山岡賢次の発言 (本会議)

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○山岡賢次君 自由党の山岡賢次でございます。
 私は、自由党を代表して、森総理大臣の施政方針演説を初めとする四演説に対しまして質問をいたします。
 新しい二十一世紀の日本を、自由で創造性あふれる国家社会にしていかなければなりません。政治家や役人に取り入ったKSDのような団体だけが得をするのではなくて、一生懸命頑張った人が頑張った分だけ報われる社会を構築していかなければならないのであります。同時に、病気やけがで一時休まなければならなくなった人が安心して休める社会、失敗してもやり直しのできる社会を築いていかなければなりません。このことが二十一世紀の日本の新しい発展の基盤を構築していくことにつながるのであります。これがすなわち国民が主役の社会であります。(拍手)
 戦後、日本は、外交問題においても内政問題においても、政治家が実質的な判断をすることはありませんでした。
 外交問題については、米ソ冷戦構造の中にあって、日米安全保障条約を結び、アメリカに依存して、みずから主体的な判断をすることがなかったのであります。
 内政問題、特に経済運営では、国が民間から税金や郵便貯金という形でお金を吸い上げ、それを公共投資や財政投融資に使っていく、その使い道は国民の意思とは関係なく、すべて役所が決めるというやり方であります。また、あらかじめ育成するべき産業を決めて、規制社会、管理社会の中で、護送船団行政によって保護をしていくというやり方であります。その間、政治家は、経済成長で得られるパイを、利権をどのように分配するかに一生懸命になってきたのであります。
 こういった戦後五十年以上とり続けてきた経済社会システムが新しい時代に適応できなくなってきているのが日本の停滞の本質的な原因であります。今こそ日本を一新しなければなりません。私は、この視野に立って、森内閣総理大臣に、自由党の見解を踏まえつつお尋ねをしてまいります。
 まず、KSDの政界工作事件についてであります。
 KSDのような、政治家と金にまつわる不祥事が繰り返されるという問題は、自民党を中心とする政権与党やその政治家が、表向きは、国の繁栄と国民の幸福のための政治をうたいながら、実際には、政治の利権の獲得とそれを得るための政治権力の維持を図ることが政治そのものと考えているところにあります。しかも、それは、中央のみならず、地方政治にまで及び、我が国全域に広がって、国民の政治不信を生んでいるのであります。
 額賀福志郎経済財政担当大臣が辞任をされました。千五百万円ものやみ献金を受けながら、半年間にわたって知らなかったなどということはあり得ないことです。このような人物を大臣に任命した森総理大臣の責任は重大であります。森総理は、返却したから問題ないと言っておられましたが、返したのだから罪にはならないというような論理であり、国民の間では到底通用しないものであります。(拍手)
 額賀氏が献金を受けたのは、官房副長官時代にKSDが進めていたものつくり大学について施政方針演説で触れた時期と相前後しており、KSDの悪質な工作により政権の中枢である官邸までがゆがめられていたとするならば、大問題であります。もちろん、大臣をやめて問題が片づいたわけではありません。その資金は派閥に入ったという報道もあり、真相の解明はすべてこれからであります。
 額賀氏の問題はもちろんでありますが、小山孝雄前参議院議員が逮捕され、議員を辞職し、村上正邦参議院議員が自民党参議院議員会長を初めとするすべての役職を辞任せざるを得なくなりました。KSDの政界工作事件は、別な意味でまた根の深い問題であります。
 公益法人であるKSDが中小零細企業経営者の福利厚生を目的に集めた資金のうち、二十億円以上が政界に渡っていたと言われております。パーティー券の購入や、森総理もかかわっていると言われる歌謡ショーのチケットを配布する、選挙資金を配分するなど政治家に対して便宜を図り、恩恵を受けた政治家は、補助金の増額などKSDに有利になるように行政に働きかける。そして、圧力をかけられた官僚も、疑惑の関係者らと宴席をともにして接待を受ける。まさに金と票を提供された与党政治家と官僚が癒着して政治を壟断するようなことを、我々は断じて許すわけにはまいりません。国民の常識からすれば、これはすべてわいろによる政治そのものであるからであります。
 とりわけ、参議院の中に中小企業対策特別委員会をつくり、それを使って圧力をかけて補助金を取り、大学をつくり、見返りにわいろをとったり、架空党員の党費を立てかえさせて自民党に上納し、参議院議員となる、こういったことは自民党とその国会議員による国会を使った組織犯罪であります。従来もたびたび行われてきた、政治家個人が請託を受けて職務権限を行使して収賄事件を起こしたこととは根本的に異なる、政治史上例を見ない、立法府を使った組織的行為であり、断じて許しがたいものであります。(拍手)
