本銀行理事黒田巖君、日本銀行理事増渕稔君及び日本銀行理事小池光一君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として国税庁次長大武健一郎君、金融庁監督局長高木祥吉君、内閣府大臣官房審議官永谷安賢君、内閣府政策統括官岩田一政君、総務省大臣官房審議官衞藤英達君、厚生労働省医政局長伊藤雅治君及び厚生労働省職業安定局次長青木功君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山
山
山口俊一#3
○山口委員長 去る平成十二年十二月五日、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づき、国会に提出されました通貨及び金融の調節に関する報告書につきまして、概要の説明を求めます。日本銀行総裁速水優君。
この発言だけを見る →速
速水優#4
○速水参考人 御説明申し上げます。
日本銀行は、昨年の十二月、平成十二年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出いたしました。この機に、日本銀行の金融政策運営につきまして総括的に御説明する場をいただきましたことに、厚く御礼申し上げます。
昨年の報告書提出の後、日本経済の情勢は大きく変化をいたしまして、本年二月以降、日本銀行は、金融政策運営面で機動的、弾力的に幾つかの措置を講じてまいりました。
そこで本席では、まず私から、最近の日本経済の動向につきましてその認識と、金融政策運営の考え方につきまして申し述べさせていただきたいと思います。
昨年中の日本経済を振り返りますと、景気は企業部門を中心に持ち直しの動きが次第に明確化してきて、生産、収益、設備投資、これらは増加を続けるなど、緩やかな回復過程をたどっておりました。しかしながら、その後の経済の足取りは、順調というわけにはまいりませんでした。
その背景としましては、まず、米国経済が、昨年半ばごろまでの五%前後といった高い成長から、昨年秋以降は、大方の予想を上回るテンポで急激に減速、スピードダウンしたことが挙げられます。さらに、米国経済との結びつきの強い韓国、台湾など一部の東アジア諸国でも、景気のスローダウンが明確になってまいりました。
こうした海外経済の急激な減速を受けまして、日本経済も、昨年末以降、景気回復のテンポが鈍化いたしまして、このところ足踏み状態になっていると判断されます。先行きにつきましても、当面は停滞色の強い展開が続く可能性が高いと考えられます。
この間、物価も弱含みを続けておりまして、ただいま申し述べたような実体経済の動きを踏まえますと、今後、需要の弱さを反映した物価低下圧力が強まる懸念があると考えられます。
また、金融・資本市場の動きを見ますと、IT関連を中心とする世界的な株価調整の動きに加えまして、日本経済の先行きに対する不透明感の強まりもあって、我が国の株価も、昨年秋以降、下落傾向が目立ってまいりました。為替市場や債券市場でも、円安や長期金利の低下といった動きが進みました。
こうした市場経済の動向には、ただいま申しましたように、海外経済の減速やこれを受けた国内経済情勢の変化に加えて、不良債権問題の解決を初めとする日本経済の構造改革のおくれに対する内外の懸念も影響しているように思われます。
このような経済情勢の変化や金融市場の動向を踏まえまして、日本銀行では、本年二月以降、金融政策面で幾つかの措置を講じてまいりました。
まず、二月九日の金融政策決定会合では、公定歩合により受動的に貸し出しを行っていく、いわゆるロンバート型貸出制度の新設など、幾つかの流動性供給方法の改善策を講じました。その上で、新たにこの貸し出しの適用金利となる公定歩合について、〇・一五%ポイントの引き下げを実施いたしました。
次いで、二月二十八日の決定会合におきましては、生産の減少といった経済情勢の変化を踏まえまして、コールレートの誘導水準及び公定歩合をそれぞれ〇・一%ポイント引き下げるという金融緩和措置を決定いたしました。
さらに、先週三月十九日の決定会合におきましては、日本銀行は、通常では行われないような思い切った金融緩和に踏み切ることを決定いたしました。この措置は、日本銀行として、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備するという観点から、断固たる決意をもって実施に踏み切った次第でございます。
金融緩和措置の具体的な内容を説明しますと、まず、金融市場調節の主たる操作目標を、これまでの翌日物コールレートという金利から、日本銀行当座預金残高という資金の量に変更いたしました。
同時に、この新しい金融調節方式を、消費者物価の前年比が安定的にゼロ%以上となるまで続けていくということを決定いたしました。これは、こうした思い切った政策を継続する条件について明確なコミットメントを行うことを通じて、より長目の金利に働きかけるとともに、日本銀行として、物価の継続的な上昇と同様、継続的な下落も許容しないという強い決意を示すものであります。
こうした新しい金融調節方式のもとで、それまで四兆円前後でありました日本銀行当座預金残高を、当面、五兆円程度に増額することにいたしました。この結果、翌日物のコールレートは、通常はゼロ%近辺で推移するものと考えられます。実際、その後のコールレートの動きもこうした推移をたどりつつあります。
なお、資金供給のためのオペレーションに未達、いわゆる札割れといったようなことが多発するケースなども、資金を円滑に供給する上で必要とされる場合には、現在月四千億円のペースで行っております長期国債の買い入れ、これを増額することもあわせて決定いたしました。ただし、言うまでもありませんが、これは、国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的とするものではございません。今回、こうした趣旨を明らかにするため、日本銀行が保有する長期国債の残高は日本銀行券の発行残高を上限とするという明確な歯どめを設けた次第でございます。
以上、今回の思い切った金融緩和措置の内容を説明いたしましたが、こうした措置がその効果を十分に発揮し、日本経済の持続的な成長軌道への復帰が実現されるためには、不良債権問題の解決を初め、金融システム面や経済、産業の面での構造改革の進展が不可欠の条件であると考えられます。
実際、過去十年間、日本経済は、景気循環という観点から見て、何度か回復の動きが見られましたが、結局、力強い回復を迎えることなく、景気後退に直面するという事態を繰り返してまいりました。今回、景気が再び足踏み状態となっておりますのは、先ほど申しましたとおり、短期的には、米国を中心とする海外経済の予想以上の急激な減速が主因と見られます。しかし、より根本的な問題は、さまざまな構造的課題が依然未解決のまま残っているということにあると考えられます。
もとより、構造改革は痛みを伴うプロセスでありますが、こうした痛みを乗り越えて改革を進めない限り、日本経済の持続的な成長を確保していくことは期待しがたいと思う次第でございます。
日本銀行としては、今後とも適切な金融政策運営に努めてまいる所存でございますが、同時に、構造改革に向けた各方面における抜本的な取り組みが速やかに進展することを強く期待しておる次第でございます。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →日本銀行は、昨年の十二月、平成十二年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出いたしました。この機に、日本銀行の金融政策運営につきまして総括的に御説明する場をいただきましたことに、厚く御礼申し上げます。
昨年の報告書提出の後、日本経済の情勢は大きく変化をいたしまして、本年二月以降、日本銀行は、金融政策運営面で機動的、弾力的に幾つかの措置を講じてまいりました。
そこで本席では、まず私から、最近の日本経済の動向につきましてその認識と、金融政策運営の考え方につきまして申し述べさせていただきたいと思います。
昨年中の日本経済を振り返りますと、景気は企業部門を中心に持ち直しの動きが次第に明確化してきて、生産、収益、設備投資、これらは増加を続けるなど、緩やかな回復過程をたどっておりました。しかしながら、その後の経済の足取りは、順調というわけにはまいりませんでした。
その背景としましては、まず、米国経済が、昨年半ばごろまでの五%前後といった高い成長から、昨年秋以降は、大方の予想を上回るテンポで急激に減速、スピードダウンしたことが挙げられます。さらに、米国経済との結びつきの強い韓国、台湾など一部の東アジア諸国でも、景気のスローダウンが明確になってまいりました。
こうした海外経済の急激な減速を受けまして、日本経済も、昨年末以降、景気回復のテンポが鈍化いたしまして、このところ足踏み状態になっていると判断されます。先行きにつきましても、当面は停滞色の強い展開が続く可能性が高いと考えられます。
