菅野哲雄の発言 (本会議)

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○菅野哲雄君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案を初めとする地方財政関連三法案につきまして、片山総務大臣並びに関係閣僚に質問いたします。(拍手)
 地方財政関連三法案は、いずれも国民の負担する税に係る法律案です。一千二百万円ものゴルフ会員権にまつわる贈与税をほおかむりしてまかり通る人が一国の総理を務めている森政権のもとで、これらの法律案を審議するのにどういう意味があるのか、私は、心底から疑問と、そして怒りを覚えるものであります。
 主権者たる国民の意思があってこそ、初めて法律は法律たり得るのです。税は民主主義の基本であり、その根底には、政府に対する国民の信頼がなければなりません。その税に関する法律を執行する一国の総理がごまかしをやっている今日、これらの法律案の意味はなく、国民に対する説得力も持たないと言わざるを得ません。
 今回、自動車税のグリーン化が提案されていますが、森総理の行為は、車の名義は私だが、実際の使用は別の人なので、自動車税はあちらからもらってくれと言うのと等しいと言っても過言ではありません。私が仮に提案者であったら、国民に対して恥ずかしく申しわけなく、とても法律案を提案することはできません。
 総務大臣並びに財務大臣、税と国民の信頼のかかわりについて、政治家としての御所見をお伺いいたします。(拍手)
 さて、二〇〇一年度予算は、二十一世紀最初の予算であり、予算の内容や予算編成のあり方を大胆に改革すべきチャンスでありました。特に、予算編成に当たって森政権が政治主導を強調してきており、雇用や老後の不安など将来不安を解消するとともに、国民に痛みを一方的に押しつけるのではなく、生活の質的向上に直結するよう、歳出の重点化、構造自体の改革を進め、本当に庶民の生活実感を高めるための、生活再建のための予算とすべきでした。
 しかし、提案された二〇〇一年度予算案は、これら国民的要請にこたえる点では全く不十分であり、公債依存度は三四・三%と依然高水準で、二〇〇一年度末には国と地方を合わせた長期債務残高は六百六十六兆円にも達することが見込まれており、財政再建どころか、財政危機を一段と深めるものとなっています。
 一年間のGDPをはるかに上回る、これだけ積み上がった長期債務残高について、政府はどのように認識し、どう財政を再建しようとしているのですか。何よりも、利払いだけでも年間十数兆円を超えるものを本当に返済できるとお考えですか。これだけの財源を生み出すために、行革や福祉削減で捻出しようであるとか、消費税を引き上げようというのは非現実的な妄想です。もはや、借金を塩漬けにして返せるときに返すという債務管理しか道はないのではないでしょうか。財務大臣の御見解をお尋ねいたします。
 次に、地方財政危機について、総務大臣並びに財務大臣にお伺いします。
 地方財政の債務残高も、二〇〇一年度末には百八十八兆円に達すると見込まれています。大臣、この責任はだれにあるとお考えですか。よもや、自治体が悪いとは考えておりませんよね。
 地方の借金は、自治体がすべてつくり出した借金ではありません。地方債の発行を許可したのはだれなんですか。また、財源不足に対する国の責任をうたった地方交付税法第六条の三第二項に基づく対応をサボタージュして、本来、国が財源保障をしなければならないにもかかわらず、財源対策債等で措置したり、交付税特別会計借り入れで補てんしたりしてきた国の責任も極めて重いと言わざるを得ません。両大臣は、地方財政危機の原因と国の責任についてどう受けとめておられるのですか。
 また同時に、国は、少ない元手で大きな仕事ができます、やる気のある自治体を応援しますと言って、補助金と交付税と起債を組み合わせて基準財政需要額に算入する手法を駆使して、自治体の事業拡大を誘導してきたことも指摘しておかなければなりません。
 特に、公共投資十カ年戦略とその後の国の景気対策のために、政府は、補助率引き下げを行う一方で、地方分権を名目に、地域総合整備事業債などを使って地方単独事業をむやみと拡大したのです。
