曽根泰教の発言 (憲法調査会)

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○参考人(曽根泰教君) 今の御質問に対してお答え申し上げます。
 まず、世論調査で今までの過去の経験でいくと七〇%あるいは八〇%近くとった首相、内閣があるわけですが、半年後、一年後になると五〇%を割っていたりするわけです。ですから、国民の選択というのはあくまでもある時点、ある点を切ったときに非常に高い支持率、多分その人が当選するというふうに思います。ただ、世論は時間がたつと変化いたします。この問題はなかなか難問の一つであります。
 ですから、それは世論が一番高い支持をした人をもって首相とすることが正しいのかどうか、これに関してはメディアポピュリズムの弊害は当然発生するだろうと私は思っております。それを回避する方法は、首相公選という制度自体では難しいと思っております。
 現実に、メディアポピュリズムを何とか制限するとか新しい民主主義の過程にするというので、私は、今実験的に討論民主主義あるいは熟慮民主主義というんですけれども、デリバレーティブポールということを、私がやっているんではなくてアメリカの学者、ヨーロッパの学者などがやっておりまして、二十回ぐらいもう実験しております。これは、時間がないので詳しく説明いたしませんけれども、全国から例えば三百とか三百五十のサンプルを集めて、二日間ぐらいかけて討論をし、専門家の意見を聞いて、そして判断をするという、それをテレビ中継をしているというシステムであります。これは一つのメディアポピュリズムを回避する熟慮のプロセスを入れてくる一つの方法として考えられ得るものだと思っておりますが、これと首相公選とは直接結びつきません。
 そして、首相公選、先ほど申し上げましたように首相を選ぶだけで済めばいいんですが、そうではなくて、これは議会あるいは政党政治、選挙、全部変えてしまうということであります。というのは、首相だけを選挙で選ぶということにとどまらず、それはいわば大統領制ですから、議会の役割を異なるものにするわけです。
 イスラエル、アメリカのように、なぜイスラエルが多党化したのかといえば、それは政権選択は首相でよろしい、ところが同時の選挙において、宗教代表、単一争点代表、利益代表を国会議員選挙でする傾向がますます強まったわけです。アメリカの下院議員もそうです。
 ですから、先ほど衆議院選挙の役割は変わりますと言ったのはその点でありまして、首相がかわるだけではなくて、議会の構成、役割、姿が変わってしまうわけです。それを覚悟の上での首相公選ならそれは意味があるんですが、それは首相公選とは言わずして、もう既に大統領制と私は思っております。
 そして、解決策としては党首公選、つまり予備選挙、あるいはアメリカで言うプライマリー、これの拡大、これは党の組織を強くすることであります。あるいは自民党だけではなくて民主党もおやりになるのかどうかわかりませんけれども、つまり党費を確保すること、あるいは党員を拡大すること、国民の関心を抱かせること、もう少し工夫があってはいいんではないか。そして、党首公選であるならば、これは憲法的な改正とは関係なしにできることであります。ですから、私の理解では、党首公選ということをもう少し進めることによって実体的には国民の選択をふやすことになる、こう理解しております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 曽根泰教

speaker_id: 12095

日付: 2001-05-23

院: 参議院

会議名: 憲法調査会