 二十一世紀の国会が始まるに当たり、国会そのものが再びこのような犯罪に使われないことを担保された体制を確立することが先決であります。
 そのためには、衆議院予算委員会の審議に先立って、まずこれらの不正を解明することから始めなければなりません。額賀福志郎前経済財政担当大臣、村上正邦参議院議員、小山孝雄前参議院議員を初めとする関係者の証人喚問を行い、真相を解明し、国民の納得を得てから国会審議に入らなければならないと思います。
 一方において、日ごろクリーンをうたっている公明党を含めた与党は、証人喚問にかわって政治倫理審査会をもって真相を糊塗することを画策しているようでありますが、言うまでもなく、政治倫理審査会は、そこで審査された内容は国民に公表されず、また、うそをついても罰則規定もない、今までの例では事実上疑惑隠ぺいのために使われてきた機関であります。
 平成四年十二月に改正された衆議院政治倫理審査会規程第二条の二は、当時、ロッキード事件に関与し灰色高官と言われた国会議員の灰色を消すことを目的として、わざわざ後からつけ加えられた条項であります。
 したがって、自由党といたしましては、政治倫理審査会開催による事実上の疑惑隠しを断固拒否し、予算委員会に先立って関係者の証人喚問を行うことをここに改めて強く要求するものであります。(拍手)森総理御自身のKSDに関与した責任を含めて、証人喚問についての御回答をお伺いいたします。
 次に、政府の機密費を外務省の元要人外国訪問支援室長が横領していた事件についてであります。
 機密費を個人の口座に入金し、クレジットカードで決済し、その中の経費、すなわち税金が競走馬やマンションに化けていたなどというのは、常軌を逸した問題であります。しかも、億単位の金をノーチェックで管理するなどということは、常識ではあり得ないことであります。組織としての外務省の責任は極めて重大であります。
 しかるに、一月二十五日に行われた外務省の調査報告は、松尾元室長個人の犯罪であるという責任回避に終始し、真相を解明するにはほど遠い内容であります。このような報告を行ったこと自体、この問題が外交そのものに対する国民の信頼をいかに大きく失墜させたのかを外務省自身が自覚していないことの証左であります。
 調査は九つある口座の中のわずか二口座のみであり、真相はなおやみの中であります。また、在米の領事が松尾元室長から住宅購入のため借り入れを受けていた事実が明るみに出たり、上司や部下に高級料理をごちそうしたり、ゴルフコンペを自分持ちで開いていたとの報道もなされており、外務省が組織的に関与していたとしか考えようがありません。外務大臣は、使われた機密費の明細を速やかに調査して、国民の代表である国会に報告すべきであります。
 公金が勝手に流用され、また、そのことに気づかないような予算であるなら、来年度予算から削減すべきであります。そもそも、総理外遊の経費のどこが機密に当たるのでしょうか。政府は、機密費とは何なのか国民に説明して、公開して処理できるものは対象から外すべきであります。また、内閣官房と外務省との間に経費のやりとりがあること自体、財政法に違反する行為であります。この際、機密費の内容や管理体制を含めて、機密費のあり方そのものを抜本的に見直すべきであります。
 河野外務大臣にお伺いをいたします。このようなでたらめな外務省の報告を容認したあなたの責任は極めて重大であります。あなたはこの責任をとって外務大臣を辞任すべきであると考えますが、いかがでありましょうか。さらに、河野外務大臣は、競走馬の業界では強い影響力を持った政治家として知られております。松尾元室長の競走馬購入について、あなた自身あるいは後援者がかかわったことがあるかどうか、念のためお尋ねを申し上げます。
 次に、経済、財政、行政改革についてお伺いをいたします。
 景気は一向に回復する気配を見せておりません。日銀を初めとして最近発表された各種の経済統計では、景況感の改善に足踏み状態が見られ、先行きへの警戒感が強まっております。特に、中小零細企業の倒産や失業により、多くの国民が塗炭の苦しみを味わっているのであります。
 しかしながら、十三年度予算はとても国民の期待にこたえ得るものではありません。政府は、来年度予算案を、景気、経済構造改革、財政健全化の三点に配慮したものと説明していますが、実際はそのいずれの方向にも前進をしておらず、無原則予算であると言わざるを得ません。
 まず、景気への配慮の点についてであります。
 宮澤財務大臣は、予算編成後の記者会見で、補正予算は考えていないと発表されましたが、そうであるならば、十三年度の予算案は、十二年度補正後予算と比較して一般歳出が大きく落ち込んでおります。