この間、物価も弱含みを続けておりまして、ただいま申し述べたような実体経済の動きを踏まえますと、今後、需要の弱さを反映した物価低下圧力が強まる懸念があると考えられます。
また、金融・資本市場の動きを見ますと、IT関連を中心とする世界的な株価調整の動きに加えまして、日本経済の先行きに対する不透明感の強まりもあって、我が国の株価も、昨年秋以降、下落傾向が目立ってまいりました。為替市場や債券市場でも、円安や長期金利の低下といった動きが進みました。
こうした市場経済の動向には、ただいま申しましたように、海外経済の減速やこれを受けた国内経済情勢の変化に加えて、不良債権問題の解決を初めとする日本経済の構造改革のおくれに対する内外の懸念も影響しているように思われます。
このような経済情勢の変化や金融市場の動向を踏まえまして、日本銀行では、本年二月以降、金融政策面で幾つかの措置を講じてまいりました。
まず、二月九日の金融政策決定会合では、公定歩合により受動的に貸し出しを行っていく、いわゆるロンバート型貸出制度の新設など、幾つかの流動性供給方法の改善策を講じました。その上で、新たにこの貸し出しの適用金利となる公定歩合について、〇・一五%ポイントの引き下げを実施いたしました。
次いで、二月二十八日の決定会合におきましては、生産の減少といった経済情勢の変化を踏まえまして、コールレートの誘導水準及び公定歩合をそれぞれ〇・一%ポイント引き下げるという金融緩和措置を決定いたしました。
さらに、先週三月十九日の決定会合におきましては、日本銀行は、通常では行われないような思い切った金融緩和に踏み切ることを決定いたしました。この措置は、日本銀行として、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備するという観点から、断固たる決意をもって実施に踏み切った次第でございます。
金融緩和措置の具体的な内容を説明しますと、まず、金融市場調節の主たる操作目標を、これまでの翌日物コールレートという金利から、日本銀行当座預金残高という資金の量に変更いたしました。
同時に、この新しい金融調節方式を、消費者物価の前年比が安定的にゼロ%以上となるまで続けていくということを決定いたしました。これは、こうした思い切った政策を継続する条件について明確なコミットメントを行うことを通じて、より長目の金利に働きかけるとともに、日本銀行として、物価の継続的な上昇と同様、継続的な下落も許容しないという強い決意を示すものであります。
こうした新しい金融調節方式のもとで、それまで四兆円前後でありました日本銀行当座預金残高を、当面、五兆円程度に増額することにいたしました。この結果、翌日物のコールレートは、通常はゼロ%近辺で推移するものと考えられます。実際、その後のコールレートの動きもこうした推移をたどりつつあります。
なお、資金供給のためのオペレーションに未達、いわゆる札割れといったようなことが多発するケースなども、資金を円滑に供給する上で必要とされる場合には、現在月四千億円のペースで行っております長期国債の買い入れ、これを増額することもあわせて決定いたしました。ただし、言うまでもありませんが、これは、国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的とするものではございません。今回、こうした趣旨を明らかにするため、日本銀行が保有する長期国債の残高は日本銀行券の発行残高を上限とするという明確な歯どめを設けた次第でございます。
以上、今回の思い切った金融緩和措置の内容を説明いたしましたが、こうした措置がその効果を十分に発揮し、日本経済の持続的な成長軌道への復帰が実現されるためには、不良債権問題の解決を初め、金融システム面や経済、産業の面での構造改革の進展が不可欠の条件であると考えられます。
実際、過去十年間、日本経済は、景気循環という観点から見て、何度か回復の動きが見られましたが、結局、力強い回復を迎えることなく、景気後退に直面するという事態を繰り返してまいりました。今回、景気が再び足踏み状態となっておりますのは、先ほど申しましたとおり、短期的には、米国を中心とする海外経済の予想以上の急激な減速が主因と見られます。しかし、より根本的な問題は、さまざまな構造的課題が依然未解決のまま残っているということにあると考えられます。
もとより、構造改革は痛みを伴うプロセスでありますが、こうした痛みを乗り越えて改革を進めない限り、日本経済の持続的な成長を確保していくことは期待しがたいと思う次第でございます。
日本銀行としては、今後とも適切な金融政策運営に努めてまいる所存でございますが、同時に、構造改革に向けた各方面における抜本的な取り組みが速やかに進展することを強く期待しておる次第でございます。
御清聴ありがとうございました。
山
山口俊一#5
○山口委員長 これにて概要の説明は終了いたしました。
次に、去る九日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣柳澤伯夫君。
この発言だけを見る →次に、去る九日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣柳澤伯夫君。
柳
柳澤伯夫#6
○柳澤国務大臣 去る三月九日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十二年七月二十七日以降、中央省庁再編に伴い金融再生委員会が廃止された本年一月五日までの間における、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
まず初めに、特別公的管理が行われておりました長銀及び日債銀に係る措置につきまして、概要を申し上げます。
日本長期信用銀行につきましては、前回御報告申し上げましたように、昨年三月一日、預金保険機構が保有する長銀の既存普通株式約二十四億株を、米国のリップルウッド社が中心となって組成した投資コンソーシアムであるニュー・LTCB・パートナーズ社、以下パートナーズ社と申し上げます、に対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了しておりました。
その際、昨年二月二十八日、予備的基準日貸借対照表に基づき三兆五千八百八十億円の金銭贈与、損失補てんが行われておりましたが、本年一月五日、基準日貸借対照表の確定に伴い、新生銀行より預金保険機構に対して、金銭の贈与に係る特例資金援助及び損失の補てん額の変更の申し込みがなされ、同日、金融再生委員会等により、金銭の贈与、損失の補てん額を三兆五千八百九十九億円に変更することが承認されました。
次に、日本債券信用銀行につきましては、昨年九月一日に、預金保険機構が保有する日債銀の既存普通株式約二十五億株を、ソフトバンク、オリックス及び東京海上火災保険を中心に構成される出資グループ、ソフトバンクグループに対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了したところであります。譲渡に当たっては、金融再生法の規定に従い、八月三十一日、預金保険機構より日債銀に対し約三兆二千四百二十八億円の金銭贈与、損失の補てんが行われたところであります。
また、長銀、日債銀に係る瑕疵担保条項に基づく解除権の行使状況についてですが、本年一月五日現在で預金保険機構が引き取ることとなった案件は、新生銀行については、前回御報告申し上げましたそごうグループのほか三社で、債権額二千百四十一億円、支払い見込み額千百二十二億円であり、あおぞら銀行については、そごうグループほか一社で債権額百六十三億円、支払い見込み額六十三億円となっております。
次に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われた金融機関に関する措置につきまして、御説明申し上げます。
管理を命ずる処分が行われていた国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行及び新潟中央銀行の五行の受け皿への営業譲渡については、各行の金融整理管財人により鋭意作業、検討が進められた結果、昨年八月十四日に国民銀行が八千代銀行に譲渡されたのを初め、本報告の対象期間以降の措置も含めますと、幸福銀行が本年二月二十六日に関西さわやか銀行に、なみはや銀行が本年二月十三日に大和銀行及び近畿大阪銀行にそれぞれ譲渡されております。残る東京相和銀行、新潟中央銀行に関しましても、東京相和銀行につきましては、六月十一日に米国に本拠を持つローンスターにより今後設立される新銀行に譲渡される予定となっており、新潟中央銀行につきましては、五月十四日に大光銀行、第四銀行を初めとする六行に譲渡される予定となっております。
