高橋令則の発言 (国際問題に関する調査会)
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○高橋令則君 自由党の高橋でございます。私の意見を申し上げます。
まず、東アジアの安全保障についてであります。
東アジアは我が国の安定と繁栄にとって極めて重要な地域でありますが、政治経済情勢については必ずしも安定せず、常に将来への期待と不安で交錯しています。
二十世紀の最後の年で、半世紀にわたる厳しい対立状況が続いてきた朝鮮半島に平和到来の期待が出てきました。朝鮮半島は、冷戦後の東アジアにおいて武力紛争の発生が極めて懸念された地域でありましたが、昨年六月の南北首脳会談の前後から、北朝鮮は諸外国との関係正常化を目指す積極的な外交を展開してきました。しかし、朝鮮半島に長年続いてきた対立構造が短期間に平和と安定の構造へと転換するという性急な期待を抱くことはできず、この先行きはまだまだ不透明だと思っております。
中国においては、WTOの加盟を目指して世界経済に積極的に参加する意思を示しており、改革開放政策を推進し、国際環境の安定を志向するものと期待されます。しかし、これに伴う失業問題の深刻化や一党支配に根差す腐敗の構造化など、深刻な国内問題を多く抱えています。
台湾問題は、国内問題であるだけではなく、米中間の重要な対立要因となってきていますが、解決の糸口は見つかっていません。
また、地域の安全保障にとって懸念されるのは、金融危機で最大の打撃を受けたインドネシアの混乱であります。インドネシアは人口が多く、資源も豊富な東南アジアの中心的な国家であり、戦略的にも重要な位置を占めています。インドネシアの安定は、東南アジアのみならず、東アジア全体の安全保障にかかわる重要な問題でもあります。
これら三カ国を初め東アジアの国は、安全保障の問題と、そしてまた民族、宗教、領土など固有の問題など、不安定要因をそれぞれ抱えています。しかし、一方では、東アジアの安定にとっては経済発展と地域協力が重要であるという認識は各国間で共有されているようになってきています。
近年、軍事的に目立った事件がなく静かで、懸念された米国と中国両国の関係も緊張が緩和される方向で進んできました。しかし、最近になって米中軍用機の接触事故が発生しました。終局的には米中ともに両国問題を決定的に悪化させる事態にはならないのではないかと思っていますが、これを見ると、米中関係については、偵察機の返還、台湾の陳総統の訪米問題などによってこの両国間の不信感あるいは緊張感が高まる懸念もあります。
東アジアの安定のためにはアメリカの存在が極めて重要でありますが、ブッシュ新政権の東アジア政策が徐々に明らかになってきています。前政権との相違が出てきておりますが、これを注意深く見きわめ、適切に対応する必要があると思います。
東アジアでは、経済的な相互依存関係の高まりによって地域の一体感が生まれてきています。この一体感を強化し、東アジアを経済的にも繁栄させるためには地域の安定化が不可欠であります。そのために、政治の安全保障の面で地域諸国間の協力が極めて重要となってきています。
我が国は、最も大切なパートナーであるアメリカとの緊密な関係を保ちつつ、東アジアの各国の信頼をかち得ることができるよう責任と役割を明確にし、今まで以上に前向きな努力をしていかなければならないと思います。アジア太平洋地域の唯一の全域的な政治・安全保障対話の枠組みであるARFが今後重要な役割を担っていくものと思われますが、我が国としては、日米安保体制を基軸としつつ、ARFにおける相互理解の増進と信頼関係の醸成に努めていくことが必要であると思います。
次に、我が国外交のあり方についてであります。
冷戦構造の崩壊後、国際的な相互依存が深まる一方、民族、宗教、領土、資源などを背景として地域紛争の可能性が高まり、国際関係は複雑化し、不安定な時代に入ってきています。一方、経済活動については地球規模で展開されるようになってきており、世界の平和と安定なくして成り立たなくなってきております。世界平和と安定こそ最大の国益であります。我が国は、世界の平和のために主体的かつ積極的に取り組んでいかなければならないと思います。
第一に、志のある外交であります。
今や安全保障、経済活動、環境問題など、あらゆる分野において地球規模の相互依存関係が強まってきています。これまでのように日本だけが常に受益者の立場で自己中心の経済的な豊かさを追求できる時代は終わりました。我々は、憲法の前文で規定しているように、国際社会において謙虚にして誇り高い国として繁栄を維持していかなければなりません。そのために、自己を律し、他者に気を配り、国際社会において協調していくことが必要であります。
さらに、諸国民の尊厳をお互いに認め合いながら、それぞれが自国の歴史の中で培ってきた伝統、文化、技術を人類共通の遺産として共有すべく、国際交流を進めるべきであります。
具体的には、まず国連中心の平和外交と国連改革を推進します。すなわち、国連平和活動の積極的な参加、国連改革・機能強化及び旧敵国条項の廃止、そして安保理常任理事国入りの実現を図るべきであります。
日米関係については、一層信頼関係を構築するよう努力するとともに、軍事面のみならず、経済面、文化面を含めた幅広い日米協力関係を基軸として、国際社会の諸問題の解決を積極的に推進すべきであります。
アジア地域については、特に国民間の相互理解を一層深め、その平和と安定の維持に全力を挙げ、経済、開発、環境等の諸問題の解決に積極的に貢献していかなければなりません。朝鮮半島の平和的統一への支援、心の通じ合う日韓協力、グローバルな視点に立った日中協力、ASEAN、APEC等の多国間地域機構を通じて、アジア諸国間における政治的、経済的協調体制の確立を目指すべきであります。
北方領土については、四島返還を踏まえた日ロ協力を推進すべきであります。
第二に、責任ある安全保障についてであります。
安全保障に関する基本原則を定め、我が国の安全保障の基本方針を内外に宣明するとともに、日米同盟の信頼性の向上、それから有事法制の整備によって国民の生命と財産を守るべきであります。そのために、集団的安全保障についても、解釈、そしてまた最終的には憲法改正をクリアして取り組んでいかなければならないと思っております。
国連を中心とする平和維持のために、国連憲章に基づく常設の警察軍を速やかに創設することとし、実現するまでの経過的な措置として、経済力のある国がそれぞれの負担で国連に部隊を提供し、常備軍として編成することを国連に提案したらどうか。我が国はそれに沿って自衛隊とは別の組織をつくり国連に提供する、こういうことがいいのではないかと考えております。
以上であります。