 内容も、例えば北陸新幹線、関西新空港等の建設に見られるように、相変わらず効率が悪く、緊急性もなく、採算性にも疑問が持たれ、しかも、一部の業界やそれにかかわる政治家のための安易な公共事業の積み増しに終始しているのであります。国や国民全体のための景気対策にはほとんど寄与していないと言えます。
 また、パソコン減税の廃止は、ITを内閣の看板政策に掲げているにもかかわらず、支離滅裂であります。今年三月までの駆け込み需要の後は反動減となり、IT投資の落ち込みが景気回復の足を引っ張ることが明らかであります。
 その上、景気回復のために何よりも大切な個人消費の刺激策がなく、逆に、介護保険料の徴収は、平成十二年の健保法改正により、四十歳から六十四歳の国民は健康保険料とは別建てで徴収されることになるほか、六十五歳以上の保険料はことしの十月から倍増し、国民の所得をますます圧迫することになります。これでは景気は回復せず、借金がふえ続けるだけであります。
 森総理、このような予算を組んでおいて、一体どのように景気に配慮した予算であると言われるのでしょうか、お答えいただきたいのであります。(拍手)
 次に、経済構造改革への配慮についてであります。
 政府は来年度予算案を経済構造改革にも配慮したものと言っておりますが、政府の言う経済構造改革とはどういうものを指すのか、予算案を見る限りさっぱり見えてまいりません。改革に向けたすべての課題が先送りされ、従来どおり、場当たり的に数字を積み上げただけのものになっているのであります。
 次に、財政健全化への配慮についてであります。
 財政健全化を示す指標の一つにプライマリーバランスがありますが、政府の十三年度予算案は、十二年度当初と比較して悪化しております。より赤字体質が進むということであり、財政健全化に配慮していると言いながら、実はこれに逆行したものになっているのであります。政府は財政健全化の道筋をどのように描き、来年度予算がどのような位置づけをもって編成されたものなのか、全く理解することができません。
 また、歳出削減についても不十分であります。ことしからの省庁再編によって、重複しているむだな事業が省かれることが期待されておりましたが、結局のところ、各省庁の縦割り予算に終始し、歳出削減効果はゼロに等しく、政策評価による公共事業の見直しを行うこともなく、経済構造改革への森内閣の意気込みは全く感じられません。
 規制撤廃や地方分権に手をつけないままの省庁再編は単なる看板のかけかえであり、新しい時代に合わせて行政機能を充実させる効果などは到底期待できません。むしろ、巨大官庁の誕生により、行政の停滞や旧省庁間の利害、利権をめぐる対立、官庁の巨大化による情報開示のおくれなどを懸念せざるを得ません。
 日本経済が民需主導の持続的経済成長に復帰するためには、民間の創意工夫と活力が十分発揮される市場経済の構築が不可欠であり、これこそが真の経済構造改革であります。そのために、官から民へ、中央から地方への理念のもと、規制を撤廃して、縮小した権限を地方へ移譲して、簡素で効率的な政府をつくることが重要です。
 これこそが行政改革の本質であります。中央政府の仕事は、外交、安全保障、司法、治安維持、マクロ経済政策、基礎的社会保障、義務教育などに限定し、地方のことは自治体が独自の判断で行えるようにすべきであります。(拍手)
 あわせて、公共事業関係の補助金を廃止して、その相当額を地方自治体に一括交付することにより、申請から交付にかかるむだな事務手続と陳情政治をなくし、地方の主体的、合理的な地域づくりができるような仕組みに改めるべきであります。
 一方で、自治体も、権限移譲の受け皿となるために、広域化、合併化を図って、全国を三百程度の市に再編しなければなりません。また、特殊法人は原則全廃するべきであります。これらの改革により、中央、地方とも多くのむだを省いて、少なくとも歳出総額の一割を削減するべきであります。
 あわせて、官が民からお金を吸い上げて使い道を決める、戦後続いてきたシステムを改めることが必要であります。税制のあり方を抜本的に改革し、租税特別措置の原則廃止とそれを財源とする法人税率のさらなる引き下げ、所得課税については控除を手当に改め、税率構造の簡素化と税率の引き下げを行うべきであります。
 これらの改革が実現することで、財政健全化の基盤もおのずとでき上がるのであります。これについて、森総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、社会保障についてお伺いいたします。
 政府は、現行の社会保険制度の維持のみに主眼を置いております。社会保険制度は、現役世代の保険料で高齢者の給付を賄う方式であり、世界に例を見ない速さで少子高齢化が進展する我が国においては、早晩破綻することは目に見えて明らかであります。
