外交防衛委員会

2001-02-27 参議院 全116発言

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会議録情報#0
平成十三年二月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月八日
    辞任         補欠選任   
     木俣 佳丈君     齋藤  勁君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任   
     村上 正邦君     鴻池 祥肇君
     矢野 哲朗君     成瀬 守重君
 二月二十三日
    辞任         補欠選任   
     成瀬 守重君     矢野 哲朗君
 二月二十六日
    辞任         補欠選任   
     吉田 之久君     長谷川 清君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         服部三男雄君
    理 事
                佐藤 昭郎君
                鈴木 正孝君
                海野  徹君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
    委 員
                須藤良太郎君
                月原 茂皓君
                森山  裕君
                矢野 哲朗君
                今井  澄君
                齋藤  勁君
                長谷川 清君
                広中和歌子君
                高野 博師君
                吉岡 吉典君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  斉藤斗志二君
   副大臣
       防衛庁副長官   石破  茂君
       外務副大臣    衛藤征士郎君
       外務副大臣    荒木 清寛君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        岩屋  毅君
       防衛庁長官政務
       官        米田 建三君
       外務大臣政務官  丸谷 佳織君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  五十嵐忠行君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       防衛施設庁長官  伊藤 康成君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
       外務省アジア大
       洋州局長     槙田 邦彦君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       財務省主計局次
       長        丹呉 泰健君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (報償費横領疑惑に関する件)
 (ハワイ沖練習船衝突事故に関する件)
 (対中ODAによる光ファイバー供与に関する
 件)
 (米軍関係事件・事故と日米地位協定の見直し
 に関する件)
 (外務省所管社団法人国際協力会に関する件)

    ─────────────
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服部三男雄#1
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る八日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として齋藤勁君が選任されました。
 また、去る二十二日、村上正邦君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君が選任されました。
 また、昨日、吉田之久君が委員を辞任され、その補欠として長谷川清君が選任されました。
    ─────────────
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服部三男雄#2
○委員長(服部三男雄君) この際、国務大臣、副大臣、副長官、大臣政務官及び長官政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。河野外務大臣。
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河野洋平#3
○国務大臣(河野洋平君) 外務大臣の河野洋平でございます。
