植草一秀の発言 (予算委員会公聴会)
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○植草公述人 私は先ほど景気回復優先ということを申し上げましたけれども、これは決して財政の健全性回復が重要でないということを申し上げたわけではありません。財政の健全性回復もやはり国民的に大きな課題だというふうに認識をしております。もう一方で、国民生活の安定という視点から、景気の回復ということも重要な課題だと。
しばしばこの二つの問題は、二者択一、景気か財政か、こういうとらえ方がなされておりますが、私は、まず、景気も財政も、これで合意を得る必要がある、こういうふうに考えております。ただ、重要な点は、景気を回復し、財政の健全性を回復するための方策はどうあるべきか、その手順の問題だというふうに考えているわけであります。
先ほどちょっと触れられませんでした、一言だけつけ加えさせていただきます。
米国の事例でありますが、米国で九二年度が財政赤字のピークで、その後急激に財政赤字が減少し、現在財政黒字に転換しておりますが、九二年から九五年にかけての財政赤字減少の約七割は、景気回復による財政赤字の減少であります、いわゆる循環的な赤字の減少。当然構造調整に対する努力もあったわけで、これが三割ぐらいを占めておりますけれども、まず第一には景気回復による財政健全化の動きが広がり、九五年から九八年にかけましての財政赤字減少におきましては、その約七割が構造改革による財政赤字減少、こういうことになっておりまして、米国の事例を取り上げてみましても、まず景気を回復軌道に誘導し、それがしっかりと確保された段階で構造改革に本腰を入れて取り組む、この結果、見事に財政を黒字に転換させた、こういうことであります。
そういう点で、財政の健全性回復が重要でないということではなしに、まず景気を回復させ、その上で構造改革に取り組むべきだということであります。
その中で、この十三年度予算についての評価ということでございますが、これも話すとちょっと長くなりますのでポイントだけ申し上げます。
既に十二年度予算について補正予算が編成されて、その後に十三年度の当初予算の策定に入って、その審議が今行われておるわけでありますけれども、この十三年度予算は、十二年度の補正後で比較いたしますと七・九%の減少ということになっておりまして、そういう点では、実績ベースといいますか、既に策定の終えております補正予算の編成後の状況で比較しますと、十三年度予算はかなりの緊縮になっております。
ただ、実際には補正予算の執行がずれ込みまして、先ほど図解しましたように、十二年度の補正予算は十三年に入りましてからの執行ということになりますので極めて財政状況の推移を見るのが難しくなっておりますので、この点については、予算編成の仕組みそのものを根本的に見直していくということも含めた対応が必要ではないかと思います。
御質問の点に結論だけ申しますと、十三年度予算は、補正後に比較してかなりの緊縮色になっておりますので、回復軌道に向かい始めた日本経済に対しては、かなりマイナスの影響が出るのではないか、そういうことを懸念しております。