 実際、国民年金の三割の方が保険料を納めておりません。保険制度を維持しようとすれば、見直しのたびに給付水準を引き下げ、負担を引き上げる手法しかとれないのは当然であり、まさに社会保険あって社会保障なしであります。
 現在、社会を支えている世代の方々は、保険料の負担が増加する一方、それに見合った給付が将来受けられないのではないか、現在給付を受けている方は、その水準を引き下げられるのではないか、このような年金制度を初めとする社会保障制度への不信が、人生の将来設計を直撃し、先行き不安、消費低迷、景気減退の大きな要因となっているのであります。(拍手)
 大切なことは、社会保障のビジョンを明確に示し、社会を担う現役世代の人々の保険料負担累増の懸念を払拭し、他方、お年寄りの給付水準引き下げへの心配を取り除くことにより、国民全体が安心と安定を確保して人生設計を描きやすくすることであります。
 現在の消費税五%は、社会安定の基盤である基礎年金、高齢者医療、介護に限定して使用し、国の責任においてこれを保障することを明確にすることが必要であります。森総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、政治改革についてお伺いをいたします。
 新たに副大臣や政務官が創設され、形式的には体制が整えられたにもかかわらず、政治主導の具体的なあり方は一向に見えてまいりません。副大臣会議に加え、政務官会議も新設されましたが、従来から事実上の政策決定機関としての権限を握っていた事務次官会議も依然存続し、他の会議との連携をどのようにするのか、全く整理されていないのであります。
 これまでの官僚主導の政治体制を改め、政治主導のもとに政策を決定し、改革を推進する体制を整備することこそが、今回の省庁再編の目的であるべきであります。政治家がみずからの見識と責任で行政を主導し、国民本位の政策決定を行っていくことが求められているのであります。そして、その政策について、大臣、副大臣、政務官が国会の場で、従来の官僚にかわって具体的な論戦をするべきであります。森総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、農業問題についてお伺いいたします。
 農家のためと称して、土地改良事業、構造改善事業など膨大な資金や補助金がつぎ込まれておりますが、それによって今日の農家の方々の生活が豊かになり、将来展望が見出せているとは到底思えません。むしろ、自民党や与党政治家の利益誘導政治の温床になっているのではないでしょうか。
 国の予算が、農業経営を育てるためではなくて、KSDのような犯罪行為とは言いませんが、事実上、与党の土木関連の利権を守るために使われているのではないでしょうか。これでは、農業がだめになって援助を余儀なくされるようになった方が利権を求める政治家には都合がよいかのごとくであります。
 政府は、来年度も減反面積を拡大し、過去最大の百一万ヘクタール、約四〇%減反にする方針のようであり、なおかつ、米の買い入れ価格も今年度より大幅に引き下げることのようであります。このようなことは、農家にとっては、もう農業は続けるな、農家は生きていくなと言っているのに等しいことだと思います。
 世界の先進大国は、間もなく訪れる地球規模的食料不足危機に備え、カロリーベースで一〇〇%自給に必死で取り組んでおり、現に、どの国も目標にほぼ近づきつつあります。翻って、我が国だけは、圧倒的に低いわずか四〇%の自給しか確保されておらず、金さえあれば食べ物は幾らでも手に入るといった無責任な農政が続けられているのであります。このまま続けば、後継者の育たない日本の農業は間もなく壊滅し、我々の子供たちや孫たちの時代には飢えに苦しむことになると予想されます。
 この際、食料安全保障政策を明確にし、具体的な方策を確立すべきであります。そのためには、減反政策を直ちに廃止し、食料備蓄政策に転換すべきであります。農家はつくりたいだけ米をつくり、良質米では自由に利益を得る、備蓄食料については、農家が立ち行く価格で国が買い上げ、長期的備蓄設備を整えて将来に備えていくべきであります。
 与党の利権と化している農業予算を、真に農業や農家に役に立つ、また、国民の食料確保の役に立つものに変えていかなければならないと考えます。このことに対する森総理大臣のお考えをお伺いいたします。
 次に、教育問題についてお伺いをいたします。
 新しい二十一世紀がすばらしい世紀となるよう願わざるを得ませんが、我が国では、ことしになっても、一家四人を殺害したり、点滴に筋弛緩剤を投入したり、幼児を熱湯につけて大やけどを負わせたり、暗いニュースが相次いでおります。これはまさに、戦後我が国の政治がおろそかにし続けたもの、つまり、教育や地域共同体の崩壊がその原因であり、今や社会経済の根幹を揺るがすまでになっているのであります。