 服部委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。
 なお、公金横領疑惑及びアメリカ原子力潜水艦とえひめ丸の衝突事故につきましては、後ほど述べさせていただきます。
 先般、外交演説にて申し上げたとおり、我が国の近隣諸国との強い信頼関係を築くことが我が国外交の第一の柱と考えております。このためには、まず、我が国外交の基軸である日米関係の維持強化に努めていくことが重要であります。私は、先月下旬訪米し、パウエル国務長官、ライス大統領補佐官と会談を行ってまいりましたが、今後とも日米同盟関係の強化に積極的なブッシュ新政権との間で、あらゆる問題について十分な政策対話を行っていくことが重要であります。
 さらに、沖縄県の方々が背負っておられる多大な御負担を軽減していくため、引き続き誠心誠意努力をしてまいります。このような観点から、私は、一昨日沖縄を訪問し、稲嶺県知事を初め沖縄の方々とさまざまな問題について意見交換を行ってまいりました。
 二十一世紀の東アジアでますます注目を集めることとなるのは中国と思われます。日中両国が相互理解と相互信頼を増進し、安定した友好協力関係を構築、発展させることは、地域ひいては世界の安定と繁栄のために重要であり、このため我が国としても努力を行ってまいります。
 対中経済協力につきましては、両国の経済社会状況などの変化を踏まえ、重要課題、分野を一層明確にした支援を実施してまいります。
 極めて重要な隣国たる韓国との関係については、現在の良好な関係を維持し、さらに強化していくため、政府間の協力を強化するとともに、幅広く両国民の交流を促進してまいります。
 最近になり国際社会との接触を急速に深めている北朝鮮との関係については、韓米両国と緊密に連携し、北東アジアの平和と安定に資するような形で日朝国交正常化交渉に粘り強く取り組むことが重要と考えております。日朝間のさまざまな人道問題、安全保障問題については、対話を進める中で解決に向けて全力を傾けてまいります。
 ロシアとの関係については、三月二十五日にイルクーツクにて日ロ首脳会談が行われる予定でありますが、引き続きさまざまな分野で関係を強化しつつ、四島の帰属の問題を解決し平和条約を締結するとのこれまでの一貫した方針に基づき、平和条約交渉に取り組んでまいります。
 同時に、これからの国際社会では各民族、宗教、文明が蓄えてきた英知や遺産を調和させて活用していくことが求められております。私は、異なる文明の間の対話を促進してまいります。
 このような外交を展開するに当たり、服部委員長を初め本委員会の皆様の御指導と御鞭撻を引き続き賜りたく、委員の皆様方の御協力を改めてお願い申し上げ、私のごあいさつとさせていただきます。
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服部三男雄#4
○委員長(服部三男雄君) 斉藤防衛庁長官。
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斉藤斗志二#5
○国務大臣(斉藤斗志二君) 防衛庁長官の斉藤斗志二でございます。
 服部委員長を初めとする委員の皆様にごあいさつ申し上げるとともに、防衛政策に関し一言申し述べさせていただきたいと思います。
 防衛庁・自衛隊は、我が国の平和と独立を確保するため不断の努力を重ねてまいりましたが、今後とも、我が国の防衛に万全を期すとともに、大規模災害等各種の事態に迅速かつ適切に対応し、より安定した安全保障環境の構築に貢献してまいります。
 このため昨年末には、情報通信技術革命への対応、災害派遣能力の充実強化等を柱とする新たな中期防衛力整備計画が策定されたところであります。今後は、この新中期防に基づき、適切な防衛力の整備に努めてまいる所存であります。
 また、有事法制につきましては、国家国民の安全を確保するために必要なものであり、先日の総理の施政方針演説に沿って検討を進めてまいります。
 米国においてはブッシュ新政権が発足したところでありますが、今後とも日米安保体制の信頼性の一層の向上を図るとともに、沖縄県民の方々の御負担を軽減すべく、SACO最終報告の着実な実施に全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、このたびの愛媛県調査実習船と米潜水艦の事故はまことに遺憾であり、被害に遭われた方々、その関係者の方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。
 私は、ラムズフェルド米国防長官と電話会談を行い、捜索救難、事故原因等の調査に全力で取り組んでほしい、また、船体の引き揚げも実施してほしい旨強く要請したところであります。
 今後とも、防衛庁としては、米軍との緊密な関係を生かして最大限の支援を実施してまいりたいと考えております。
 最後になりましたが、国の防衛には国民の皆様の御理解と御支持が不可欠であります。私は、国民の皆様との信頼関係のもとに、これらの施策の実現に全力を尽くしてまいります。