また、協同組織金融機関に対しましては、昨年七月二十七日以降本年一月五日までの間に、二十一信用組合に対し金融整理管財人による管理を命ずる処分及び金融整理管財人の選任が行われております。
なお、その後において、二信用組合に対し同様の措置がとられております。
続きまして、預金保険法に基づく金融機関の破綻処理について御説明申し上げます。
昨年七月二十七日以降本年一月五日までの間に、預金保険法の単独適用案件で金融再生委員会による預金保険法第六十一条第一項に基づく適格性の認定及び金融再生委員会及び大蔵大臣による預金保険法附則第十六条第二項に基づく必要性の認定が行われたものは、破綻金融機関数で見ると五信用金庫であります。
最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る資金を経理する預金保険機構の各勘定の状況について御説明申し上げます。
まず、一般勘定については、ペイオフコストの範囲内の一般資金援助等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は一兆七千三百億円となっております。
次に、特例業務勘定については、ペイオフコストを超える特別資金援助や破綻金融機関の資産の買い取りに係る整理回収機構への貸し付け等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は三兆七千七百八億円となっております。また、特例業務勘定において、ペイオフコストを超える特別資金援助の原資に充当するために設けられた特例業務基金に交付された国債の償還状況は、累計で七兆八千二百七十五億円となっております。
さらに、金融再生勘定については、特別公的管理銀行に対する損失の補てん、金融機関等の資産の買い取りを行う整理回収機構への貸し付け等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は、五兆六百十九億円となっております。
このほか、金融機能早期健全化法に基づく資本増強に係る整理回収機構への貸し付け等の業務を経理する金融機能早期健全化勘定の借入残高は、一月五日現在で八兆二千七百二十六億円となっております。
ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまで金融再生委員会等において、関係法令に従い所要の措置を迅速かつ的確に講じてまいったところでありますが、金融再生委員会の事務を引き継いだ金融庁といたしましても、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定に向けて万全を期してまいる所存でございます。
御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →まず初めに、特別公的管理が行われておりました長銀及び日債銀に係る措置につきまして、概要を申し上げます。
日本長期信用銀行につきましては、前回御報告申し上げましたように、昨年三月一日、預金保険機構が保有する長銀の既存普通株式約二十四億株を、米国のリップルウッド社が中心となって組成した投資コンソーシアムであるニュー・LTCB・パートナーズ社、以下パートナーズ社と申し上げます、に対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了しておりました。
その際、昨年二月二十八日、予備的基準日貸借対照表に基づき三兆五千八百八十億円の金銭贈与、損失補てんが行われておりましたが、本年一月五日、基準日貸借対照表の確定に伴い、新生銀行より預金保険機構に対して、金銭の贈与に係る特例資金援助及び損失の補てん額の変更の申し込みがなされ、同日、金融再生委員会等により、金銭の贈与、損失の補てん額を三兆五千八百九十九億円に変更することが承認されました。
次に、日本債券信用銀行につきましては、昨年九月一日に、預金保険機構が保有する日債銀の既存普通株式約二十五億株を、ソフトバンク、オリックス及び東京海上火災保険を中心に構成される出資グループ、ソフトバンクグループに対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了したところであります。譲渡に当たっては、金融再生法の規定に従い、八月三十一日、預金保険機構より日債銀に対し約三兆二千四百二十八億円の金銭贈与、損失の補てんが行われたところであります。
また、長銀、日債銀に係る瑕疵担保条項に基づく解除権の行使状況についてですが、本年一月五日現在で預金保険機構が引き取ることとなった案件は、新生銀行については、前回御報告申し上げましたそごうグループのほか三社で、債権額二千百四十一億円、支払い見込み額千百二十二億円であり、あおぞら銀行については、そごうグループほか一社で債権額百六十三億円、支払い見込み額六十三億円となっております。
次に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われた金融機関に関する措置につきまして、御説明申し上げます。
管理を命ずる処分が行われていた国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行及び新潟中央銀行の五行の受け皿への営業譲渡については、各行の金融整理管財人により鋭意作業、検討が進められた結果、昨年八月十四日に国民銀行が八千代銀行に譲渡されたのを初め、本報告の対象期間以降の措置も含めますと、幸福銀行が本年二月二十六日に関西さわやか銀行に、なみはや銀行が本年二月十三日に大和銀行及び近畿大阪銀行にそれぞれ譲渡されております。残る東京相和銀行、新潟中央銀行に関しましても、東京相和銀行につきましては、六月十一日に米国に本拠を持つローンスターにより今後設立される新銀行に譲渡される予定となっており、新潟中央銀行につきましては、五月十四日に大光銀行、第四銀行を初めとする六行に譲渡される予定となっております。
また、協同組織金融機関に対しましては、昨年七月二十七日以降本年一月五日までの間に、二十一信用組合に対し金融整理管財人による管理を命ずる処分及び金融整理管財人の選任が行われております。
なお、その後において、二信用組合に対し同様の措置がとられております。
続きまして、預金保険法に基づく金融機関の破綻処理について御説明申し上げます。
昨年七月二十七日以降本年一月五日までの間に、預金保険法の単独適用案件で金融再生委員会による預金保険法第六十一条第一項に基づく適格性の認定及び金融再生委員会及び大蔵大臣による預金保険法附則第十六条第二項に基づく必要性の認定が行われたものは、破綻金融機関数で見ると五信用金庫であります。
最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る資金を経理する預金保険機構の各勘定の状況について御説明申し上げます。
まず、一般勘定については、ペイオフコストの範囲内の一般資金援助等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は一兆七千三百億円となっております。
次に、特例業務勘定については、ペイオフコストを超える特別資金援助や破綻金融機関の資産の買い取りに係る整理回収機構への貸し付け等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は三兆七千七百八億円となっております。また、特例業務勘定において、ペイオフコストを超える特別資金援助の原資に充当するために設けられた特例業務基金に交付された国債の償還状況は、累計で七兆八千二百七十五億円となっております。
さらに、金融再生勘定については、特別公的管理銀行に対する損失の補てん、金融機関等の資産の買い取りを行う整理回収機構への貸し付け等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は、五兆六百十九億円となっております。
このほか、金融機能早期健全化法に基づく資本増強に係る整理回収機構への貸し付け等の業務を経理する金融機能早期健全化勘定の借入残高は、一月五日現在で八兆二千七百二十六億円となっております。
ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまで金融再生委員会等において、関係法令に従い所要の措置を迅速かつ的確に講じてまいったところでありますが、金融再生委員会の事務を引き継いだ金融庁といたしましても、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定に向けて万全を期してまいる所存でございます。
御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
山
山
山
山本幸三#9
○山本(幸)委員 自由民主党の山本幸三でございます。
