木村仁の発言 (憲法調査会)
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○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
両参考人におかれましては、極めて示唆に富む御教示をいただきまして、まことにありがとうございました。
時間に限りがございますので、まず諸井参考人からお尋ねをいたしたいと思います。
本日は主として国政レベルにおけるお話をいただきましたけれども、諸井参考人は地方分権推進委員会の委員長として非常に偉大な仕事をなされた方でございます。この委員会はやがてなくなるわけでありますけれども、我々は引き続き地方分権について大きなリーダーシップを発揮していただくことを期待するものでございまして、なかなか得られない機会でございますので、本日のお話とは少し外れますけれども、地方分権について一、二お尋ねをしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
推進委員会の五次にわたる答申の基本は、地域住民の自主決定、自己責任を中心とする地方分権体制の確立と、こういうことではなかったかと思います。そして、機関委任事務の廃止を中心とする事務のあり方を中心に改革をしていただきましたが、これは二十世紀後半五十年にわたる地方自治の巨大な課題を解決していただいたもので、非常にすばらしいことであったと思います。そして、さらなる権限移譲、国による規制、干渉の縮小、そして自主財源の確保のための税財源の再配分等について、各省庁とも問題を煮詰めた答申をいただいているわけでございます。
関連して私は、先ほど参考人が言われました、一体地方自治に関して法律でどこまで細かいことを決めるんですかという問題提起について、しり馬に乗るわけではありませんが、一つお尋ねをしたいと思います。
それは、地方自治の根幹を定める地方自治法自体の問題でございまして、今地方自治法は、本法、附則まで加えますと五百条に及ぶ巨大な法律でございます。これを読み通すことはもちろん、理解している国民も少ないのではないかと思います。そして、その中身は実に微に入り細にわたって地方自治のあり方について定めをしておりまして、この地方自治法自身が地方自治体の自主決定、自己責任をがんじがらめにしているのではないかと私は実は思っております。
例えば、一番新しい改正で、地方公共団体の議会の議員の定数を条例で自主的に決めるように定められました。これは以前は基準数値が決まっていて、必要であればそれを条例で減少しなさいということだったんですが、それを原則として条例で定めてよろしいと。ところが、その法律の中に、しかし上限は何名までですよというのを決めました。これは、せっかく条例で決めるという自主決定の機会を与えながら、実際にはがんじがらめにしているということではないかと思いますから、現在の立法傾向そのものが、まだ諸井参考人の言われる自主決定に近寄っているとは言えないのではないかなという気がいたします。
実は、マッカーサー憲法草案の中の地方自治のところにこういう規定があったんです。住民は彼ら自身の憲章を作成する権限を奪わるることなかるべしと。この憲章というのは英語の原文ではチャーターという言葉でございまして、これは広範に地域住民がみずからの行政体制を定めて住民投票で決定をするというのがホームルールチャーターであると思いますが、それを、日本はまだ時期尚早だということだろうと思いますけれども、極めて巧みに、法律の範囲内で条例を定めることができるという規定にいたしました。
条例と憲章では全く質の異なるもので、我々はむしろ二十一世紀の地方行政、地方自治のあり方としては、地域住民にこのチャーターをつくる権能を与えていくような法律、それが地方自治法であるべきで、だとすれば二百五十条か三百条ぐらいの法律に換骨奪胎して自主決定権を広げていくべきではないかと思うのでございますが、こういった点についてどのようなお考えをお持ちでいらっしゃいましょうか。