 確かに、地総債によって地域づくりの貴重な財産を残せたという自治体がある一方、自治体からは、金がなくても借金をして事業をやるようにと要請したのは国だ、借金は後で国が面倒見るという話だったが、負担は減らない、今はだまされたという思いがあるなどの恨み節も聞こえてきます。打ち出の小づちを前にして、事業の絞り込みや事業費抑制の発想は終始縮んでしまい、事業はどうしても計画より大きくなりがちだったのではないでしょうか。
 バブル後の景気対策に財源保障もなく協力させられてきたことは、自治体の責任でしょうか。これらの政府の誘導責任については、総務大臣、いかがお考えですか。
 この間、政府が進めてきた地方財政対策は、交付税特別会計借入金や財源対策債、減税補てん債の増発等、借金に依存した継ぎはぎだらけの対策であり、地方財政の硬直化を推し進めるものとなっています。
 例えば、今回も二度目の単独事業の規模是正が行われていますが、実は、自治体の実績ベースでも投資単独事業は縮小してきています。しかも、地方交付税も、基準財政需要額に占める地方債の元利償還金の割合も年々上昇し、硬直化、すなわち将来の交付税の先食いが進んでいます。結局、元利償還費を基準財政需要額に算入する有利な地方債を使って地方財政を公共事業型景気対策に動員する手法自体、限界に来ているのではないでしょうか。
 このような状況のもとで、地方財政計画も本来の計画となり得なくなっているとの危惧を抱いていますが、総務大臣の御見解をお伺いいたします。
 さて、二〇〇一年度から、財源不足のうち財源対策債等を除いた残余について、国と地方で折半し、国負担分は一般会計から繰り入れ、地方負担分は特例地方債によって補てんするという新ルールが実施されることになっています。
 こうした新たな補てん策は、赤字地方債をもって補てんするという点で、本来の制度改正に値するのか疑問であるし、地方財政法の趣旨にも反するという問題があると考えるのであります。しかも、特例地方債の元利償還を後年度の交付税の基準財政需要額に算入するのでは、結局、将来へのツケ回しには変わらないのではないでしょうか。
 赤字地方債発行に至った経緯と、なぜ地方交付税法第六条の三第二項に基づく本来の制度改正を行わなかったのかについて、総務大臣並びに財務大臣の御所見をお伺いします。
 来年度地方税制改正における最大の課題は、法人事業税への外形標準課税への転換でありました。しかしながら、経済界を中心とする猛烈な巻き返しによって、外形標準課税制度への転換は先送りされたのであります。私は、不況だからこそ制度化を図るべきであったと考えます。
 そもそも外形標準課税への転換は、一九七七年に全国知事会がまとめた外形標準課税の実施に関する提言、すなわち、都道府県の統一条例案もあり、都道府県財政にとっては長年の懸案事項であります。今回見送られたことは、今後二度と外形標準課税が俎上に上らない可能性があり、責任の第一は旧自治省にあるのではないでしょうか。
 同時に、地方分権の趣旨に立ち返ってこの問題を考えるならば、全国知事会も国の法改正を待つのではなく、本来の課税自主権に基づいて、全都道府県が協力し実施すべきことを期待したいと思うのであります。
 総務大臣、政府として外形標準課税導入についての今後への決意をお示しいただきたい。
 さて、昨年施行された地方分権一括法は、地方税源の充実確保について、経済情勢の推移を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるとし、地方における歳出規模と地方税収との乖離を縮小する観点から、国、地方を通じた税体系のあり方について抜本的な検討を行うとの附帯決議もなされています。
 地方財政の危機を解決するには、国、地方を通じた税財政の構造自体を転換させることが必要であり、地方の税源保障を中心とした根本的な見直しは避けては通れません。何よりも、歳入自治の観点から、自主財源である地方税を強化していくことが重要であり、大幅な税源移譲で自主財源を増加させ、住民の自己決定権を確立することが必要であると思います。
 国と地方の税源配分の見直し、抜本的な税源の移譲について、総務大臣並びに財務大臣の御決意をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕

発言情報

speech_id: 115105254X00820010222_021

発言者: 菅野哲雄

speaker_id: 20707

日付: 2001-02-22

院: 衆議院

会議名: 本会議