小林節の発言 (憲法調査会)

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○参考人(小林節君) 首相公選制をやりますと、さっき申し上げたように全国区一人区でどんと選ばれてきますので、それは選挙の社会的実態としてはアメリカの大統領制と似てくるわけです。
 そこで何が起きるかというと、それはある特定の小選挙区で長年当選を重ねて、第一党の派閥でぞうきんがけをして、そのボス同士の相談の中で一党の党首になって自動的に衆議院で指名された人と違って、全国民を背景に持ちますから、背景には自分の選挙区とか自分の派閥ではなくて全国民の意思というものを背景にしょって議会ともぶつかり得る立場になると。ここに一種のカリスマ性が生まれる。これはもう社会的事実であります。となると、それは事実上の準大統領制ではないか。すると、そのカリスマがある独任の地位に象徴性が生まれるのも当たり前でありまして、そうなりますと、日本の象徴を天皇としている現行憲法との衝突現象は起き得るんではないかという問題の指摘はさせていただきます。これはむしろ私などよりも平野先生などの方がお詳しいと思いますけれども。
 ただ、それもイスラエルの例などを見ていただけばわかりますように、公選で選ばれた首相はあくまでも首相と呼んで扱っているわけです。首相というのは、やはりそういう意味では行政の執行者であって、国の飾りではないわけです。そのほかに別に大統領というのを置くことによって象徴として扱っている。この仕切り分けが我が国でもできるならば、公選首相と天皇制は矛盾しないで使い分けることができる。これも議論をして、選択の問題だと思います。
 それで、総理大臣になるとリーダーシップが生まれるのはさっき申し上げたように事実なんですが、これはホームランと空振りの可能性が出てくるわけでありまして、それは、ただ私は、ここまで国民が政治が私たちを代表してくれていないというようなフラストレーションをしょっているならば、それは国民の責任においてやらせてみるのも、やってみるのも一つの、それは自分で滑って転んで直していけばいいわけでありますから、そういう意味では、憲法改正が自由にできるなら、準大統領制としての首相公選制も今申し上げたような筋道であり得るというふうに思います。
 その他にもろもろの条件、推薦人とかでそういう議会によるチェックの条件をつけるというのはいわば派生的な問題で、それはそのとき議論してお決めになればいいことだと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 小林節

speaker_id: 20442

日付: 2001-03-07

院: 参議院

会議名: 憲法調査会