岩城光英の発言 (憲法調査会)
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○岩城光英君 自由民主党の岩城光英です。
若干重複する部分もあるかもわかりませんが、報告をいたします。
初めに、ジョージタウン大学の憲法学者、タシュネット教授からこういう話があったことを御紹介したいと存じます。
各国の憲法はそれぞれの国の独自の土壌の中でつくられてきた、よって、他の国の憲法の枠組みを直接そのまま取り入れるのは有効ではない、外国の憲法を調査研究する際には一般的な概念としてどうなっているのかを学ぶべきだということでありましたが、まさにそのとおりだと思っております。
さて、憲法と法律とのかかわりについて若干述べさせていただきます。
最高裁判所のオコナー判事からこういう話がございました。社会権、教育権は憲法には規定されていないが、これらは時代の進展、要請により柔軟に対応すべきものであり、そのため法律によって規定した方がよいのではないか、憲法に規定されると時代の変化に対応して変えていくことが難しくなるというものでありました。
また、この点につきまして、連邦議会調査局のトーマス法律顧問はこういう話をしておりました。アメリカの憲法の文言はあいまいな部分もあるが、それゆえに変化に応じた柔軟な対応をとることも可能である。私、関心がありましたので、憲法においてあいまいな部分あるいは明確な規定、こういったものを将来的にはどういうふうなあり方がいいとお考えですかという質問でしたけれども、このような答えでした。法律は規定しやすいですけれども、逆に言うと改正、変更もしやすい、ですから根本的なものは憲法で固定化して明確にし、そのほかの部分は法律で規定できるようにした方がスピーディーに時代の変化に対応できる、これからの時代はそういったミックス型がよいのではないかと。そして、例えば信教の自由のような少数者の権利を保護するような規定は憲法上明文化すべきであり、一方、男女平等のような大多数者の権利は法律で規定してもいいのではないか、このような指摘がありました。いずれにしても、これは安定と変化の問題であるという話でした。
次に、連邦制それから地方自治について若干報告をいたします。
アメリカは大西洋沿いにイギリス人が入植したのが始まりでありまして、自分たちの小さな集落を単位にした共同生活を営むためのルール、自治の仕組みをつくっていったわけでありますが、それがアメリカの地方自治の発祥でもあります。
このように、アメリカでは地方自治に関して揺るぎない歴史と伝統を築き上げてきた、そういった歴史的経緯から、住民の自治意識は極めて高いものがあります。連邦政府の権限は憲法に列挙された一定事項にのみ及び、州政府は連邦憲法及び州憲法で禁じられていない限り包括的な権限を持っております。
先ほど御紹介しましたタシュネット教授によりますと、憲法問題の中で連邦制も争点になっているとのことでした。そして、連邦制を擁護する立場として二つの根拠があるとの指摘でした。
一つは、州政府は個人の自由を守るために存在しているというものです。二つ目は、国レベルの問題をそれぞれの州が独自に判断して対応することでさまざまな試みがなされ、その中で最もよい方法を全国に適用することができる。その例として教育問題を挙げました。教育の質の向上を図ること、これは国民共通の願いでありますけれども、その手法についてはさまざまな意見に分かれます。そこで、教育の権限を州あるいは地方自治体に与えることによってさまざまなアプローチが可能になるというものでございます。
なお、最高裁の判断は、州が独自の政策を形成する余地を高めるため、連邦政府の権限を規制する方向にあるようです。
また、カリフォルニア州のマイク・マシャッド上院議員からはこういう話がありました。州と連邦政府はパートナーシップの関係にあります。連邦政府から各種のプログラム、事業計画でしょうか、こういったプログラムについて州に予算が配分されますが、そのプログラムの大まかな内容や予算の使用方法については連邦政府がガイドラインを示しますが、どうそれを具体的に実施するかは州に任されている。つまり、連邦政府が理想を打ち出し、州が自分独自の判断で一番いいと思った方法でそれを実施する、こういうものです。
ところで、アメリカでは、それぞれの地方自治体は、それから地方政府といいましょうか、そういった形態は州の法律によって規定されています。どの州においても地方政府は州の創造物とされているようです。そして、地方自治体の機能、そのあり方は州によって異なることはもちろん、同じ州の同じレベルの地方自治体の間でも多少の違いがあるようです。多様な地方自治体が存在するというのがアメリカの地方自治制度の最大の特徴でもあります。
こういったことを参考にしながら、これから日本の地方自治のあり方、こういったものについてもこの調査会で議論していきたいと思っております。
今まではどの町に行っても全く同じような施策がとられて、独自色の少ない、おもしろみのない町づくりが行われてきました。これから、財源の問題は先送りになっておりますけれども、地方分権が進む中で、どの地方自治体も自主的、自立的な、あるいは個性的な主体性を持った町づくり、地域づくりができるようなシステムに変えていかなければいけません。国と地方の役割分担、こういったものを改めて見直しながら、道州制といった議論もありますけれども、本当の意味での地方自治、こういった議論をこの調査会でしていきたい、こう思っております。
以上です。