佐藤雄平の発言 (国際問題に関する調査会)

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○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 今国会からこの国際問題調査会に出させていただきまして、本当に今までいろんな方のお話を聞いて、ある意味では感銘を覚え、またある意味では国連の一つの絶対主義というか、これが意外にも役に立っていないところもあるなと、さまざまな思いで聞いておりました。
 その中でも、私が感銘を受けたのは緒方高等弁務官の話、これも本当に戦火に行って命さながら頑張っているあんな話を聞くと、我が日本の人もさまざまなところで頑張っているんだなと、そんな思いをしておりましたら、ちょうど今、その緒方さんが今月号のたしか文芸春秋に十年間を振り返ったみずからの手記を書いております。
 その中で緒方さんが言っていることは、東西冷戦構造が終わって難民は少なくなるかなと思っていた。ところが、全くそれが結果的には逆になって、難民の数が、これはアフリカでも東ヨーロッパ、中東、それから東南アジア、こんなにたくさん出てきていると。冷静に考えてみたら、東西冷戦構造の中でいわゆる地域的な、そしてまた民族的な、さらにはまた宗教的なことが隠れていたのかなと。
 その意味から申しますと、私はやっぱり国連の役割というのは、今までの東西冷戦構造と同時に、今後、地域紛争についての役割でさらにまた大変な役割を担わなきゃいけないんだなと。これはまた考え方によっては、東西の冷戦構造よりも国内で起きる一つの民族闘争とか宗教というのは、なかなかこれは我々の感覚、いわゆる世界一般的な常識の中では解決できない複雑な問題が絡んでいるので、これは本当にさまざまな見地から私は今後それぞれの紛争解決のために努力していかなきゃいけないんだろうと。そういうふうな意味で、国連の今日までの役割と、さらにまた次の時代にわたる大きな役割というのがまさにその地域的な紛争にあるのかなと。
 さらにまた、きょうもCO2の削減で参議院で決議をしたわけでありますけれども、次の問題というのはやっぱり環境問題、それからエネルギー・資源の問題、それからまた、先ほど佐々木先生がおっしゃいましたけれども、感染症を含めたWHOの役割、これも大変な問題があるであろうと。これは、今日までの紛争と違うというのは、国民共通、全世界の共通、また地球の大きな問題であるので、それぞれの国同士の話じゃない。特に地球温暖化については、アメリカが離脱するなんという話は、京都会議のときに参加をしていたわけですから、何といってもやっぱりアメリカというのは国連の中で最大の影響を及ぼす国なので、この地球環境についても真摯に国連中心に頑張ってもらわなきゃいけない。
 それはホーキング博士が、あと一千年しか地球はある意味ではもたないであろう、災害もしくは温暖化によって住めなくなってしまうと。本当にこれは、失われた自然はもう取り戻すのはできないと、世界周知のことなわけですから、私は地球環境、これを今後の課題の中の最大課題として取り組んでもらいたいと思いますし、またエネルギーの問題も、これも化石燃料、いわゆる油についてもある程度の、五十年、六十年という限界があるとまで言われているわけでありますから、そういうふうな中で世界の経済成長というか経済活動というものもある意味では国連がコントロールするというか、要するに十年、二十年の経済成長をも国連主導になるぐらいの状況じゃないと、これもいずれ枯渇する話になって、人類の存亡、生物の存亡にかかわる問題になるんじゃないかなと。そんな思いをして、いわゆる今日の問題でもあるし、また将来の問題でもある、これはもう国連しか解決できない、一国、二国では解決できない問題なので、そういう意味でも大きな国連の課題であるなと。
 さらにまた、私はこれを解決するというか、いい方に導くには、やっぱり国際的な一つの理念ということをつくることが大事だと思うんです。いわゆる市場社会の中ではやっていけない国際的な理念。
 今度の教科書の問題にしても、日本からすれば、何で中国、韓国から言われなきゃいけないんだと言うし、中国、韓国から言わせれば、歴史の史実を曲げられたら困るという。お互いがぶつかり合う中でどこかやっぱり調整というかそれが必要なわけですから、環境問題、資源問題についてももちろんでありますけれども、国際間の一つの統一見解的な理念を創造するということはうんと私は大事だと思うので、これも今後の国連としての大きな課題に挙げていただきたいと思います。
 それとまた、これはクローンの話、これもまた個別になるんですけれども、クローン人間をつくっちゃいけないという法律が昨年日本の国内ではできました。紀伊国屋で出版している本の中で、「クローン無法地帯」という本があるんです。これを読むともう本当に末恐ろしいというか、そのコピーがそれぞれ開発途上国で売っておりまして、だれがいいですか、これがいいですかと、それぞれの同じ染色体を持ったものを売買している。これは力の強いものとか、ずば抜けて才能のある、頭のいいものとかそんなのを売っている姿を、これはバーチャルですけれども、これを見ると本当に恐ろしいし、しかも先般も、アメリカであと二年以内にクローン人間をつくることが可能になってきたと。
 これもやっぱり私は、これはある意味ではもう日本が中心になるべきだと思うんですけれども、それはなぜかというと、日本は東洋文化、西洋文化、両方を持っておりますから、人の生命の尊厳、それから日本流で言う寿命なんというふうなこともある意味では容認できる感覚を持っているんで、あくまでも西洋医学的な感覚の中でないものというのは生命倫理にもあると思うし、人間の尊厳というふうなものにもあるので、私はその理念もそういう意味でも必要であると。
 さらに国連の中で、オリンピックはあるけれども、文化の祭典というのが世界にないんです。これも去年の十月、中国に林義郎先生の訪中団で行ったんですけれども、話していると、いろいろ外務省もやっているんだけれどもなかなかその功を奏していないということが現実なんですが、つい町中に出てカラオケ屋に行ったら、今中国で一番人気があるのは宇多田ヒカルという話であって、やっぱり文化というのは、要するに外交政策というふうなフォーマルなものじゃなくて、今のインターネットの社会、これだけ情報文化の社会になるとリアルタイムに日本の文化というのは歌で実は中国人民の中に入っていけるんだなと。
 そんなことを思うと、やっぱりいろんな思想を超越した中で、私は文化、芸術というのは超えられるものだと思うので、国連の、中でも文化、芸術の振興、それでしかも各国間のそういうふうな向後、連帯感というか、そんなことも必要ではないかなと、そんな思いをしております。
 国連の今までの役割、そして今の当面の問題、さらにまた将来の国連の課題ということで、私なりのその意見を述べさせていただきました。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 佐藤雄平

speaker_id: 18323

日付: 2001-04-18

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会