曽根泰教の発言 (憲法調査会)
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○参考人(曽根泰教君) 参議院につきまして、イギリスとの比較のお話が出てまいりましたけれども、今度の参議院選挙について、今度に限らずですが、通常、教科書的な理解ですと政権選択ではないと言われるんですが、実は政権選択に匹敵すると私は理解しております。
なぜ政権選択に匹敵すると理解するのかといえば、現在の与党側は、連立の根拠を参議院の過半数をとれないことに置いているわけですね。そうすると、その問題は当然政権の枠組みを問うわけですから、政権選択そのものではありませんけれども、政権選択に匹敵する選択を国民に求めているという理解になるわけです。
そして、ではなぜそういうことが起きるのかといえば、日本の第二院、参議院の役割がイギリスに比べて極めて強い。極めて強いということは、首相指名もできる、大臣も送り出せる、それから法案に関しては、先ほど御指摘があったように参議院が通過しないことには通すことはできない。ほぼ対称形の院を二つつくったわけです。ですから、これは設計原理として二つの対称形のものをつくるということは、それなりの覚悟でつくったというふうに私は理解するものですけれども、現実に言えば、政治的にいわゆるステールメート、停滞が発生することは当然起きる。つまり、両院の意思が違うことは当然発生し得る、これは想定できることです。それが想定できるんだとするならば、一体それをどう憲法的な枠でどうそこを解消しておくのかというのは、これは課題として今もあるし、将来の課題としてもあるわけですね。
両院の意思が違うということは政治的に非常に大きいわけですが、さっきの首相公選の場合ですと、今度は首相と議院、議会の意思が違うわけですね。ディバイデッドガバメント、つまり分断政府、分裂政府というのはアメリカでも起きるしほかの国でも起きるわけです。つまり、首相を選ぶ選挙と国会議員を選ぶ選挙では国民の意思が違う。違うと両者を解決する方法はなかなか難しい。これは政治的な決定、最終的に国会が意思決定をどうするかという、特に一つの意思に決めなきゃいけない、その問題の解決は憲法的にはつくっておかなきゃいけない、こう理解するわけです。