亀井郁夫の発言 (文教科学委員会)

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○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。
 きょうは、先生方にはお忙しい中おいでいただきまして、貴重な御意見をちょうだいいたしましたことを心からお礼申し上げたいと思います。
 私は、申すまでもなく、最近の学級崩壊等大変教育の現場が荒れているわけでございますけれども、そういう状況の中で、二十一世紀最初のこの国会で、教育国会として教育関係について幾つかの法案が出されておるわけでございまして、そういう意味では、この標準法は学校の先生の数を決める等、骨格を決める非常に重要な法案でもあるわけでございますけれども、これについていろいろとお話をちょうだいしたわけでございます。
 特に、今は四十人学級でございますけれども、これを三十人にすべきだ、二十五人にすべきだというお話がいろいろあったわけでございます。日本の場合、調べてみますと、確かに四十人を限度とするという形でございますけれども、実際に一学級当たりの生徒の数というのは、小学校では二十七人、中学では三十二人です。イギリスなんかでも二十七・六人ということで、そんなにむちゃくちゃに離れているものではありませんし、また教員一人当たりの児童生徒数を調べてみますと、日本の小学校では十九・二人、中学校では十六・四人、高校では十四・六人という形で、アメリカの小中の十八・六人あるいは中等学校の十四・二人、こういうのに比べましてもそう差がないわけでございます。
 そういう意味では、さらにまた今度生徒が減る分に見合う教師の減少を、減らさないでふやしていってやろうというのが今度の案でございますけれども、事実を考えますと、やっぱり先生の数ということもさることながら、指導体制がこれでいいのかということだろうと私は思うわけで、そういう意味では、今度は生活集団であるクラスと学習集団と分けて、それについて考えていこうということで、生活集団のクラスは四十名に置いても、学習集団については弾力的に編成していこうということで、そういう意味では二十人授業も実現しようという形で考えられているのが今回の法案だと思うんですけれども、こういう点についてお尋ねしたいと思うんです。
 私は、こういった問題以前にぜひ先生方にお尋ねしたいと思うのは、学校の教育風土の問題なんです。教育風土の問題について考えてみますと、戦後の教育で個人の尊厳ということが非常に大事にされたと。確かにこれは大事なことで、すばらしいことでありますけれども、反面、生徒と先生というのが平等ということで、先生に対する尊厳というものが、尊敬というものがなくなってしまったことに大きな問題があるんじゃないかなと私は思うわけでありまして、そういった教育風土がやはり学級崩壊等を招いているんじゃないかなという思いもするわけでございます。
 古いかもしれませんが、私たちは三歩下がって師の影を踏まずという形で先生は尊敬するものだといって教えられ、尊敬してまいりましたし、卒業式には仰げばとうとし我が師の恩という歌を歌ったんですが、最近ではそういう歌を歌う学校は全くないようでございます。
 また、よく教壇に立つと言いますけれども、先生が教壇に立って我々は教えてもらったんですが、今では先生と生徒が平等だという考え方なんでしょうね、教壇のある教室は全く見当たらないのが実態でございまして、そういう意味では先生が子供の目で視線を低くして見られるということは非常に大事なことではございますけれども、しかし教える立場、教えられる立場、それぞれの立場をしっかり先生も子供も理解し合って、そして教える人の心、教えられる人の心というものを見詰めていく、そこの中で結ばれた現場というものができていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、そういう意味では教育風土が非常に問題だろうと思うんですね。
 もう一つ教育風土の問題については、学校の現場では先生方は、新米の先生でもベテランの先生でも平等だということでお互いに上下関係はない、もちろん権力関係の上下関係はないんですが、それ以外の方の非権力的な関係についても上下関係はなくて、そういう意味では主任制ももちろん定着しておりませんし、非管理組織となってしまっているという状況の中で、先生は自分の担任のクラスに閉じこもって、そこで王国を築きやすくなっているという、これも実態ですし、先生が相互に研さんし合うというふうな場面もなかなか少なくなってきておるわけでございますけれども、そういう意味ではこうした教育風土を変えなきゃならぬのじゃないかなと。もちろん、数を減すことも大事なんですけれども、それ以上にそういうことが私は大事ではないかなと思うんです。
 きょうは教育学部の先生がお二人と評論家の先生がおられますので、こういう教育風土の問題についてちょっとお教えいただければと思うんですが、ひとつよろしくお願いいたします。

発言情報

speech_id: 115115104X00620010329_008

発言者: 亀井郁夫

speaker_id: 2494

日付: 2001-03-29

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会