田英夫の発言 (外交防衛委員会)
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○田英夫君 そういう状態で次のステップを考え、またそれに向かっていろいろと手を打っていくといいましょうか、議論をしていくという、そういうことなしに日米安保条約の上にあぐらをかいていていいかということは言えると思うんですよ。現実に、安保条約の第五条というものは、非常に幸いにしてこれが発動されるという状況ではなくなってきていると。そして、ほとんど今安保条約は第六条というところに乗っかって、アメリカが、まさに嘉手納基地から飛び立ったEP3が海南島近辺で事故を起こしているという、そういうことになっている。これは日本は無関係じゃないと言えるんですね。
そうではなくて、私どもが提案しているのは、北東アジア総合安全保障機構を構築しようじゃないかというのが社民党の提案です。それで、国も八カ国と、こう明らかにしておりますが、それは日本と南北朝鮮とモンゴルと、この四つで非核地帯条約をつくり、またそれに加えてアメリカと中国とロシアとカナダと、こういうことまで明らかにしております。
総合安全保障機構をつくるということを一つの提案として出しておりますが、その先はまだ言っておりませんけれども、これは私は、党の決定ではありませんけれども、頭の中にあるのはまさに国連なんですよ。ARFという、つまりASEAN地域フォーラムというのがある。そうしたら、北東アジア地域フォーラムというものに名前は統一したらどうか。北東アジア総合安全保障機構というのは北東アジアにも、既にASEANにはできている、北東アジアにつくる、南太平洋にできる、それを全部総括してアジア太平洋総合安全保障機構と、それは国連のもとでつくる。
そうすると、既にヨーロッパはできておりますが、アフリカ、アメリカ大陸というふうに国連の手によって世界じゅうに幾つかの総合安全保障機構ができて、それを国連が統括するという姿になったときに、世界は国連の理想どおりの姿になってくる。これは二十一世紀中にというぐらい大きな夢のような一つの理想郷でしょうけれども、それを目指すべきじゃないだろうか。そういう方向をまず前提に考えると。
そこで、日本はまずどうしたらいいのかということになってきます。そうすると、今一番大事なことは、私どもは日本国憲法第九条をどう考えたらいいのかということだと。
今現実には、与党の皆さんあるいは野党の一部も含めてこれを改めて、そして自衛隊を軍隊にしようという声がかなり声高に叫ばれている。鳩山さんもそのことを言っておられる。こういうことでいいのかと、憲法九条というものをそう簡単に変えていいのかと、私のような戦争体験者は思いますよ。本当にあの戦争で死んでいった私どもの仲間は、国を守るために喜んで死んだとは全く思わない。無念の思いで死んでいったんですよ。その結晶が憲法九条だと思う。もう絶対に戦争はしないと。
そして、世界も第一次世界大戦のあの悲惨な、それまでの戦争は軍人が死んでいた、多数。しかし、第一次世界大戦から民間人の方がたくさん死んだ。第二次世界大戦はもっとその比率が大きくなった。こういうことで、第一次世界大戦直後に世界は不戦ということが急速に盛り上がっていく。一九二八年のハーグの不戦条約というものがその結晶でしょう。そして国際連盟ができた。
しかし、これをぶち壊したのは何と日本ですよ。昭和の初め、世界不況の中で、ちょうど今と同じような経済状況の中で、そして汚職がはびこり、政官財の汚職、これに血気盛んな青年たちが怒った。それが右寄りに走っていって、五・一五、二・二六になっていった。そして、日中戦争へ広がっていくと。
第二次世界大戦直後にやはり戦争の悲惨な体験からできたのが国連憲章だと。その前文を読めばこれは御存じのとおりですよ。そして、そのエッセンスが日本国憲法の前文になっている。これをぶち壊したのはアメリカですよ。四五年に第二次世界大戦が終わって、わずか五年後に朝鮮戦争を始めた。
こういう歴史を見たときに、今度は二十一世紀こそ本当に不戦ということを実らせなくちゃいけない。特に日本はそれを先頭に立ってやらなくちゃいけないと私どもは思うんです。いろんなやり方があると思いますが、日本のやり方は非常に特異であることは間違いない。戦争をしないということですから、軍隊を持たないということですから。
例えば、永世中立というやり方をとっている、これも一つの安全保障政策です。スイスとかオーストリアとかありますね。これは、欧州局長がおられるけれども、この二つの国は実は同じ永世中立を唱えていてもやり方が違うと思いますが、ちょっと説明をしていただけますか。