 委員各位におかれましては、当委員会における御審議を通じ、一層の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
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服部三男雄#6
○委員長(服部三男雄君) 衛藤外務副大臣。
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衛藤征士郎#7
○副大臣(衛藤征士郎君) 外務副大臣の衛藤征士郎でございます。
 服部委員長初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。
 公金横領疑惑や先般の米原子力潜水艦とえひめ丸の衝突事故を初め外交当局が対処しなければならない課題は山積しております。このような中、私は、河野外務大臣を補佐し、外務副大臣としての職務を全うするため、全身全霊で取り組んでまいります。また、公金横領疑惑への対応につきましては後ほど河野外務大臣より詳細に申し上げますが、私自身が外務省機能改革会議に常時同席し、会議参加者の議論を直接に伺い、外務省の機能の抜本的な改革に向けて全力で取り組んでまいります。
 服部委員長初め本委員会の皆様の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げまして、私の就任のあいさつといたします。ありがとうございました。
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服部三男雄#8
○委員長(服部三男雄君) 荒木外務副大臣。
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荒木清寛#9
○副大臣(荒木清寛君) 外務副大臣の荒木清寛でございます。
 服部委員長初め委員各位に謹んでごあいさつ申し上げます。
 二十一世紀を迎えた国際社会において、世界第二位の経済を有する我が国に期待される役割は引き続き極めて大きいものがあります。このような中、我が国外交の諸課題に取り組むに当たり、私は、河野外務大臣を補佐し、外務副大臣としての職責を全うするため全力を尽くしてまいる考えです。
 また、後ほど河野外務大臣より申し上げます公金横領疑惑につきましては、私自身が外務省調査委員会の委員長となる形で同委員会を改組し、調査を継続しており、国民の皆様の信頼を回復するため全力で努力をしてまいる考えです。
 委員長初め本委員会の皆様の御指導と御協力をいただきますようよろしくお願い申し上げ、就任のごあいさつとさせていただきます。
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服部三男雄#10
○委員長(服部三男雄君) 石破防衛庁副長官。
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石破茂#11
○副長官(石破茂君) 防衛庁副長官を拝命いたしました石破でございます。
 防衛力の整備は脅威に対する最大の抑止力である、このように考えております。そのために必要な法律の整備、装備の充実に全身全霊を傾けてまいる所存であります。
 委員各位の御指導を心からお願いいたしまして、ごあいさつといたします。
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服部三男雄#12
○委員長(服部三男雄君) 丸谷外務大臣政務官。
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丸谷佳織#13
○大臣政務官(丸谷佳織君) このたび外務大臣政務官を拝命いたしました丸谷佳織と申します。
 河野外務大臣の指導のもと、この大臣政務官の責任を全うすべく全力を尽くしてまいりますので、服部委員長初め本委員会の皆様の御指導と御鞭撻を心よりお願い申し上げます。
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服部三男雄#14
○委員長(服部三男雄君) 岩屋防衛庁長官政務官。
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岩屋毅#15
○長官政務官(岩屋毅君) このたび防衛庁長官政務官の大任を拝命いたしました岩屋毅でございます。
 斉藤長官、石破副長官を米田政務官ともどもしっかり支え、防衛政策の推進に全力を尽くしてまいる所存であります。
 服部委員長初め委員各位の今後の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
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服部三男雄#16
○委員長(服部三男雄君) 米田防衛庁長官政務官。
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米田建三#17
