宮澤喜一の発言 (財政金融委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 事情をよく御承知でいらっしゃいますので、まさに御質問のあたりが当面の焦点だと私も思っております。
今年度の経済成長、結局私は一・二という政府目標は達成できると思っておりますし、やがて企業の好調が家計に移ってくるということは時間の問題で、それが長くかかっておるということだろうとも思いますので、さしずめ一—三というのは、ほかの事情もありまして、私は割に楽観をしてよろしいのだろうと思いますが。
そこで、今、林委員のおっしゃいましたように、設備投資の方は期待より早く、振り返ってみると昨年の初めごろから攻勢に転じていたようで、かなり好調を続けておりますし、また企業利益も非常に上がってきているということ等も、家計には恐らくやがてという期待を抱かせますが、それはそれとして、しかし設備投資が早く始まっただけに、これはやっぱり一定の時間が来ますと、そうどんどん上がり続けるわけにもいかないということが、例えば今おっしゃいました一月の機械受注が少しよくないんじゃないかというようなこと、そうすると、夏過ぎるごろに、設備投資もそうどんどん走ってばかりはおられないと、そこらあたりで家計の方が回復をしてくれますと大体勘定が合うわけですが、そういうところに今我々はおるだろうと思います。
しかし、そういう多少手間どっていることもありまして、国民が財政について心配をしておられることはもっともなことであって、私としてはもとより以前からそのことには気がついておりましたので、一つは、御審議いただいております十三年度予算では、ともかく公債発行を前年度よりも減らしたいと。これはある意味で象徴的なもので、四兆円程度のことではあるけれども、しかしもう公債発行はピークを過ぎるのだということをひとつ何とか実践したいという思いがありましたから、しかし十三年度予算は片方で公共事業予備費も少し組んでいまして、やや両にらみにはなっております。なっておりますし、公共事業の九兆四千億を維持しておるのではあるけれども、国債発行は減らしたというようなことをやっております。
他方で、財政再建についての本格的な取り組みでございますが、経済成長がプラスの軌道に乗るということを何とか見届けたい。そうでありませんと、国税収入そのものが見通しを達成できないというようなここしばらくのことでは、これは再建のそろばんができないわけでございますが、幸いにして十二年度ではしばらくぶりに政府の国税収入見積もりを達成する、あるいはオーバーするというような状況が出てまいりました。
これだけでは少し心もとのうございますけれども、しかしまあ国税収入の見積もりぐらいは大体できるようになったということと、ぼつぼつながらも成長がプラスになってきたということ、そういうことを見ながら、先般から、昨年の秋ごろから申し上げておったと思いますけれども、経済財政諮問会議が発足いたしましたら、そこでマクロモデルをつくってもらいたいと。そのマクロモデルをつくることによって、財政といいましても税制もあり、国、地方の行財政のこともあり、なかんずく社会保障諸施策がございますから、それらを突っくるめたマクロモデルでシミュレーションをやって、言葉のつじつまだけではごまかせないようなところへ我々自身を追い込んでいくと申しますか、どうもそれしか方法はないのではないかということを思っておりましたが、先般、経済財政諮問会議でその議論をいたしまして、内閣府の経済研究所、もう少し長いんですが、昔の経済研究所でございます、ここにはノウハウがございますし、新鋭の所長も迎えて、そこへそういうマクロモデルの構築を指示いたしたわけでございます。
それで、大体、所長のお話では、やってみないとわからないけれども、半年ぐらいでマクロモデルができるんではないかと。これは先月ごろの話でしたでしょうか、ですから夏ごろだなと思っておるわけでございます。そういたしますと、そこからシミュレーションの議論に入れる、大体そういうふうな時間割を考えております。
ただし、日本経済が何か突然のことが起こらないという前提でございますが、まあそういうことはなかろうと思いますので、ほぼそんなことを考えておりまして、それからがなかなか甲論乙駁、大変なことになるのでございますが、しかし、そうしなければこの議論ははかがいかないわけでございますので、そういうふうに思っております。