私は、きょうこの日を大変楽しみにしておりました。速水日銀総裁と直接議論ができるのはなかなかありませんので、この委員会ぐらいしかじっくり話ができる機会がないので、大変楽しみにしてまいりました。きょうは、金融政策について速水総裁と真剣な議論を行わせていただきたいなと思っております。
最初に委員長にお願いしておきたいと思いますが、私は、二時間ぐらいやりたいんですが四十分しかないので、貴重な時間なので、速水総裁だけと議論をしたいものですから、ほかの副総裁や理事の方は党の部会等で議論できますので、速水総裁にのみ答えていただけるようにお願いしたい。ほかの方が出られたら私はすぐにストップいたしますので、その点だけまず最初にお願いしておきたいなと思います。
さて、新日銀法が施行されて三年がたったわけであります。この間の日本銀行の金融政策の実績というのをどうだと問われた場合、私は、余り芳しくない、むしろ迷走を続けて失敗したという評価だと思っております。
政策対応が後手後手に回って、九九年二月にゼロ金利ということに追い込まれました。そして、それで少し上向きの兆しを見せた部分があったんでありますが、余りにメンツにこだわる余り、昨年の八月には、確たる根拠もないままにゼロ金利解除を強行して、私はそのときに反対いたしました。緊急提言も出しました。こんなことは時期尚早である、こんなことをやれば、株価は下がって、景気は腰折れするよということを予算委員会で二度にわたって言っていたにもかかわらず、強行されまして、そして、その結果、景気は自律回復するどころか失速した。
デフレはいよいよ進んでおります。財と資産のデフレ、両方のデフレがどんどん進んでいる。一体、デフレ懸念は払拭されたとは何だったんでしょうか。全くそういう実態はなかったということが今日明らかになって、そして三月十九日、またまた実質ゼロ金利の状態に戻らざるを得ない、そういう醜態を見せているわけであります。
そこで、まず最初に、速水総裁、ゼロ金利解除議案の提案者でありますが、昨年八月のゼロ金利解除政策というのは失敗だったとお認めになるのかどうか。まずそのことをお伺いしたい。
この発言だけを見る →私は、きょうこの日を大変楽しみにしておりました。速水日銀総裁と直接議論ができるのはなかなかありませんので、この委員会ぐらいしかじっくり話ができる機会がないので、大変楽しみにしてまいりました。きょうは、金融政策について速水総裁と真剣な議論を行わせていただきたいなと思っております。
最初に委員長にお願いしておきたいと思いますが、私は、二時間ぐらいやりたいんですが四十分しかないので、貴重な時間なので、速水総裁だけと議論をしたいものですから、ほかの副総裁や理事の方は党の部会等で議論できますので、速水総裁にのみ答えていただけるようにお願いしたい。ほかの方が出られたら私はすぐにストップいたしますので、その点だけまず最初にお願いしておきたいなと思います。
さて、新日銀法が施行されて三年がたったわけであります。この間の日本銀行の金融政策の実績というのをどうだと問われた場合、私は、余り芳しくない、むしろ迷走を続けて失敗したという評価だと思っております。
政策対応が後手後手に回って、九九年二月にゼロ金利ということに追い込まれました。そして、それで少し上向きの兆しを見せた部分があったんでありますが、余りにメンツにこだわる余り、昨年の八月には、確たる根拠もないままにゼロ金利解除を強行して、私はそのときに反対いたしました。緊急提言も出しました。こんなことは時期尚早である、こんなことをやれば、株価は下がって、景気は腰折れするよということを予算委員会で二度にわたって言っていたにもかかわらず、強行されまして、そして、その結果、景気は自律回復するどころか失速した。
デフレはいよいよ進んでおります。財と資産のデフレ、両方のデフレがどんどん進んでいる。一体、デフレ懸念は払拭されたとは何だったんでしょうか。全くそういう実態はなかったということが今日明らかになって、そして三月十九日、またまた実質ゼロ金利の状態に戻らざるを得ない、そういう醜態を見せているわけであります。
そこで、まず最初に、速水総裁、ゼロ金利解除議案の提案者でありますが、昨年八月のゼロ金利解除政策というのは失敗だったとお認めになるのかどうか。まずそのことをお伺いしたい。
速
速水優#10
○速水参考人 昨年八月のゼロ金利政策の解除につきましては、御承知のように、当時、経済も二%ぐらいの成長はできるだろうと皆思い始めましたし、市場の方も比較的よくなってきたということで、もう少し早い時期から私自身は解除を考えておったわけですけれども、そごうの問題等いろいろなことがあって、八月になって決断をして、多数決で決定をしたわけでございます。
昨年八月のゼロ金利政策の解除は、市場でも非常に冷静に受けとめてくれまして、八月いっぱい株は上がっていきました。また、現実に日本経済の回復テンポが鈍化し始めましたのは昨年末以降でありまして、生産やGDPの動き等を見ましても、年内は我が国経済の緩やかな回復基調が維持されたというふうに考えられます。
昨年末以降、景気回復のテンポが鈍化した最大の要因は、やはり米国経済の急激な落ち込みであったと思います。この点は、十一月のFRBのFOMCを見ましても、十一月FOMCまではリスクバランスの評価としてインフレ警戒という採用をしております。また、米国の民間機関の成長率の予想を見ましても、比較的高目であったこともあらわれております。
日本銀行としましては、経済、物価情勢を深く点検しながら、その時々において最も適切な金融政策対応を機動的、弾力的に行っております。ゼロ金利政策解除時の判断は、私は誤っていないというふうに考えております。
それから七カ月たって、今回、新しい方法でまたゼロ金利に到達するような政策をとっておりますけれども、金融政策というのは、先ほど申し上げましたような内外の大きな変化に即応しながら手を打っていくというのが本来のあり方であるというふうに思っております。
この発言だけを見る →昨年八月のゼロ金利政策の解除は、市場でも非常に冷静に受けとめてくれまして、八月いっぱい株は上がっていきました。また、現実に日本経済の回復テンポが鈍化し始めましたのは昨年末以降でありまして、生産やGDPの動き等を見ましても、年内は我が国経済の緩やかな回復基調が維持されたというふうに考えられます。
昨年末以降、景気回復のテンポが鈍化した最大の要因は、やはり米国経済の急激な落ち込みであったと思います。この点は、十一月のFRBのFOMCを見ましても、十一月FOMCまではリスクバランスの評価としてインフレ警戒という採用をしております。また、米国の民間機関の成長率の予想を見ましても、比較的高目であったこともあらわれております。
日本銀行としましては、経済、物価情勢を深く点検しながら、その時々において最も適切な金融政策対応を機動的、弾力的に行っております。ゼロ金利政策解除時の判断は、私は誤っていないというふうに考えております。
それから七カ月たって、今回、新しい方法でまたゼロ金利に到達するような政策をとっておりますけれども、金融政策というのは、先ほど申し上げましたような内外の大きな変化に即応しながら手を打っていくというのが本来のあり方であるというふうに思っております。
山
山本幸三#11
○山本(幸)委員 ゼロ金利解除は失敗ではなかった、間違いではなかった、そう強弁されるわけですね。その根拠は、要するに、昨年の数字はよかった、株もゼロ金利解除しても月末まで上がったじゃないか、そういうことが一つ根拠。それから、日本経済がおかしくなったのは昨年の末からであって、それは米国経済が落ち込んだからだという理屈のようですね。
幾つか疑問がありますが、八月、ゼロ金利解除をやって株が月末まで上がったら、それでいいという話になるのですか。ではあなたのモデルでは、金融政策を変更したらすぐに効果があらわれて、その効果は二週間ぐらいで終わる、そんなモデルを使って議論しているんでしょうかね。そんなモデルがあったらいずれ論文で示してもらいたい。そんな、金融政策の効果が、やって直ちにきくなんという実証研究なんて見たことない。大体、金融政策の効果が出てくるのは、二カ月とか三カ月後に出てくるというのがどんな実証研究だって出している話ですよ。
それから、米国経済が予想以上に落ち込んだ、昨年の末まではだれもそんなことはわからなかったと言っていますが、私は、去年の予算委員会でちゃんと言っていますよ。米国経済はもうおかしくなりつつある、米国経済は落ち込みつつあるよ、そしてアジア経済も落ち込みつつある、こんなことは私はわかっていた。あなたがわかっていなかったというだけの話じゃないですか。そう予算委員会で私は指摘していますよ。みんなわかっていましたよ。当時、アメリカの株価はいずれ暴落する、七千ドルか八千ドルぐらいになってもおかしくない、PERから見て。そんなことはもう普通に言われていたことですよ。それを、いや、私は全くわかりませんでしたというのは、あなたの見通しが、予測能力が足りないというだけの話じゃないんですか。私は、米国経済がおかしくなると。