○長官政務官(米田建三君) 防衛庁長官政務官を拝命いたしました米田でございます。
 有事法制の整備を初め取り組むべき課題が山積をしておりますが、長官、副長官を補佐させていただきながら、全力を尽くしてまいる決意であります。
 委員各位の御指導と御鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。
    ─────────────
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服部三男雄#18
○委員長(服部三男雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に外務大臣官房長飯村豊君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省アジア大洋州局長槙田邦彦君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、防衛施設庁長官伊藤康成君、警察庁刑事局長五十嵐忠行君、財務省主計局次長丹呉泰健君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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服部三男雄#19
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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服部三男雄#20
○委員長(服部三男雄君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、外務大臣から、報償費横領疑惑に関する件について報告を聴取いたします。河野外務大臣。
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河野洋平#21
○国務大臣(河野洋平君) 松尾元外務省要人外国訪問支援室長によります公金横領疑惑につき御報告を申し上げます。
 まず、今回の事件によりまして、外交を預かる外務省に寄せられた国民の信頼を裏切ったことは、何よりも国民の皆様に対して申しわけなく、心からおわびを申し上げます。
 本件については、一月四日に私の指示によりまして調査委員会が発足し、省内で調査を行った結果、同元室長が総理の外国訪問に係る公金を横領し、私的目的に使用した明白な疑いがあることが判明したため、同月二十五日に報告書を発表し、同日、松尾元室長を懲戒免職とするとともに同人を警視庁に告発いたしました。
 問題となっております公金の管理を六年近くの長きにわたり一人の人間が行い、組織としてのチェック体制に不備があったため、問題の発生を未然に防げなかったことにつきましては、外務省の責任を痛感いたしております。外務省が行いました調査には限界があり、同報告書をもって全容が解明されたとは考えておらず、捜査当局に積極的に今後協力をしてまいります。
 さらに、荒木副大臣を長とする調査委員会において、総理の外国訪問に係る外務省の体制上の問題を初め、公金横領疑惑に関連する事実関係などについて、さらに内部調査を行っております。
 また、今回の事件の再発防止を念頭に置いて、外務省の機能を抜本的に改革するための提言を行っていただくべく、民間の有識者の方々により構成される外務省機能改革会議を今月九日に発足させました。同会議には衛藤副大臣が常に同席する予定となっており、さきの第一回会合には私自身も出席をさせていただきました。
 私としては、同会合において、構成員の方々に外務省の仕事のあり方全般について自由に御議論をいただきたいと考えておりますが、具体的な問題意識としては、一つ、国民の信頼の回復と理解の増進、二つ、組織・体制上の課題、三つ、人的体制の問題点及び人事運営のあり方、四つ、チェック・監査体制などの四点を提起させていただきました。今後、構成員の方々に三カ月以内をめどに提言をまとめていただく予定となっております。
 外務省といたしましては、以上述べましたとおり、事件の解明について警察当局による捜査に全面的に協力し、内部調査を継続するとともに、外務省機能の抜本的改革を行うことによって、外交に対する国民の信頼を回復するよう努力してまいりたいと存じます。
 本委員会においても、可能な限り本件につき御説明を申し上げ、御理解を得られるよう努力していく考えでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
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服部三男雄#22
○委員長(服部三男雄君) 次に、外務大臣から、ハワイ沖練習船衝突事故に関する件について報告を聴取いたします。河野外務大臣。
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河野洋平#23
