波多野敬雄の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(波多野敬雄君) 日本が常任理事国になったらば何ができるであろうか、何をしたであろうかという点についてカンボジアの例を私さっき申し上げましたけれども、それからもう一つ、ユーゴスラビアの例を申し上げましたけれども、私はやはり常任理事国になったらばやりたいなと思うことは、PKOの費用効果をもうちょっと洗い直してみたいと。
 例えば、キプロス島に三十年PKOを置いていてどういう効果があったんだろうかと。物すごい費用を食っているわけですね。世界じゅうにPKOを派遣しているものの中で成功しているものと失敗しているものをもう一度洗い直してみて、余り効果を上げていないものはやめちゃったらどうだろうかと。もっと増強しなくちゃいけないものもあるかもしれません。
 キプロス島の話は、現に私が非常任のメンバーだったときに議論したときに幾つかの国は、いや、ミスター波多野、おまえの言っているのは違うよと、あそこにPKOが派遣されているからキプロス島で紛争が起きないでそのまま済んでいるんだよと言うんですけれども、私は、PKOをあれだけ長い間置いているのにいまだに和平がキプロス島で達成されないというのは、どうも合点がいかないという感じがするわけでございます。やはり、国連の本部の経費が十三億ドルのときにPKOに少ないときで三十億ドル、多いときで六十億ドル費やしているというのはちょっと、二〇%日本が負担するからということでないんですけれども、ちょっとどうかなという感じがいたします。
 日本が常任理事国になったらばやりたいことというのは、もしかしたらば、そういう具体的な例というよりも、国連そのもののあり方を考える場合に、常任理事国の発言権が圧倒的に強い。例えば、日本という国は人間の安全保障ということを言って、日本の考える安全保障ということを言うわけですけれども、全くカナダ、カナダはPKOこそが人間の安全保障であり、南側から見れば援助こそが人間の安全保障であると言っている。そういう問題について、日本は非常任理事国として発言しても聞いてもらえないけれども、常任理事国として発言すればもっと説得力があり、もっと聞く耳を持ってもらえるんだろうという感じがいたします。ということは、国連のあり方そのものについて、具体例というよりも国連のあり方そのものについて常任理事国として発言したいなと思います。
 これは、平成七年、朝日新聞が憲法を改正すべきでないという社説、一ページを費やして読売新聞に反論して憲法を改正すべきでないということを論じ、その中に国連のことが相当書いてあったんです。それで、朝日新聞が私に、あなたは朝日新聞と意見が違うでしょうから反論を書いてくださいと、「論壇」に載っけますということだったんで、私はその朝日新聞に反論を書いたんですけれども、お手元にもその紙が回してあると思います。
 朝日新聞の言うのは、日本は改革の先頭に立って国連の改革に尽力すべきであると、その上で必要ならば常任理事国になればいいという論旨。これはさっき浅井参考人の言われた論旨と非常に近いんですけれども、こういう論旨に対して私は話が逆だということを書いたんですけれども、残念ながら安全保障理事会の常任理事国にならないと先頭に立てないんですよ、世界に日本の意見を聞いてもらえないんですよと。だから、話が逆で、まず安全保障理事会の常任理事国になることが第一、それによって国連に貢献できるし、世界の平和にも貢献できるというふうに思っております。

発言情報

speech_id: 115114308X00120010214_016

発言者: 波多野敬雄

speaker_id: 4557

日付: 2001-02-14

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会