私はもっと、もう一個リスク要因があると思っていた。それは原油価格の高騰ですが、これは私が危惧したほどにはありませんで、それはよかったと思っているんですが、原油価格の高騰がそれに加わっていたら大変なことになっていた。原油価格の高騰はそうならなかったけれども、米国経済は予想以上に落ちた。
しかし、いずれにしても八月の段階で、将来的に見れば、デフレという状況に対して、むしろ下振れリスクのある現象の方が起こる可能性が高いということが明らかだったわけですよ。そういうときに、あなたは、足元がいい数字が出てきたから、今やその足元のいい数字だったのは間違いだったのが明らかになっています。七—九のGDPはプラスどころかマイナスだった、あるいは、ダム論の根拠になった中小企業の所定外給与、特別給与は実はそんなにプラスじゃなかったということが明らかになっています。
つまり、政府はもうその当時補正予算の話をしていた。政府はもうそういう予測をして、補正予算ということでエンジンをかけた。将来的には下振れリスクしかない、そういう状況でエンジンをかけなきゃいけないときに、あなたはブレーキをかけた、逆噴射をしたんですよ。私は、これが間違いでなくて何が間違いだと言うしかないと思うんですね。
今回の「金融市場調節方式の変更と一段の金融緩和措置について」という前文のところにはっきりと書いていますよ。「過去十年間にわたり、」云々と書いてあって、いろいろやってきた、「それにもかかわらず、日本経済は持続的な成長軌道に復するに至らず、ここにきて、再び経済情勢の悪化に見舞われるという困難な局面に立ち至った。」はっきりと、これは財政政策も含めてですが、財政金融政策は間違ってきましたということをちゃんと認めているじゃないですか。
失敗であったか失敗でなかったかという評価は、国民生活に利益をもたらしたか被害をもたらしたかで判断するべきだと私は思います。昨年のゼロ金利政策を解除したときに、ノーベル経済学賞をもらったポール・サミュエルソンさんが大変興味深い論文を書いて、ある新聞に寄稿されました。
それは、日銀は間違いを犯しただろう、そのときに、しかし流動性のわなにはまり込んでしまった場合には、金利を上げようと下げようと、その変化が通常は実質経済成長率や物価水準に持つ影響力の多くは失われる、こう書いた後に、だが、破産は別だ、支払い不能の瀬戸際に立たされた企業や銀行は、消費や投資の需要がまだまだ正常なレベルまで戻っていないのに、時期尚早に金利を厳しくされると、はっきりとした倒産へとたたき落とされてしまう、サミュエルソンさんはそう書いてある。私は、現実にそのことが起こった。不必要に倒産を余儀なくされた中小企業者がたくさん出た、失業を余儀なくされた雇用者がたくさん出たんですよ。
あなたは、そういう倒産した企業経営者や失業の憂き目に遭った人たちに対してお断りをしたいという気持ちはないんですか。そんなものは全然私の知ったことではない、グリーンスパンよりも二倍も給料をもらっているからいいや、そういう気持ちなんでしょうか。いかがですか。
この発言だけを見る →幾つか疑問がありますが、八月、ゼロ金利解除をやって株が月末まで上がったら、それでいいという話になるのですか。ではあなたのモデルでは、金融政策を変更したらすぐに効果があらわれて、その効果は二週間ぐらいで終わる、そんなモデルを使って議論しているんでしょうかね。そんなモデルがあったらいずれ論文で示してもらいたい。そんな、金融政策の効果が、やって直ちにきくなんという実証研究なんて見たことない。大体、金融政策の効果が出てくるのは、二カ月とか三カ月後に出てくるというのがどんな実証研究だって出している話ですよ。
それから、米国経済が予想以上に落ち込んだ、昨年の末まではだれもそんなことはわからなかったと言っていますが、私は、去年の予算委員会でちゃんと言っていますよ。米国経済はもうおかしくなりつつある、米国経済は落ち込みつつあるよ、そしてアジア経済も落ち込みつつある、こんなことは私はわかっていた。あなたがわかっていなかったというだけの話じゃないですか。そう予算委員会で私は指摘していますよ。みんなわかっていましたよ。当時、アメリカの株価はいずれ暴落する、七千ドルか八千ドルぐらいになってもおかしくない、PERから見て。そんなことはもう普通に言われていたことですよ。それを、いや、私は全くわかりませんでしたというのは、あなたの見通しが、予測能力が足りないというだけの話じゃないんですか。私は、米国経済がおかしくなると。
私はもっと、もう一個リスク要因があると思っていた。それは原油価格の高騰ですが、これは私が危惧したほどにはありませんで、それはよかったと思っているんですが、原油価格の高騰がそれに加わっていたら大変なことになっていた。原油価格の高騰はそうならなかったけれども、米国経済は予想以上に落ちた。
しかし、いずれにしても八月の段階で、将来的に見れば、デフレという状況に対して、むしろ下振れリスクのある現象の方が起こる可能性が高いということが明らかだったわけですよ。そういうときに、あなたは、足元がいい数字が出てきたから、今やその足元のいい数字だったのは間違いだったのが明らかになっています。七—九のGDPはプラスどころかマイナスだった、あるいは、ダム論の根拠になった中小企業の所定外給与、特別給与は実はそんなにプラスじゃなかったということが明らかになっています。
つまり、政府はもうその当時補正予算の話をしていた。政府はもうそういう予測をして、補正予算ということでエンジンをかけた。将来的には下振れリスクしかない、そういう状況でエンジンをかけなきゃいけないときに、あなたはブレーキをかけた、逆噴射をしたんですよ。私は、これが間違いでなくて何が間違いだと言うしかないと思うんですね。
今回の「金融市場調節方式の変更と一段の金融緩和措置について」という前文のところにはっきりと書いていますよ。「過去十年間にわたり、」云々と書いてあって、いろいろやってきた、「それにもかかわらず、日本経済は持続的な成長軌道に復するに至らず、ここにきて、再び経済情勢の悪化に見舞われるという困難な局面に立ち至った。」はっきりと、これは財政政策も含めてですが、財政金融政策は間違ってきましたということをちゃんと認めているじゃないですか。
失敗であったか失敗でなかったかという評価は、国民生活に利益をもたらしたか被害をもたらしたかで判断するべきだと私は思います。昨年のゼロ金利政策を解除したときに、ノーベル経済学賞をもらったポール・サミュエルソンさんが大変興味深い論文を書いて、ある新聞に寄稿されました。
それは、日銀は間違いを犯しただろう、そのときに、しかし流動性のわなにはまり込んでしまった場合には、金利を上げようと下げようと、その変化が通常は実質経済成長率や物価水準に持つ影響力の多くは失われる、こう書いた後に、だが、破産は別だ、支払い不能の瀬戸際に立たされた企業や銀行は、消費や投資の需要がまだまだ正常なレベルまで戻っていないのに、時期尚早に金利を厳しくされると、はっきりとした倒産へとたたき落とされてしまう、サミュエルソンさんはそう書いてある。私は、現実にそのことが起こった。不必要に倒産を余儀なくされた中小企業者がたくさん出た、失業を余儀なくされた雇用者がたくさん出たんですよ。
あなたは、そういう倒産した企業経営者や失業の憂き目に遭った人たちに対してお断りをしたいという気持ちはないんですか。そんなものは全然私の知ったことではない、グリーンスパンよりも二倍も給料をもらっているからいいや、そういう気持ちなんでしょうか。いかがですか。
速
速水優#12
○速水参考人 まず、山本先生の最初の御質問である、株だけで動かしたのかというお話でございますが、金融・資本市場というのは、やはり反応が非常に早いわけでございますし、すぐに変化を織り込むわけでございます。株の反応がよかったということは一つの例に挙げただけでございまして、その後、ゼロ金利というものは本当に非常態勢のもとでの対応でございまして、金利がゼロということは、やはり資本主義経済では、リスクを持った貸し出しをするのに金利を取らないということはおかしなことでございます。そのほかにも、あのとき以来、金融市場は非常にまた活気を、特に短期金融市場は活気を帯びてきまして、取引高もふえますし、いろいろな形でゼロ金利解除が一般に受け入れられたというふうに私どもは判断しております。
第二の御質問であります、米国経済のリスクを予測できなかったのかということでございますが、これは、私どもも十月の経済の先行き展望のリポートで指摘しておったところでございますし、リスクの中で二つの点を強調したつもりでございます。一つは、米国、海外の経済がどういうふうに変わっていくかということと、もう一つは、内外の資本市場がどう変わっていくかということをリスク要因として挙げていたつもりでございます。
このことは私ども十分予測しておりましたが、ことしの初めになってアメリカが動き始めたわけでございまして、それに対応して私どもも素早く二月から緩和体制へ移していったということは御承知のとおりでございます。