○国務大臣(河野洋平君) 日本時間十日午前、ハワイ沖において発生した米原子力潜水艦グリーンビルと宇和島水産高等学校練習船えひめ丸の衝突事故につきましては、事故発生後二週間以上たった現在においても、いまだ乗員三十五名中九名の方が行方不明のままであります。行方不明者の御家族の皆様のお気持ちは察するに余りあります。
 政府としては、えひめ丸の引き揚げ、徹底的な原因究明などを米国政府に強く求めているところでありますが、この機会に、これまでの政府の対応ぶりなどについて御説明を申し上げます。
 事故発生後、直ちに私よりフォーリー駐日大使及びファーゴ米太平洋艦隊司令官に電話をいたしまして、乗船者の迅速な救出について直接協力を要請すると同時に、外務本省及び在ホノルル日本総領事館にそれぞれ対策本部を設置いたしました。また、防衛庁においても、斉藤防衛庁長官の指示により、米側に対し、乗船者の救出の要請をされました。十日夜、私は、桜田外務大臣政務官を現地対策本部の責任者として派遣するとともに、十二日には、防衛庁の協力を得て、米側からの捜索救助活動などの状況聴取を的確に行うため、潜水艦艦長経験を有する海上自衛官を派遣いたしました。また、民間のサルベージ専門家も同日派遣をいたしております。二十三日からは望月外務大臣政務官を現地に派遣いたしました。
 米側に対しましては、我が国より、森総理とブッシュ大統領、私とパウエル国務長官、斉藤防衛庁長官とラムズフェルド国防長官との間を初め、あらゆるチャネルを通じ、遺憾な事故が起きたとして抗議の意を伝えるとともに、捜索、引き揚げ、原因究明などに全力を挙げるよう要請をしてまいりました。
 さらに、十六日には衛藤外務副大臣をワシントン及びホノルルに派遣いたしました。森総理、私、斉藤防衛庁長官の親書を伝達の上、本件に関して改めて遺憾の意を表明し、捜索、引き揚げ、原因究明等についての全面的努力を要請いたしました。
 これに対しまして、米側よりは、ブッシュ大統領を初め、あらゆるレベルにおいて、謝罪の意とともに全力を挙げて捜索に当たる旨の意図表明がございました。さらに、米国政府は、米海軍作戦部次長のファーロン大将を謝罪表明のため特使として我が国に派遣することを決定いたしております。
 えひめ丸の引き揚げは森総理も最重要課題と認識しており、これまでも米側に対し、あらゆる手だてを尽くすよう申し入れてきたところであります。
 米側は、日本側の要請を受けて、無人探査機スコーピオを投入し、その結果、水深約六百メートルに沈没しているえひめ丸を発見いたしました。米側は、引き揚げの決定は技術的実現可能性にのみ基づいて行うとしておりまして、我が国も、二十日に実施した、えひめ丸引き揚げ問題に関する関係省庁連絡会議の結果を受けて、二十二日にえひめ丸の引き揚げに関する専門家ミッションを現地に派遣し、米側との協議を行っているところであります。
 また、政府といたしましては、事故原因が一日も早く究明されるよう米側に求めてきております。
 米海軍は、衝突事故に関する予備的調査を終え、衝突のすべての側面について調査するため、審問委員会を招集することを決定いたしました。我が国としては、本件事故の解明のため積極的に米側に協力する観点から、米側の招請に応じ、海上自衛隊の将官をアドバイザーとして派遣いたしました。また、米国家交通安全委員会、NTSBは、安全、事故の再発防止の観点から事故原因の調査を行っております。
 今後、政府といたしましては、引き揚げに関する調査を注視し、引き揚げが実現するよう、米側と協議しつつ全力を尽くしていく所存であります。また、引き続き、御家族並びに関係者の御意向を十分踏まえ、全力を挙げて米側と折衝をいたします。
 以上、御報告を申し上げます。
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服部三男雄#24
○委員長(服部三男雄君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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鈴木正孝#25
○鈴木正孝君 自由民主党・保守党を代表いたしまして、理事の鈴木正孝でございますが、若干の御質問をしたいというふうに思います。
 ただいま、外務、防衛両大臣から、言ってみますと、行政運営のそれぞれ所管されております両省庁の基本的な考え方を御披露していただいたわけでございますが、何せ当面の緊急課題が先ほど外務大臣より報告がございました点を含めてございますので、この点に絞って御質問をしたいというふうに思います。
 初めに、えひめ丸関係の御質問をしたいと思うわけでございますが、この事故によりまして、本当に水産高校実習生、学生さんを含めていまだ九人の行方不明者が出ているというようなこと、大変痛ましいことでございまして、御家族あるいは関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、けがをされた方も一日も早い回復を心からお祈りしたいと、そういう気持ちでいっぱいでございます。特にまた、若い学生さんにつきまして、心のケアを含めて、政府側としても十分これから対応していただきたいと、このように思っているところでございます。
