浅井基文の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(浅井基文君) ありがとうございます。
 二つの問題がございますけれども、まず最初に国連改革と日本の対応ということで、井上理事がおっしゃったように、今の国連憲章の規定では、常任理事国は自動的に軍事参謀委員会のメンバーになるということになり、しかもその軍事参謀委員会というのは、国連が行う軍事行動において非常に重要な役割を果たすことが予定されているという点におきまして、仮に今後の安全保障理事会の改革が第四十三条以降の軍事参謀委員会の機能について何も手を触れないということであるならば、自動的に軍事参謀委員会のメンバーになる形での安全保障理事会常任理事国入りというのは、私は憲法に抵触する問題であろうというふうに判断いたします。
 したがって、私たちが考えなければならないのは、安保理改革に当たってそういう軍事参謀委員会の、実際は有名無実であるわけではありますけれども、そういう規定、要するに憲法との関係で抵触する規定、そういうものについてもちゃんと視野に入れてそれをどうするかという問題を国民的な議論の大きなポイントの一つとして取り上げなければならないだろうというふうに私は考えております。
 くどいようでございますけれども、この点が何ら手を触れられない形での安保理改革に終わるようでございましたら、私は日本が安全保障理事会の理事国になることは憲法上の大問題があるというふうに認識いたします。
 それから、コソボ問題でございますけれども、理事がおっしゃいましたように、コソボに対する、コソボといいますかユーゴに対するNATOの空爆というのは、空爆開始前からかなりフランスなどを中心としまして問題が指摘されていたわけですね。しかし、それを強行した。なぜそのときにアメリカが安全保障理事会にこの問題をかけなかったのかということが非常に大きなポイントとしてあるわけです。
 それはなぜかといったらば、非常にはっきりしているように、ロシア、中国が安全保障理事会常任理事国として拒否権を発動するということが目に見えていた。ということは、仮にアメリカがユーゴに対する空爆について安全保障理事会決議を得ようとするとそれが拒否されるということになりますから、その結果は、それでもなおアメリカがユーゴ空爆に踏み切ればそれは明らかに国連憲章違反ということになるわけですね。したがって、それはもう非常に国際法違反という本質が露骨にあらわれる結果を招く。したがって、アメリカはそういう目に見えている最もまずい策をとるよりは、むしろ安全保障理事会をバイパスしてみずからの行動を全く別の理由、すなわち人道、人権、民主主義というような理由で正当化するという手段をとったというふうに考えざるを得ないわけです。
 しかし、これはアメリカの非常に私は独善的な行動だと思うわけでありまして、その点につきましては何もロシア、中国だけではなくて、ユーゴ空爆が終わってから、フランス、ドイツ、イタリア、それからさらにはイギリスの議会におきましてもこのユーゴ空爆が正しかったのかということが大きく取り上げられるようになっている。そして、むしろある新聞の、ちょっとタイトルは忘れましたけれども、新聞によればこのユーゴ空爆方式というのは今回限りの行動で終わらせるべきであるという議論も出てきたということであります。
 一言だけ付言させていただきたいんですけれども、実は日本とアメリカとの新ガイドライン安保におきましても、実は安全保障理事会の決議がなくしてもアメリカが軍事行動をとる場合には日本がそれに協力するということが予定されております。これはまさにユーゴ空爆の事態と国際法的には全く同じ問題なんですね。したがいまして、私はNATOのユーゴ空爆というこの重大な問題というものは、私たち自身の問題としても認識しておく必要があるということを付言させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 浅井基文

speaker_id: 31851

日付: 2001-02-14

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会