世耕弘成の発言 (憲法調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。
 御指示と慣例に従いまして、座ったまま質問をさせていただきます。
 いろいろきょう、両参考人に御質問を考えてきていたんですけれども、渡部参考人の方から特に税制、その中でも相続税に絞ってお話をいただきましたので、まずこの件についてちょっと質問をしたいと思います。
 私は、基本的には渡部参考人の考え方に全く賛成でございます。特に、伝統文化の継承という視点から相続税というものはやっぱり考え直さなければいけないと思います。私自身、東京や大阪の都心部で極めて町の景観を構成しているような立派な住居が壊されて小さな建て売り住宅に変わっていったり、マンションに変わっていく風景を見ると非常に心が痛みます。あるいは、中小企業の経営者、知人の方々でもやはり相続税の問題で家族への継承が考えられないということで、事業の展開の意欲をなくしている方々を私も現実にたくさん存じ上げております。
 そしてまた、憲法と直接関係してこないかもわかりませんが、相続税を下げる、あるいは渡部先生のおっしゃるように廃止をするということは、これは景気対策上も非常に効果があると思いますし、先生も著書で書かれておられましたけれども、イギリスのサッチャーさんが、お金持ちを幾らいじめても貧困に苦しむ人が楽になるわけではないと、それは私もけだし名言だと思っております。また、相続税というのは、税全体の中で考えても額としては非常に小さい、どちらかというと、あってもなくてもいいぐらいの規模ではないかと思います。
 そしてまた、私も毎年年末に税制の議論をするときに、財務省の人たちといろいろ議論をするわけですけれども、財務省の人たちに言わせれば、大型のかなり高額の相続税を払っている人というのは毎年亡くなった人の五%ぐらいにしかすぎないんだということを言うわけですけれども、それも結局は遺留分とかそういったのをフル活用して、節税の工夫をした結果の数%でございまして、結果としてやはり土地が分割され、家族の伝統が継承されないというのは、この問題は全然解消されていないんだと思っております。
 しかし一方で、この問題というのは、もう一つ憲法的な視点からはやはり平等といったものに絡んでくると思うんです。
 私は、実は人間の平等というものの考え方も渡部参考人とかなり近いんではないかと思っていますが、私はやはり戦後日本の民主主義というのは、ある意味、行き過ぎた平等主義がはびこってきたんではないかと思っています。ですから、私自身、政治家としての一つのテーマとしては、やはり頑張った人が大きく報われる社会、そして頑張らなかった人はほどほどにしか報われない社会、そして事情があって頑張れなかった人にはもちろん救いの手を差し伸べる、これが私の政治家としての目指すべき社会だと思っているんですね。
 わかりやすく言えば、機会は平等に与えるけれども、それによって生じる結果については不平等があってもこれは仕方がないというのが、私はある程度目標としている社会のつもりでいるんですけれども、この相続税の問題を考えるとき私は非常にいつも悩みますのは、実は相続税を例えば渡部参考人がおっしゃるように廃止をしてしまった場合に、機会に不平等が生じるんではないかという思いを私自身非常に持っております。親から数億円の財産を相続できる人とそうじゃない人というのは、これはある意味、人生のスタートにおいて不平等が生じてしまうんじゃないかという私自身懸念を持っております。
 そこで、お二人にお伺いをしていきたいんですが、まず江橋参考人には、本日、渡部参考人が展開された相続税に関する議論について基本的にどういうお考えを持っておられるかということ、そして渡部参考人には、相続税の廃止が機会の不平等に通じるんではないかという懸念に関してはどういうお考えを持っているか。逆に言うと、私的にはもうお知恵をおかりしたいというところもあるんですけれども、ちょっとお願いをしたいと思います。

発言情報

speech_id: 115114184X00520010404_006

発言者: 世耕弘成

speaker_id: 15381

日付: 2001-04-04

院: 参議院

会議名: 憲法調査会