特に、九九年の二月にゼロ金利政策をとったというときは、御承知のように、非常にデフレスパイラルの危機が迫ってきたという危機感がありましたし、大銀行の破綻が起こりつつありましたし、そういう情勢に対してゼロ金利という非常に、普通ではとてもできない異常な金融対策をとったわけで、それはやはりできるだけ早く直していきたい。金利というものはやはり金融の基本にあるものでございますから、そういう意味で、昨年の八月十一日に、金融緩和の微調整をするということで、ゼロ%を〇・二五%に上げたということでございます。このことは、中央銀行としては当然やるべきことであったというふうに思っております。
この発言だけを見る →第二の御質問であります、米国経済のリスクを予測できなかったのかということでございますが、これは、私どもも十月の経済の先行き展望のリポートで指摘しておったところでございますし、リスクの中で二つの点を強調したつもりでございます。一つは、米国、海外の経済がどういうふうに変わっていくかということと、もう一つは、内外の資本市場がどう変わっていくかということをリスク要因として挙げていたつもりでございます。
このことは私ども十分予測しておりましたが、ことしの初めになってアメリカが動き始めたわけでございまして、それに対応して私どもも素早く二月から緩和体制へ移していったということは御承知のとおりでございます。
特に、九九年の二月にゼロ金利政策をとったというときは、御承知のように、非常にデフレスパイラルの危機が迫ってきたという危機感がありましたし、大銀行の破綻が起こりつつありましたし、そういう情勢に対してゼロ金利という非常に、普通ではとてもできない異常な金融対策をとったわけで、それはやはりできるだけ早く直していきたい。金利というものはやはり金融の基本にあるものでございますから、そういう意味で、昨年の八月十一日に、金融緩和の微調整をするということで、ゼロ%を〇・二五%に上げたということでございます。このことは、中央銀行としては当然やるべきことであったというふうに思っております。
山
山本幸三#13
○山本(幸)委員 いろいろ言いわけ、責任逃れに聞こえるようなことばかり申されましたが、しかし、倒産した企業経営者や失業の憂き目に遭った方々に対する言葉が全くなかった、そのことは私は大変残念に思います。
最近、ある人の話を聞いて、リーダーの条件というのは三つある。一つは責任の所在をはっきりさせること、二番目、失敗は潔く認める勇気を持っていること、三番目、出処進退の潮どきをよく知っていること、こういうことでありまして、それをどう判断するかは人格の問題であるし、人間性の問題ですから、私はもうそれ以上言いませんが、倒産した企業経営者や失業の憂き目に遭った労働者のことを考えて、御自身で賢明な判断をされてもらいたいというふうに思います。
そこで、次に、今度は本当の金融政策について聞きますが、三月十九日、今回の新しい金融調節方式、新しい金融政策が発表されました。中身は先ほど説明がありましたので、もう私から申し上げません。
そこで、まず最初にお伺いしたいんですが、この新しい方式、新金融政策、これの最終目標は何ですか。
この発言だけを見る →最近、ある人の話を聞いて、リーダーの条件というのは三つある。一つは責任の所在をはっきりさせること、二番目、失敗は潔く認める勇気を持っていること、三番目、出処進退の潮どきをよく知っていること、こういうことでありまして、それをどう判断するかは人格の問題であるし、人間性の問題ですから、私はもうそれ以上言いませんが、倒産した企業経営者や失業の憂き目に遭った労働者のことを考えて、御自身で賢明な判断をされてもらいたいというふうに思います。
そこで、次に、今度は本当の金融政策について聞きますが、三月十九日、今回の新しい金融調節方式、新しい金融政策が発表されました。中身は先ほど説明がありましたので、もう私から申し上げません。
そこで、まず最初にお伺いしたいんですが、この新しい方式、新金融政策、これの最終目標は何ですか。
速
速水優#14
○速水参考人 最終目標は、やはり物価の一方的な下落という最近の動きを見まして、これは安定させるべきであるというふうに考えました。日銀法の二条に書かれておりますように、物価の安定を通じて経済の持続的な成長を図ることが私どもの金融政策のねらい、理念であるということが書かれております。そのことを実行したというふうに思っております。
この発言だけを見る →山
山本幸三#15
○山本(幸)委員 率直にお認めになったのでびっくりいたしました。つまり、最終目標は物価の上昇率だと。物価の安定が最終目的であるということですね。
では、この政策は何だ。インフレターゲティング政策そのものじゃないですか。インフレターゲティング政策というのは、あなたは記者会見でインフレターゲティング政策とはこういうことだと言っていますが、それはあなたの勝手な定義であって、いろいろなバリエーションがある。
しかし、最も大事なことは、最終目標として何を考えているかということが決め手なんですよ。最終目的が物価の上昇率であるということであれば、インフレターゲティングになるんです。インフレターゲティング、字句のとおり、物価上昇率のターゲティングなんだ。つまり、あなたは、今回の政策はインフレターゲティングの一種であるとお認めになったわけですね。
この発言だけを見る →では、この政策は何だ。インフレターゲティング政策そのものじゃないですか。インフレターゲティング政策というのは、あなたは記者会見でインフレターゲティング政策とはこういうことだと言っていますが、それはあなたの勝手な定義であって、いろいろなバリエーションがある。
しかし、最も大事なことは、最終目標として何を考えているかということが決め手なんですよ。最終目的が物価の上昇率であるということであれば、インフレターゲティングになるんです。インフレターゲティング、字句のとおり、物価上昇率のターゲティングなんだ。つまり、あなたは、今回の政策はインフレターゲティングの一種であるとお認めになったわけですね。
速
速水優#16
○速水参考人 私は、やはり物価というのはインフレでもないしデフレでもないように安定させていくべきだというふうに思っております。
今回、インフレターゲティングを採用すればよかったではないかという御意見かもしれませんが、通常、インフレターゲティングと呼ばれます手法につきましては、中長期的に望ましい物価上昇率を目標として設定して、先行きの物価上昇率が望ましい物価上昇率から乖離すると予想される場合に政策変更を行っていくというのがやり方だと思います。
ただし、現在の日本のように、物価に対して、需要の弱さに加えて規制緩和とか流通合理化といった供給面の要因が作用しております状況では、中長期的に望ましい物価上昇率を数値で示すことは甚だ難しいというふうに考えております。
日本銀行では、こうした形でのインフレーションターゲティングは引き続き検討事項として位置づけております。今回の措置は、あくまでも、通常は行われないような政策を、現実の消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続するという時間軸を決めてコミットしたものでございます。
したがいまして、いわゆるインフレーションターゲティングとは異なるものでございますが、物価が継続的に下落することを防止して、持続的な経済成長のための基盤を整備するという断固たる決意を示したものでございます。
この発言だけを見る →今回、インフレターゲティングを採用すればよかったではないかという御意見かもしれませんが、通常、インフレターゲティングと呼ばれます手法につきましては、中長期的に望ましい物価上昇率を目標として設定して、先行きの物価上昇率が望ましい物価上昇率から乖離すると予想される場合に政策変更を行っていくというのがやり方だと思います。
ただし、現在の日本のように、物価に対して、需要の弱さに加えて規制緩和とか流通合理化といった供給面の要因が作用しております状況では、中長期的に望ましい物価上昇率を数値で示すことは甚だ難しいというふうに考えております。
日本銀行では、こうした形でのインフレーションターゲティングは引き続き検討事項として位置づけております。今回の措置は、あくまでも、通常は行われないような政策を、現実の消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続するという時間軸を決めてコミットしたものでございます。
したがいまして、いわゆるインフレーションターゲティングとは異なるものでございますが、物価が継続的に下落することを防止して、持続的な経済成長のための基盤を整備するという断固たる決意を示したものでございます。
山
山本幸三#17
