中村利雄の発言 (財政金融委員会)

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○政府参考人(中村利雄君) 三点ほどお尋ねがございました。
 まず、第一点の特別保証制度でございますが、本年三月末の保証申し込みをもって終了いたしました。最終的な承諾額はまだ確定しておりません。一部にまだ審査中のものがございます。したがいまして、五月二十五日現在の数字でございますが、百七十二万四千件、二十八兆九千四百億円の保証承諾をいたしまして、広く中小企業の方々に御利用いただいているわけでございます。私どもとしましては十分な成果を上げたというふうに判断しております。
 保証承諾額に対しまして代位弁済に至りました額の割合は、四月末現在で二・三三%となっております。現時点ではまだ低い水準というふうに認識いたしておりますが、今後増加する見込みでございまして、今後の景気動向とあわせまして十分注意していく必要があると考えております。
 また、本制度に係る回収につきましては、まだ始まったばかりの段階でございまして、通常、中小企業の場合は十年以上の長期間を要して回収していくということでございます。したがいまして、現時点の回収実績の数値をもとに評価することは必ずしも適当ではないというふうに考えておりますが、本制度に係る四月末時点の回収額は二百九十七億円、代位弁済額に対する比率は四・四二%でございます。
 信用保証協会の求償権は無担保保証が中心でございまして、非常に累増しているわけでございます。今後の回収率向上のために信用保証協会におきましても新たに債権回収体制を強化いたしまして、債務者の状況を踏まえた適切な回収を行うために、回収業務に特化しました債権回収会社、サービサーでございますが、名前は保証協会債権回収というものでございますが、を設立いたしまして、四月十日からその業務を、回収を始めているところでございます。
 昨年の臨時国会で中小企業信用保険法の改正の際にこのようなことができるような体制を整えていただきまして、その際、いろいろ附帯決議もございます。その附帯決議を踏まえまして、適切に回収に努めたいというふうに考えております。
 第二点が、オフバランス化の促進に伴う中小企業への具体的な影響でございます。
 不良債権の処理の手法とか対象になる企業によって影響度合いが異なるためなかなか定量的な把握が困難な面がありますが、直接または間接的に影響を受ける懸念を私ども有しておるわけでございます。このような認識のもとに、間接的な影響として、関連中小企業が連鎖倒産の危険など経営の安定に不測の支障を生じないよう、特別保証制度の期限到来も踏まえまして、昨年の法改正で拡充されました金融面でのセーフティーネット対策を今後とも適切に運用してまいりたいと考えております。
 具体的な対策でございますが、第一には倒産企業に売り掛け債権等を有する中小企業の連鎖倒産防止対策でございます。
 これにつきましては、第一に、政府系金融機関による運転資金の別枠かつ低利の融資がございます。
 それから第二に、中小企業信用保険の別枠化、これは無担保保証の限度額を八千万に上げました。その効果としまして一億六千万まで無担保で保証されるわけでございますが、そのような特例措置を用意いたしております。
 それから第三に、中小企業倒産防止共済に加入しています中小企業につきましての無担保無保証での貸し付け、このような措置がございます。
 さらに、不良債権処理の対象となります企業の事業活動の制限により影響を受ける取引先中小企業、つまりリストラに遭って影響を受ける中小企業あるいは周辺地域の中小企業、これはそごうのケースを念頭に置いて要件を緩和したわけでございますが、これらの企業についても、中小企業信用保険法の別枠化、先ほどの八千万から一億六千万円の措置の対象としたわけでございます。
 さらに、最近の経済環境の変化等によりまして売上高の減少等の影響を受ける中小企業に対しまして、政府系中小企業金融機関による運転資金の別枠での融資といった施策を行っているところでございまして、これらの措置を適切かつ弾力的に行うことによって、セーフティーネットを構築して十分な措置をしていきたいというふうに考えております。
 加えまして、直接的な影響を受け、民事再生手続等の再建型倒産手続に入った企業に対します資金供給、いわゆるDIPファイナンスでございます。これにつきましても、政府系金融機関が取り組むことについてはモラルハザードを防止する等の適切な対応に留意しまして、こうした措置によりまして、企業の再建を可能とする環境整備を行うということを現在検討しているところでございます。
 それから第三に、中小企業についての今後の金融のあり方でございます。
 中小企業に関しましては、大企業に比べまして、デフォルト率、債務不履行率に関するデータ等の情報の蓄積がいまだ十分になされていないために、金融機関が信用リスクを適正に把握できずに、担保となる資産を十分に有しない中小企業は、必要な資金を容易に調達できない状況があるというふうに私ども認識いたしております。
 中小企業に対する円滑な資金供給を図るためには、政府系、民間金融機関を問わず、債権保全の必要性を念頭に置きつつも、担保主義を前提とした融資手法を見直し、中小企業の事業内容に着目した融資を行うべきと考えております。
 現在、経済産業省といたしましては、信用保証協会、政府系金融機関及び民間機関が有します取引先企業情報をもとに、中小企業の信用リスクに関するデータベース、CRDと申しておりますが、を構築するプロジェクトを推進いたしておりまして、四月から試行的な運用を開始したところでございます。
 今後、データの拡充及びシステムの機能強化を通じまして、中小企業の信用力について信頼性の高い評価が行われ、中小企業の資金調達環境が改善されることをこれによって期待しているところでございます。

発言情報

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発言者: 中村利雄

speaker_id: 3394

日付: 2001-05-29

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会