河野洋平の発言 (外交防衛委員会)

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○国務大臣(河野洋平君) 日本時間十日午前、ハワイ沖において発生した米原子力潜水艦グリーンビルと宇和島水産高等学校練習船えひめ丸の衝突事故につきましては、事故発生後二週間以上たった現在においても、いまだ乗員三十五名中九名の方が行方不明のままであります。行方不明者の御家族の皆様のお気持ちは察するに余りあります。
 政府としては、えひめ丸の引き揚げ、徹底的な原因究明などを米国政府に強く求めているところでありますが、この機会に、これまでの政府の対応ぶりなどについて御説明を申し上げます。
 事故発生後、直ちに私よりフォーリー駐日大使及びファーゴ米太平洋艦隊司令官に電話をいたしまして、乗船者の迅速な救出について直接協力を要請すると同時に、外務本省及び在ホノルル日本総領事館にそれぞれ対策本部を設置いたしました。また、防衛庁においても、斉藤防衛庁長官の指示により、米側に対し、乗船者の救出の要請をされました。十日夜、私は、桜田外務大臣政務官を現地対策本部の責任者として派遣するとともに、十二日には、防衛庁の協力を得て、米側からの捜索救助活動などの状況聴取を的確に行うため、潜水艦艦長経験を有する海上自衛官を派遣いたしました。また、民間のサルベージ専門家も同日派遣をいたしております。二十三日からは望月外務大臣政務官を現地に派遣いたしました。
 米側に対しましては、我が国より、森総理とブッシュ大統領、私とパウエル国務長官、斉藤防衛庁長官とラムズフェルド国防長官との間を初め、あらゆるチャネルを通じ、遺憾な事故が起きたとして抗議の意を伝えるとともに、捜索、引き揚げ、原因究明などに全力を挙げるよう要請をしてまいりました。
 さらに、十六日には衛藤外務副大臣をワシントン及びホノルルに派遣いたしました。森総理、私、斉藤防衛庁長官の親書を伝達の上、本件に関して改めて遺憾の意を表明し、捜索、引き揚げ、原因究明等についての全面的努力を要請いたしました。
 これに対しまして、米側よりは、ブッシュ大統領を初め、あらゆるレベルにおいて、謝罪の意とともに全力を挙げて捜索に当たる旨の意図表明がございました。さらに、米国政府は、米海軍作戦部次長のファーロン大将を謝罪表明のため特使として我が国に派遣することを決定いたしております。
 えひめ丸の引き揚げは森総理も最重要課題と認識しており、これまでも米側に対し、あらゆる手だてを尽くすよう申し入れてきたところであります。
 米側は、日本側の要請を受けて、無人探査機スコーピオを投入し、その結果、水深約六百メートルに沈没しているえひめ丸を発見いたしました。米側は、引き揚げの決定は技術的実現可能性にのみ基づいて行うとしておりまして、我が国も、二十日に実施した、えひめ丸引き揚げ問題に関する関係省庁連絡会議の結果を受けて、二十二日にえひめ丸の引き揚げに関する専門家ミッションを現地に派遣し、米側との協議を行っているところであります。
 また、政府といたしましては、事故原因が一日も早く究明されるよう米側に求めてきております。
 米海軍は、衝突事故に関する予備的調査を終え、衝突のすべての側面について調査するため、審問委員会を招集することを決定いたしました。我が国としては、本件事故の解明のため積極的に米側に協力する観点から、米側の招請に応じ、海上自衛隊の将官をアドバイザーとして派遣いたしました。また、米国家交通安全委員会、NTSBは、安全、事故の再発防止の観点から事故原因の調査を行っております。
 今後、政府といたしましては、引き揚げに関する調査を注視し、引き揚げが実現するよう、米側と協議しつつ全力を尽くしていく所存であります。また、引き続き、御家族並びに関係者の御意向を十分踏まえ、全力を挙げて米側と折衝をいたします。
 以上、御報告を申し上げます。

発言情報

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発言者: 河野洋平

speaker_id: 31577

日付: 2001-02-27

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会