○山本(幸)委員 事務局が書いたものを読まざるを得ないからそういう答えになっちゃうんだけれども、私が言っているのは、あなたが勝手に決めつけているインフレターゲティングというのは、それはインフレターゲティングのやり方の一つですよ。最もオーソドックスなインフレターゲティングでしょう。しかし、インフレターゲティングというのは、いろいろなやり方がある、バリエーションがあるんですよ。
しかし、何をもってインフレターゲティングと言うかというと、金融政策の最終目標は何ですかと聞かれたときに最終目標は物価の上昇率ですよといった場合に、インフレターゲティングと言うのですよ。それは、どの教科書にも書いてあるインフレターゲティングの定義です。それはいろいろありますよ、バリエーションは。どれをとるかだとかそんなことはあるけれども、でも私はそんなことは聞いていない。
そういう通常の定義でのインフレターゲティングということからすれば、今回の措置は、あなたは最初、最終目標は物価の上昇率。それは数字はいろいろありますが、ここでは今言っていることだけれども、しかし、物価の上昇率、つまり物価安定。物価の上昇率があるレベルになるようにということを最終目標としてやる政策ですよと言ったんだから、これはまさにインフレターゲティングの一種と言わざるを得ないじゃないですか。違いますか。
この発言だけを見る →しかし、何をもってインフレターゲティングと言うかというと、金融政策の最終目標は何ですかと聞かれたときに最終目標は物価の上昇率ですよといった場合に、インフレターゲティングと言うのですよ。それは、どの教科書にも書いてあるインフレターゲティングの定義です。それはいろいろありますよ、バリエーションは。どれをとるかだとかそんなことはあるけれども、でも私はそんなことは聞いていない。
そういう通常の定義でのインフレターゲティングということからすれば、今回の措置は、あなたは最初、最終目標は物価の上昇率。それは数字はいろいろありますが、ここでは今言っていることだけれども、しかし、物価の上昇率、つまり物価安定。物価の上昇率があるレベルになるようにということを最終目標としてやる政策ですよと言ったんだから、これはまさにインフレターゲティングの一種と言わざるを得ないじゃないですか。違いますか。
速
速水優#18
○速水参考人 最終目標は物価の安定であるということでございます。それは、インフレでもなければデフレでもない、物価を安定させて、それを通じて経済の安定的な成長をもたらすということであります。
今回の基準は、日本経済にとって中長期的に望ましい物価上昇率というものを示したものではございません。あくまでも、通常行われないような思い切った政策を継続する場合の条件を明らかにする、それと同時に、日本銀行として、物価が継続的に下落することを防止するという決意を示したものでございます。そうした意味でのコミットメントとして、この数値が低過ぎるとは考えておりません。
この発言だけを見る →今回の基準は、日本経済にとって中長期的に望ましい物価上昇率というものを示したものではございません。あくまでも、通常行われないような思い切った政策を継続する場合の条件を明らかにする、それと同時に、日本銀行として、物価が継続的に下落することを防止するという決意を示したものでございます。そうした意味でのコミットメントとして、この数値が低過ぎるとは考えておりません。
山
山本幸三#19
○山本(幸)委員 それじゃあれですか、最初にお答えになったように、最終目標は何かと聞かれたら、あなたは最終目標は消費者物価が安定的にゼロ%以上になることと答えられたじゃないですか。それを今や撤回されるんですか。そして、最終目標はわけがわからない、そういうふうに言われるんですか。どっちなんですか。
この発言だけを見る →速
速水優#20
○速水参考人 今の政策が、時間軸といいますか、いつまで続けるかということに対して、CPIがゼロ、マイナスでなくなるまでということを条件にコミットした次第でございます。
この発言だけを見る →山
山本幸三#21
○山本(幸)委員 私は、そういうわけのわからぬ政策をやるのはいかぬと言っているんですよ。そんなものを言うんだったら、それはまやかしであり目くらましになっちゃうから、だめだと言っているんです。
政策というのは、何を目がけてやるんだ、何を達成しようとしてやるんだという目標がなければ、ちゃんとした政策になりませんよ。それを、私から詰められていくとインフレターゲティングの一種だと認めざるを得なくなっちゃうから、途端に、いや、それは時間軸ですよと。
では、何が最終目標なんですか。
この発言だけを見る →政策というのは、何を目がけてやるんだ、何を達成しようとしてやるんだという目標がなければ、ちゃんとした政策になりませんよ。それを、私から詰められていくとインフレターゲティングの一種だと認めざるを得なくなっちゃうから、途端に、いや、それは時間軸ですよと。
では、何が最終目標なんですか。
速
速水優#22
○速水参考人 先ほどから申しておりますとおり、デフレの現状が、CPIのゼロ以下ということが安定的になくなってくるというところまで今の政策を続けるということでございます。したがいまして、目標は、物価のゼロでの安定ということが最も望ましいということでございます。
この発言だけを見る →山
山本幸三#23
○山本(幸)委員 はい、わかりました。お認めになりましたね。物価の安定、つまりゼロでの安定というのを目標にするんだという話ですね。それは、一般的な定義からいって、インフレターゲティングそのものですよ。その一種。
では、それ以上言っても、ああでもないこうでもないとまた言うでしょうから、次に行きます。
そうすると、私の定義によれば、日本銀行はインフレターゲティングの一種を採用した。そのときに、じゃ今度はそれが正しいかどうかという検証をしなきゃいかぬですね。正しいというか、より適切であるかどうかという検証をしなきゃいかぬ。
それでは、あなたは今、CPI、物価が、ゼロ%が最も望ましいというふうに思っているんだ、それがあなたの言うインフレでもないデフレでもない物価上昇率だという定義になるということですね。ゼロ%が望ましいという理由は何ですか。
この発言だけを見る →では、それ以上言っても、ああでもないこうでもないとまた言うでしょうから、次に行きます。
そうすると、私の定義によれば、日本銀行はインフレターゲティングの一種を採用した。そのときに、じゃ今度はそれが正しいかどうかという検証をしなきゃいかぬですね。正しいというか、より適切であるかどうかという検証をしなきゃいかぬ。
それでは、あなたは今、CPI、物価が、ゼロ%が最も望ましいというふうに思っているんだ、それがあなたの言うインフレでもないデフレでもない物価上昇率だという定義になるということですね。ゼロ%が望ましいという理由は何ですか。
速
山
山本幸三#25
○山本(幸)委員 インフレでもないデフレでもないというのはトートロジーであって、定義とか説明にならないのですよ。ゼロ%とおっしゃった。数字が出てきて初めて議論になる。ではゼロ%が適切かどうかという話を次にやらなきゃいかぬことになるのです。
では、CPIでゼロ%が望ましい水準かどうか。日本銀行の調査研究でも明らかになっているし、これは世界各国の実務家の間でも経済学者の間でも明らかになっているのですが、消費者物価指数というのは上振れするのです。それは、バスケットの構成が過去のものを使うし、そして最新の新しいものを反映できないし、技術革新とか、あなたが好きな流通革命とか、起こってきたものがすぐに反映されない。その結果、実際に統計的な数字として出てくる値は、現実の本当の実体の物価より上に出るのですよ。日本銀行の研究者の報告によれば、日本では大体〇・九%上振れする、アメリカでは一・一%上振れすると出ています。つまり、一%前後は上振れして出る。あなたの言っているように、CPIがゼロ%ということは、そういうことから考えると、実際はマイナス一%前後のところになるのです。
あなたは先ほどゼロ%が望ましいと言われましたが、ではあなたは、実際のところではマイナス一%、つまりデフレの状況が最も望ましいとおっしゃりたいのですか。
この発言だけを見る →では、CPIでゼロ%が望ましい水準かどうか。日本銀行の調査研究でも明らかになっているし、これは世界各国の実務家の間でも経済学者の間でも明らかになっているのですが、消費者物価指数というのは上振れするのです。それは、バスケットの構成が過去のものを使うし、そして最新の新しいものを反映できないし、技術革新とか、あなたが好きな流通革命とか、起こってきたものがすぐに反映されない。その結果、実際に統計的な数字として出てくる値は、現実の本当の実体の物価より上に出るのですよ。日本銀行の研究者の報告によれば、日本では大体〇・九%上振れする、アメリカでは一・一%上振れすると出ています。つまり、一%前後は上振れして出る。あなたの言っているように、CPIがゼロ%ということは、そういうことから考えると、実際はマイナス一%前後のところになるのです。