 事故は、そういう形で大変不幸なことでございましたけれども、発生をしてしまったということでございますが、新しいアメリカのブッシュ政権の誕生、あるいは最近沖縄で起こっておりますいろんな海兵隊員の不祥事など、決して日米間が今波穏やかというようなことではないというふうに私も思っております。こういう事故が、言ってみますと、対応を誤りますと非常に日米間そのものに大変大きなマイナスの影響が出てくるということ、これはもう多くの方が心配もし、懸念もしている。
 ですから、その事故の原因究明あるいは再発防止、これはもう当然しっかりやっていただかなければいけないわけでございますが、それを踏まえた上で、日米関係にどういうような影響、懸念が生ずるおそれがあるのか、その辺を簡単に外務大臣、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
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河野洋平#26
○国務大臣(河野洋平君) 今、鈴木議員からお話がありましたように、本件事故の発生は極めて遺憾なことでございまして、政府としてもアメリカに対しまして、先ほど御報告申し上げましたようなさまざまなチャネルを通じて抗議の意を表明してまいりました。
 他方、アメリカ側は、ブッシュ大統領を初めといたしましてパウエル長官、ラムズフェルド国防長官、いずれも遺憾と謝罪の意を表明されました。それと同時に、この問題がぜひ日米関係に悪影響を与えないようにしていきたいという旨の発言もございました。
 私どもといたしましては、まずはこの事故に遭われた御家族の気持ちを大事にして、御家族の方々の要望というものを踏まえて、米側ときちっと、米側に主張すべきことは主張をしていかなければいかぬと思っております。と同時に、こうした我が方の主張あるいは御家族の気持ち、そういうものをアメリカ側がしっかり受けとめてくれるということが日米関係をよりよく維持していくことになると考えておりますので、その点も私は付言をして、米側にはこの対応はしっかりやってもらいたいということを伝えてきておりまして、現在のところ、アメリカ側は、本日特使が日本へ来られるわけでありますが、こうして大統領を初めとしてアメリカ政府として恐らく非常にこの問題を重要視しておられるというふうに考えておりまして、なお一層、我が方として言うべきは言うと、そういう状況の中で日米関係をいい形で維持していきたい。いい形でというのはきちんとした形でと言った方がいいかもわかりませんが、そういう努力をしたいと思っております。
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鈴木正孝#27
○鈴木正孝君 今、外務大臣からお話しのような線で、ぜひ真摯に言うべきは言い、そしてまたやっていただくことはやっていただく、こういうことで対応をしていただきたいと、このように思っているところでございます。
 防衛庁長官、この件につきまして、アメリカの国防総省あるいは米海軍などと、言ってみますと、艦艇運用の専門的な立場でいろいろと海上自衛隊あるいは海上自衛官をそれなりに派遣して、いろいろと積極的に大変タイムリーに迅速に対応していただいているように伺っておりますけれども、その後の状況等、お話しいただければありがたいと思います。
 いずれにいたしましても、いろんな意味での原因究明ということが行われて、それに対して有効な再発防止策がとられる、そういうことによって、いささか波乱の海になりかかっているこの太平洋を挟んで、日米両国が友好な関係をさらに緊密に深めることができるように配慮をするということが大変大きな眼目だろうと思いますので、そういう観点で、防衛庁長官として非常にいろいろと対応していただいているわけですが、その辺をちょっとお聞かせいただけますか。
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斉藤斗志二#28
○国務大臣(斉藤斗志二君) まず、本件に関しまして、被害に遭われた御家族、関係者に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。また、行方不明の九名、一刻も早く発見できたらなという期待を持っているところでございます。
 今、委員から御指摘いただきました防衛庁、自衛隊、どのような対応をしているかという中の柱の一つに人的な応援というのがございます。事故が発生いたしまして、直ちに米国並びに外務省の要請がございまして、専門的な知識等が必要という観点から、潜水艦艦長経験者二名をハワイに派遣いたしました。加えまして、米海軍審問委員会に対しまして、本件事故の解明に資するものであるということから、米側の要請に応じまして、潜水艦艦長経験を有する海上自衛官をアドバイザーとして派遣したところでございます。
