波多野敬雄の発言 (国際問題に関する調査会)
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○参考人(波多野敬雄君) まず第一の国連改革の問題でございますけれども、私、実は国連改革のための十六人委員会というのが世界から指名されておりまして、その中に入っておりまして、先週の月曜、ニューヨークでその会議をやってまいりましたけれども、国連を強化するために、地域機構の上に立つ世界的な機構として強化するためにどうやったらいいかといういろんな案が出ていて、結局うまくいかないんですね。ですから、今はどうやって国連を改革するかということを暗中模索中なんですけれども、私は、さっきの浅井参考人の意見とは違って、日本が外からこの問題を提起してみても国連は改善されないと思います。それを改善する方法として、日本はみずから安全保障理事会の常任理事国になって、こうすべきであるということを言えば相当の発言権があるであろうと思います。
現実に、エジプト等が繰り返し繰り返しその十六人委員会の会議で申しますのは、国連には本来権限があるんだと、総会で決定すればいいじゃないかと言うんですけれども、総会で決定してみても先進国は言うことを聞かないんです。先進国は、貿易の問題はWTOでやり、金融の問題はIMFでやり、援助の問題は世銀でやるということにしちゃって、国連の外で動いちゃっている。それじゃ、もう国連はこのまま衰退するのかというと、しかし国連には総会という機構もあるし、安全保障理事会という機構もあるし、これを活性化する余地はまだある。そのために日本も中に入って努力すべきであろうという感じがいたします。
それからもう一つ、アジアの中の日本という言葉でございますけれども、これは明らかに少数意見なんでございますけれども、私が国連にいて感ずることは、日本というのは、常任理事国になったらばもちろん、またはなるためにもアジアの日本ということではいけないんだと思っております。世界の日本なんです。日本はユーゴスラビアにも多大な関心を持ち、南米のコロンビアにもペルーにもメキシコの民族問題にも多大の関心を持つ、そういう国になってこそ常任理事国として世界から歓迎されるのだと思っております。
アジアの意見を代表するということには必ずしも私は拘泥すべきでないと思いますし、現に国連の中で選挙のときに票集めをやって一番難しいのはアジアの票集めでございます。アフリカの五十二票と中南米の三十三票、これは日本が頼めば、日本には日ごろからお世話になっているという感じがあって日本に来るんです。アジアの票というのは、やはり日ごろ日本に調子のいいことを言っている国も、いざ投票するとなると非常にちゅうちょする。というのは、やはりアジアの国にとってもう日本からは相当経済的なプレッシャーを受けていますよと、もうこれ以上政治的に強い国ができることは必ずしも歓迎しないという気があるのだと思います。
その場合の日本に対する期待というのは、やはり中国が異常にこのごろは強くなって、近い将来スーパーパワー、アメリカと並ぶスーパーパワーになるかもしれないと。それに対する一つの抵抗力として日本に期待するという声はアジアの中にあるのだと思っております。