あなたは先ほどゼロ%が望ましいと言われましたが、ではあなたは、実際のところではマイナス一%、つまりデフレの状況が最も望ましいとおっしゃりたいのですか。
速
速水優#26
○速水参考人 今回の基準は、日本経済にとって中長期的に望ましい物価の上昇率を示したものではございません。あくまでも、通常は行われないような思い切った政策を継続する条件を明らかにしますとともに、日本銀行として物価が継続的に下落することを防止するという断固たる決意を示したものでございます。
中長期的に望ましい率が何なのかということは、私どもとしてもずっと検討を続けておる次第でございます。
この発言だけを見る →中長期的に望ましい率が何なのかということは、私どもとしてもずっと検討を続けておる次第でございます。
山
山本幸三#27
○山本(幸)委員 全く私の質問に答えていないですね。どうしてですか。私は理論的な話をしているのですよ。CPIゼロ%というのは、実際はマイナス一%ぐらいですよというのが実務家の間でも学者の間でも共通した理解です。それを、ゼロ%というのを主張されるのだったら、実際はデフレ状態であるということを日本銀行は望んでいるとしか思えないのだけれども、それでいいのですかという質問をしているのですが、ちっともそういう質問に答えてくれない。大体、その辺がよくわかっていないということがわかりましたから、次に行きます。
それでは、今度の政策で、日銀当座預金で五兆円を目指す、つまり約一兆円の積み増しをするということですね。この日銀当座預金の五兆円というのは一体何ですか。これは、いわゆる中間目標というものですか、それとも政策手段というべきものですか。
この発言だけを見る →それでは、今度の政策で、日銀当座預金で五兆円を目指す、つまり約一兆円の積み増しをするということですね。この日銀当座預金の五兆円というのは一体何ですか。これは、いわゆる中間目標というものですか、それとも政策手段というべきものですか。
速
速水優#28
○速水参考人 五兆円というのは、日々の当座預金残高の目標として金融市場局が、資金需給やそのときそのときの市場の情勢を見ながら、口座残高が五兆円になるように資金の供給、吸収を行っていくという目標でございます。当座預金のターゲットにつきましては、最近の残高が四兆円でございます。ゼロ金利のときも四兆六千億ぐらいまでいったように記憶しております。そういうことを考えまして、一兆円を増額して五兆円程度とすることが適当と判断した次第でございます。
この結果、無担保コールレートは、これまでの誘導目標であった〇・一五%からさらに低下して下がっていくということも、従来のゼロ金利よりも多少弾力的に動いて市場性がそこに出てくるというふうに期待しております。今動きを見ておりましても若干のばらつきがございますし、今後も、リスクの反映といった質の面でも多少の金利の変化は出てくると思います。
当面、こういった金利動向を含めまして、当座預金残高の大幅な増加が金融・資本市場や金融機関の行動、ひいては経済全体にどのような影響を与えていくのかということを注意深く見ていくことができるというふうに思っております。
この発言だけを見る →この結果、無担保コールレートは、これまでの誘導目標であった〇・一五%からさらに低下して下がっていくということも、従来のゼロ金利よりも多少弾力的に動いて市場性がそこに出てくるというふうに期待しております。今動きを見ておりましても若干のばらつきがございますし、今後も、リスクの反映といった質の面でも多少の金利の変化は出てくると思います。
当面、こういった金利動向を含めまして、当座預金残高の大幅な増加が金融・資本市場や金融機関の行動、ひいては経済全体にどのような影響を与えていくのかということを注意深く見ていくことができるというふうに思っております。
山
山本幸三#29
○山本(幸)委員 当座預金残高というのは、今のお答えから見ると中間目標だと考えているようですね。ヤジ中間目標でもいいし操作目標でもいいですよ。そう考えているようですね。
そうしたら、大事なことは、その中間目標、操作目標というものと最終目標との間の関係がちゃんといっているかどうかということが次の大事な課題になるわけですね。
あなたは、最終目標は物価の上昇率だと言われた。そして、それを実現するための中間目標、操作目標として当座預金を考えると。では、それをやれば最終目標というものが達成できるという関係にあると思っているということなんでしょうね。ところが、これは従来日本銀行は否定してきた考えですよね。それがはっきりと変わったとお認めになるのかどうか。
それから、私は非常に問題だと思っているのは、積み増しが一兆円という数字になっている。これは、ゼロ金利のときの状態がそうなんですが、一兆円という数字で果たして最終目標を達成できることになるかどうか非常に疑問がある。
一兆円ぐらいの程度だったら、短資会社に滞留しちゃう。日銀は、去年マネタリーベースの定義を変えまして、銀行の当座預金だけじゃなくて短資会社や証券会社等の当座預金もマネタリーベースに入れたわけですね。その結果どうなるかというと、短資会社に一兆円が滞留していたら、それは銀行の方に行かない。日銀が完全にコントロールできる短資会社でお金を滞留させておけば、銀行には行かないで、結局本当の金融緩和ということにつながらないおそれがあるというのが私が非常に疑念しているところなんです。
最初の議論でインフレターゲティングというのがなぜ出てきたかというと、そういう操作目標とかと最終目標との関係が不安定になってきた、通常日本銀行が操作できるそういう数字と最終的な物価水準というのが、どうも関係が不安定になってきた。これは日本銀行も指摘していることですね。それは、金融革新とかが進んできたら、そういうことが起こるのでしょう。
そこで、そういういろいろな混乱を避けるために、もう目標は最終目標一本に絞ろう、そして、あれをやるとか、あれをこれだけに制限するとか、そんなことじゃなくて、その最終目標ということだけを見てできるだけやりましょうというのが本来の姿であるべきだし、私はその方が効果があると思う。これを一兆円ということに限定しているということは、その効果を減殺するというように思います。
その意味で、今回の措置はとても効果があるように思えない。本当に効果があると思ったら、当座預金というところで一兆円という上限なんかは置く必要ないのです。最終目標であるCPIがゼロ%以上になるということを目指して、幾らでもやればいいじゃないですか。そういうことを考えませんか。
この発言だけを見る →そうしたら、大事なことは、その中間目標、操作目標というものと最終目標との間の関係がちゃんといっているかどうかということが次の大事な課題になるわけですね。
あなたは、最終目標は物価の上昇率だと言われた。そして、それを実現するための中間目標、操作目標として当座預金を考えると。では、それをやれば最終目標というものが達成できるという関係にあると思っているということなんでしょうね。ところが、これは従来日本銀行は否定してきた考えですよね。それがはっきりと変わったとお認めになるのかどうか。
それから、私は非常に問題だと思っているのは、積み増しが一兆円という数字になっている。これは、ゼロ金利のときの状態がそうなんですが、一兆円という数字で果たして最終目標を達成できることになるかどうか非常に疑問がある。
一兆円ぐらいの程度だったら、短資会社に滞留しちゃう。日銀は、去年マネタリーベースの定義を変えまして、銀行の当座預金だけじゃなくて短資会社や証券会社等の当座預金もマネタリーベースに入れたわけですね。その結果どうなるかというと、短資会社に一兆円が滞留していたら、それは銀行の方に行かない。日銀が完全にコントロールできる短資会社でお金を滞留させておけば、銀行には行かないで、結局本当の金融緩和ということにつながらないおそれがあるというのが私が非常に疑念しているところなんです。
最初の議論でインフレターゲティングというのがなぜ出てきたかというと、そういう操作目標とかと最終目標との関係が不安定になってきた、通常日本銀行が操作できるそういう数字と最終的な物価水準というのが、どうも関係が不安定になってきた。これは日本銀行も指摘していることですね。それは、金融革新とかが進んできたら、そういうことが起こるのでしょう。
そこで、そういういろいろな混乱を避けるために、もう目標は最終目標一本に絞ろう、そして、あれをやるとか、あれをこれだけに制限するとか、そんなことじゃなくて、その最終目標ということだけを見てできるだけやりましょうというのが本来の姿であるべきだし、私はその方が効果があると思う。これを一兆円ということに限定しているということは、その効果を減殺するというように思います。
その意味で、今回の措置はとても効果があるように思えない。本当に効果があると思ったら、当座預金というところで一兆円という上限なんかは置く必要ないのです。最終目標であるCPIがゼロ%以上になるということを目指して、幾らでもやればいいじゃないですか。そういうことを考えませんか。