 本件の原因につきましては、現在、米当局が鋭意解明に努めているところでございまして、現段階で防衛庁としてはコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしろ、アメリカ側も精いっぱい事故解明には努めるし、また責任の所在も明らかにするというそういうことで申してございますので、今後アメリカによりまして、米軍によりまして明らかにされていくものだというふうに考えております。
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鈴木正孝#29
○鈴木正孝君 今、両大臣からお話しございましたように、原因の究明あるいはサポート体制、しっかりやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 御家族あるいは関係者の非常に強い要望がえひめ丸の引き揚げということになっているわけでございまして、これについても非常に強く要望を継続するということでぜひお願いをしたいというふうに思っておりますが、技術的に非常に難しいこともあろうかと思います。ですから、途中で失敗があるとかあるいは危険が伴うとか、そういうようなことがあろうかと思うんですけれども、そういう困難とか危険とか、これをアメリカ政府だけではなくて日本の政府もそれを共有するという意識、これが日米間の真の友情ということを考えたときにかなり大事な要素になるのではないかというような思いも実はするわけでございまして、その辺を踏まえましてぜひよろしくお願いをしたいというふうに思っております。
 また、昨日からの報道ですと、青森県の八戸の水産高校ですか、学生が何か急病でハワイ沖でやはりアメリカの沿岸警備隊のヘリコプターで搬送されたというふうな報道がされておりますけれども、こういうことも非常にありがたいことだというふうに片方で思うわけでございまして、そういうようなことを含めましていろいろと積極的にぜひ対応していただきたい、このように思います。
 次に、もう一つの緊急的な課題でございますが、外務省の報償費取り扱いの問題、これにつきまして今、外務大臣から御報告がございました。いろいろとこの経過を私もそれなりに調べ、追って見ているわけでございますが、いろいろと見ますと、松尾元室長本人から外務省に対して警視庁の事情聴取を受けたという報告があったのは昨年の十二月の二十日だというふうに承知をしております。それから、外務大臣に報告がなされたのが二十四日ですか、そういうような事柄。年末年始があったにせよ、予算編成があったにしましても、先ほど外務大臣からお話のありましたように、一月四日に調査委員会を設けていろいろと事実関係の掌握に努めたというお話でございましたけれども、どうも端緒を得て、その後の外務省の対応がいささか、事務的に考えてみましてもちょっと腰が重いといいましょうか腰が引けているといいましょうか、そういう感を否めないと思うんです。
 これは外務大臣の、総括的な責任者ですからそれはそれとしましても、やっぱり事務当局が事実をきちっと深刻な事態だというふうに理解をし、それに適切な対応をするということに少し抜かりがあったんじゃないかというような印象を私、実は持っております。一生懸命その後は対応されているということ、これは私もそれなりに理解はしておりますが、例えば先ほどお話のあったような告訴を含めて、あるいは任意で調査をしているわけですから、それは確かに調査の内容というものには限界があるだろう、こういうふうに思っております。
 そういうことを見ましても、調査報告が松尾元室長の個人的な犯罪だというような位置づけをしておるわけですが、どうも六年近くいろいろとチェック漏れがあって云々というようなことを聞いてみますと、組織全体で、意図はしなかったかもしれないけれども、結果的にそのような大変外務省全体の信用を損なう、日本外交の基軸にかかわるような大きなマイナスを生じてしまったということ、この点について、事務当局がもっとやっぱり深刻に思っていただいた方がいいというような思いがしているわけでございます。
 それで、きょうちょっと、もう時間の関係もございますので、警察庁刑事局長に来ていただいているわけですが、一月の二十五日にこういう案件があるということで告発をいたしましたですね、外務省は警視庁に対してした。その後の動きを見ておりますと、どうも国民の目から見ると、警察は、これまた法治国家ですから法と証拠に基づいてきちっとやるというのはこれは言わずもがなの話で、当たり前の話なんですが、少しスピードが遅いんではないかというような印象を国民の多くが持っていることも片方の事実なんだろうと思うんです。
 ですから、非常に言いにくいことかもしれませんけれども、捜査の進展状況をやはりわかりやすく、一般論で云々というような今までのワンパターンの、事件があるといつもそういう答弁をされるわけですが、そういうことではなくて、やはり政府全体の、日本政府の信用にかかわる問題だということで、もう少しわかりやすくお話を簡単にちょっとしていただけませんか。
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