武部勤の発言 (農林水産委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(武部勤君) まず最初に、太田委員長を初め農林水産委員会の諸先生に、極めて厳しい日程の中、農林水産省関係の法案について精力的な御審議を賜りまして、このたびも、林業基本法外二法につきましても、大変御無理な日程の中で御協力をいただいておりますことに敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 また、今、岸先生から御指摘ございましたように、経済財政諮問会議の当初示された項目を見ますと、私どもも唖然とした次第でありまして、これではいけないということで、総理の所信表明の、自給率の向上と循環型社会の実現に向けて農林水産業の構造改革と農山漁村の新しい可能性を切り開いていくという、総理みずからが国民の前にメッセージとして送ったこのことの裏づけをきちっと経済財政諮問会議で明示すべきだということを、私も経済財政諮問会議の臨時議員でありますけれども、機会あるごとにそういったことをお話しさせていただきました。
 その中で、今先生がお示しになりましたヒューマンセキュリティーということにつきましては、当初の案ではまだ水は入っておりませんでしたから、先生が読み上げたところの案文では水ということは入っておりませんが、水もしっかり入りまして、環境や水、食料の確保など、ヒューマンセキュリティーについて明記された次第でございます。
 さらに、「地方自立・活性化プログラム」という部分で、私どもがお示しいたしました食料の自給率の問題、また農林水産業の構造改革の問題、さらには今後の農山漁村の新しい可能性ということについて、都市と農山漁村の共生と対流ということを通じて、おいしい水、きれいな空気に囲まれた豊かな生活空間の確保を図る、そして結果として美しい日本の維持、創造を図るということがきちっと示されたということは、これは先生方の御支援にもよるものでありまして、大変ありがたく思っているわけでございます。
 この委員会でも私しばしばお話しさせていただきましたが、私どもの仕事というのは、自然の恵みに感謝し、自然の脅威を恐れるという謙虚な気持ちというものを原点にいたしまして、森と湖は命のふるさとであり、美しい山々、美しい海や川、美しい町並み、美しい空間、そして美しい田園、美しい心、美しい言葉とか、二十一世紀に目指すべき日本の方向というのは、一言で言うならば美しい日本ということではないかということについては、かなりこだわりを持って総理にお話をさせていただきました。
 よもや「美しい日本」という言葉がそのまま入るとは、正直申し上げまして、私はそこまでは考えていなかったのでありますけれども、このことが明記されたということは、農林水産省といたしましては、私がお示ししました食料の安定供給と美しい国づくりに向けてというようなことで、今後の我々の使命とかあるいは課題ということについて、そういう方向づけを目指して努力していこうということに対しましても非常に勇気づけられることでございます。
 ただ、先生がいみじくも御指摘になりました公共事業の問題でございますが、このことにつきましても私ども、循環型社会の構築に向けて、従来型の公共事業ということから自然共生型の公共事業といいますか、環境修復、改良、創造といったような、環境に配慮したそういった進め方に大きく転換していこうということも、この委員会でもお示しさせていただいているわけでございますが、同時に、今度の財政諮問会議で方向づけられている一つは地方分権ということが色濃く出ております。したがいまして、新しい村づくりといいますか、農山漁村の構築につきましても、これはやっぱり地方と一体となって進めていくというような考え方が底流にあると、このように思っております。
 したがいまして、単に「公共事業から公共事業以外の政策手段へシフトしていくことが必要である。」、こういうふうに示されておりますが、正確には、従来型の公共事業から新たなる公共事業や公共事業以外への政策手段と、さまざまな政策手段を駆使して我々の農林水産業の構造改革や農山漁村の新しい可能性というものを展望していくべきだということでございまして、この点につきましても、正直申し上げますと、我々少しこだわりました。
 「必要である。」という断定的なことでなくて、そういうシフトをしていくことについての検討をすべきではないかというようなことを強く主張したわけでございますが、最終案はこういうようなことになっているわけでございますが、しかしこれは決して政策の後退ではありませんで、我々としても、今までの考え方というものから新たなる観点で農林水産行政というものを、あるいは農林水産にかかわる公共事業なども検討していかなければならないと、かように考えている次第でございまして、御理解と御協力をさらにお願い申し上げたいと思います。

発言情報

speech_id: 115115007X02320010626_006

発言者: 武部勤

speaker_id: 7886

日付: 2001-06-26

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会