麻生太郎の発言 (予算委員会)
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○麻生国務大臣 幅広い質問なので、なかなか短時間に全部言うのは恐ろしく話をはしょるようなことになって恐縮ですが、やはり何だかんだ言いながら、確かに、実質ではなくて名目で言った方がというのは、なだらかなインフレーションぎみの方が、何となく気分的には、同じでも、前の年より売上高だけ見れば少し上がったような気になりますので、その意味の方が、戦後ずっとそれで来ていましたので、何となくなれておるという面があるんだとは思います、気分的には。
ただ、戦後、今や初めて消費者物価の下落を、二年続けて〇・五、〇・五と下げてきておりますので、その意味からいきますと、何となく物価が下落しているというのは、デフレかと言われると、デフレはまたちょっと、もとお役所にいらしたのでよくおわかりのとおり、デフレの定義がまたいろいろありますので、少なくともGDPがある程度なだらかとはいえ伸びておりますので、ではデフレかと言われるとなかなか難しいところで、デフレ傾向かもしれませんけれども、デフレとはなかなか一概には言いにくいところだと思います。
少なくとも、マイナスになっているという状況は戦後初めてで、多分、昭和二年か三年、高橋是清内閣のときに一回だけそのような現象が起きたという以外は、少なくとも昭和では二回目、戦後では初めてということですので、その対応をやっております大蔵省の方々もその経験は全くない。インフレ下の不況対策はやっても、デフレ傾向下の不況対策をやったことのない状況で今回のあれに取り組んでいますので、前歴を重んじるところの感じからいきますと、なかなかさようなわけにはいかなかったというのが多分歴史なんだと思います、この数年間というか、この十年間ぐらいのあれで見れば。
ただ、そういう状況の中にありますので、これがいつまで続くかと言われるとちょっとなかなか難しいところなので、何となく気分的なものもかなりありますので、これはいつまで続くかと言われると、いつまでに直りますともなかなかちょっと今申し上げられないところですが、少なくとも設備投資が確実に伸び始め、失業率は四・七ぐらいで一応張りついた形になっておりますけれども、間違いなく求人倍率、雇用は確実にこのところ伸びてきておりますし、企業の収益から見ますと、昨年に比べて二・五倍、二・七倍ぐらいの収益が伸びてきています。
常識的にいきますと、この収益が改善した分が雇用に回り、設備投資に回るというのが従来のパターンだったんだと思うんですが、企業が、出た利益をそのまま借金の返済の方に充てておられる傾向が強いので、実態が昔と違ってきて、企業は金が足りないというのは、資金繰りがどうか知りませんけれども、優秀な企業ほど借金をずっと返して、いわゆる間接金融の部分をどんどん減らしてきておられるというところも、なかなか、いまいち景気が名目の方に変わってこないというのが全部重なっておりますので、これはどこかのところでやっていかにゃいかぬとは思います。
少なくとも、やはり景気が回復してきたという印象が出てこない限りはなかなか回復しにくいというところで、今回の予算につきましても、その方向を考えて、今、景気に軸足を置きながらという表現になっておりますけれども、その方向で事を進めていきたいと思っております。