今井澄の発言 (国際問題に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○今井澄君 私は、安保理の常任理事国入りの問題を中心に意見を述べさせていただきます。
まず最初に、二十一世紀初頭に当たって、これはもうある意味で常識的なことだと思うんですけれども、二十世紀の反省に立って二十一世紀はどうあるべきかということでやっぱり国連のあり方、国連改革についても考え直すと。
夢ばかり言ってもなかなかそうはいかないという現実あるいは過去の繰り返しだったわけですけれども、やっぱり世紀の変わり目というのは、ある意味でいったら、だからこそこれからはこうあるべきだという視点に立って考えるべきいいチャンスだと思います。そういう意味では、まさに国連がつくられたのは平和のためにつくられたわけですけれども、先ほど佐藤委員、山内委員も言われましたように、いわゆる軍事的な安全保障の問題、そういう平和の問題を超えて活動が広くなっているわけですから、そういう視点から国連のあるべき姿、改革をもう一度見直すというのは私は大賛成であります。
そういう視点に立って考えたときに、やはり安保理の常任理事国になるべきかどうかということについて、より大きな貢献をしよう、しかもそれだけの経済力や技術力を持っていれば当然常にその方針を決めていく、あるいは行動する中心のところにいるべきだということについて私は常識だと思うんですね。ですから、安保理の常任理事国になることについて、私は常識として当然そう考えていいだろうというふうにまず思います。
それで、憲法違反云々の問題について、私は必ずしも、軍事参謀委員会云々で何か事が起こったときにそれに日本も軍隊を持っていってやらなきゃならないから憲法違反だというふうに、そんな一対一対応のものではないと思いますので、もうちょっと柔軟に、日本はこういう平和憲法を持ち、しかもこれだけの経済大国、技術大国でありながら核兵器を持たずに非核三原則を掲げているとか、こういう特徴を生かした意味で私は活動すべきだと思うんです。
ただ、現実に、それではそれが国連改革の、あるいは我が国の国連活動の最重要課題として安保理の常任理事国入りを目指して活動すべきかというと、私は極めて疑問を持ちます。
なぜかというと、さっき二十一世紀を迎えて夢を持ち理想に向かって進むべきだと言っておきながらちょっと言い方が矛盾するかもしれませんけれども、現実に、じゃ日本が常任理事国になれるのかどうかということについては今非常に難しい。日本だけの問題じゃなくて、日本を支持してくれるかどうかの問題じゃなくて、例えばイタリーの動きだとかカナダの動きだとかいろいろあって極めて難しいという現実がある。しかも、もう一つは拒否権の問題があるわけですね。私は、拒否権というのはなくしていくべき、これが国連改革、安保理改革の一つの大きなことだと思うんですけれども、しかし、そこのところがアメリカなり中国なり、そういう国益との関係でなかなか難しい。
そういう中での常任理事国入りも、今コーヒー・クラブとか何かあって非常に難しい中で、例えば、参考人の中からも意見が出ましたけれども、常任理事国に入っていないと情報がとれないんだとか、何か仲間外れみたいだと、私はそういう発想での常任理事国入りがどうも、言ってみれば官僚主導といいますか、外務省主導のそういうものが今まで余りにも前面に出たことが日本のイメージを悪くしている、むしろ日本は本当に着実に実績を積み重ねる中からやっていくべきだと思うんです。
かといって、私は、自然に尊敬されるようになったら入ればいいじゃないかと、そういう考え方もおかしいと思いまして、やっぱり国際社会というのは、そういう問題じゃなくて、自分はこういう意思を持って入りたい、やりたいというふうに言わなければできないわけですから、それはそれでみんなが推してくれるのを待っていようよというんじゃこれは方針にはならないと思いますけれども、しかし、やはり今までのやり方というのが、そういう意味では間違ったというか偏った、あるいはどうもちょっとおかしな視点からの常任理事国入りの運動だったように思います。
むしろ、今、先ほどからのアメリカの動きにも論評があるように、一国の国益あるいは国運というふうなことでの動きが強まってきている。日本についても、アメリカの働きかけは、ヨーロッパのイギリスのように何も言わずにいつも一緒に行動してくれるパートナーになってほしいみたいで、私は非常に嫌なんですけれども、そういう意味では、もっともっと地域の集団安全保障とか地域における人間の安全保障とか、日本ができるところから、あるいは世界が手を引いているアフリカの問題とか、そういうことに力を注ぐ中からやっていくべきだと思いますし、参考人の中にもいろいろありましたけれども、差し当たってARF、ここに力を入れていくことの中からきちっとやっていくべきで、当然理事国入りは日本の中長期的な戦略としては目指す、それで、差し当たっては確かに非常任理事国の選挙があればそのたびに立候補するというのは私は当然のことだと思うし、やっぱりそういう形で前向きに進むべきだと思っております。
以上です。