平沼赳夫の発言 (経済産業委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、スイスの国際経営開発研究所、IMDのデータを山下先生、具体的にお示しになられましてお話しいただきました。本当に近年、日本が非常にそういう意味では低下傾向にあるということは、私どもも大変大きな危機意識を持っております。
国際競争力の向上をもたらす産業技術力強化、この努力をはかる重要な指標であります我が国の研究開発投資につきましては、一九九〇年代半ば以降も、第一期科学技術基本計画の策定により、政府部門においても増加はしております。民間部門においてもほぼ一貫して増加をしているわけでありますけれども、こういう増加傾向にありながら御指摘のようなそういう事態が生じている、ここに私は大きな問題があると思っております。
非常に今御指摘の米国がそういう形で総合評価が伸びている。その背景を考えてみますと、米国というのは特に一九九〇年代に向上いたしました。米国が科学技術を新しい製品やプロセス、資産及び仕事に変えていく能力がすぐれている。それをさらに分析してみますと、すぐれた研究基盤、特に研究型大学においての研究と教育の一体的な実施が行われている。また、二つ目として、科学技術に基づき企業を起こしまして成長させることを促進させる財政的あるいは文化的な環境がある。こういったことが日本はいずれも、いわゆる政府のそういった部分の投資もふえている、民間もふえているにもかかわらずおくれをとっているということは、そういったところがやはり米国との大きな差異になっているんじゃないかと。
少し具体的に言わせていただきますと、大学や政府研究機関が民間企業の重要なパートナーとなるための真の産学官連携を実現している、アメリカなんかでは。それから、研究人材の流動性を通じまして研究者が適材適所で働ける環境整備が行われている。それから、若手の研究者の自立性の向上等の研究人材の育成といった研究開発システム、こういったことが米国においては非常に円滑に機能したと。残念ながら我が国はそういった面でそこにおくれをとり、科学技術という観点ではいずれにしても高い評価をいただいておりますけれども、そういった総合的な形でうまく連携がとれなかった、そのために総合力が落ちてきているんじゃないか。
我が国は、やはりこれから産業技術力、そして国際競争力、この向上を図っていかなければならない、そういうふうに思っておりまして、第二期科学技術基本計画におきましても、まさにこのような科学技術システム改革が重要政策として掲げられているところであります。経済産業省といたしましても、総合科学技術会議と協力をしまして、この第二期科学技術基本計画の着実な実施を図りまして、ライフサイエンスでありますとか情報通信、環境、そしてナノテクノロジー、さらには材料等の重点分野に対する戦略的な研究開発投資とともに、先ほど申し上げました産学官の連携の強化や研究人材の育成等の科学技術システムの改革の推進に全力で取り組んで、このおくれをとっている我が国の競争力の向上に向けて努力をしていかなければなりません。
また、私が先般提案をさせていただきました十五の項目の中に、私としてもそのような問題意識を持って最重点の事項の一つに取り上げさせていただいている、こういうことでございまして、本当にそういう意味で、御指摘のような、今総合的に評価が日本の場合には下がっているということは大変大きな問題だと思っておりますので、これから全力を挙げてその向上に努めていかなければいけない、このように思っているところであります。