 政治家は、教育、教育、教育と、教育の重要性については唱え続けてまいりましたが、実態は、教育そのものよりも教育利権の追求に熱心であったと言えます。戦後政治の問題点がこの分野にも顕著にあらわれております。
 森総理は教育基本法の改正に前向きであることを承知しておりましたが、結局、中央教育審議会の審議にゆだねられるとのことであります。最高責任者、最高権力者である総理みずからがリーダーシップを発揮して、教育基本法のどこをどう改めるのか、明確に示すべきであります。
 森総理の言われる教育改革とは、結局のところ、従来のように制度を手直しすることに終始しており、何を教えるべきかといった教育の中身に対する視点は一切ないものであります。
 自由党は、今こそ日本と日本人のあり方を問い直すべきであると考えます。
 先日、都内の駅において、みずからの命を顧みずに人命救助に立ち向かわれた韓国人青年や日本人カメラマンの人間としての姿に、日本国内や韓国はもちろん、世界の多くの人々が深い感動を受けたと同時に、みずからのあるべき姿を思い起こさせられたのではないでしょうか。
 我が国の歴史や伝統、文化を踏まえて、心のある、よき日本人を育てることに教育の主眼を置かなければならないと思います。そのためには、毎週一回、土曜日などに、子供と親、教師、地域社会が一体となって、自分の周りの歴史や伝統や文化を学び、スポーツやボランティア活動を通して道徳や社会生活のルールを学び、責任感を培い、親子や地域との触れ合いの中で社会の大切なことを学んでいくことのできるようにするべきであります。
 あるいは、小学校までの間は、農業などを中心とした自然に親しむカリキュラムを主軸として、天地自然の法則を身につける体験学習を行うこと、そして、動植物の生態を学び、自分自身がどのように自然の中で生きるか、また、生かされているのかを集団生活を通して学び、同時に、社会の中での生きる力、生かす力、生かされる力をあわせて養う教育を行うことであります。
 このようなことこそが、まさに二十一世紀に必要とされる真の人間教育であります。森総理大臣の所見をお伺いいたします。
 最後に、外交問題についてお伺いをいたします。
 まず、対米関係についてでありますが、第四十三代アメリカ大統領にジョージ・ブッシュ氏が就任し、八年ぶりに共和党政権が誕生いたしました。新政権では、外交、安保、経済の主要ポストに、かつてレーガン、ブッシュ政権で対日政策を担当した知日派が占めており、日本に同盟国としての政策協調を求める動きが強まることが考えられます。既に、パウエル新国務長官は、日米同盟は米国とアジア太平洋をつなぐ土台と発言し、リチャード・アーミテージ国務副長官も、米国の同盟国として日本にアジアで指導的役割を果たしてほしいと指摘をしております。
 日本に対して、平和維持活動への積極的参加や、ミサイル防衛など軍事・情報技術の開発協力、米軍と自衛隊の作戦面の連携強化などを具体的に求めてくると思われますが、これに対してどのように対処していかれるのか、また、普天間飛行場移設問題など沖縄問題の解決についてどのような姿勢で臨もうとされておられるのか、総理にお伺いをいたします。
 次に、対ロシア関係についてお伺いいたします。
 日本政府は、沖縄サミット以来、ロシアから相手にされておりません。さきの河野外務大臣のモスクワ訪問では、首脳会談の準備が目的であったものを、日程を確定させることもできず、プーチン大統領との会談も多忙を理由に断られ、さらに、一たん外務大臣が記者団に発表した日程が変更される始末であります。
 このままでは、平和条約交渉の名のもとに経済交流のみが議論され、肝心の領土問題は棚上げされたままになるということになりかねませんが、そうまでして首脳会談を行うべきではないと考えます。首脳会談を行うのであればどのような見通しのもとに行うのか、森総理の明快な御答弁をお聞かせいただきたいのであります。(拍手)
 以上、幾つかの点について森総理大臣の御見解をただしてまいりましたが、最後に申し上げます。
 国民の血税や公共の資金を政治の利権に結びつけるという体制、すなわち、このような国家が国民のためにあるのではなくて自民党のためにあるという戦後政治の転換を図らない限り、いつまでたっても、国がよくなることも、地域がよくなることも、景気が回復することも、日本の将来展望もないということを、我々は国民の皆様に強く訴えてまいります。
 自由民主党的な政治手法、自由民主党的な政治体質と決別をすることこそが構造改革の第一歩であるということを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕

発言情報

speech_id: 115105254X00320010206_004

発言者: 山岡賢次

speaker_id: 29184

日付: 2001-02-06

院: 衆議院

会議名: 本会議