遠山敦子の発言 (本会議)

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○国務大臣(遠山敦子君) 佐藤議員の御質問にお答え申し上げます。
 御質問への答弁の前に、大阪教育大学附属池田小学校の件では、ただいま総理がお話しになりましたとおりの姿勢で対処してまいりたいと思っておりまして、文部科学省といたしましては、目下、関係者の心のケアの問題そして学校再開に向けての必要な措置について、全面的にこれをサポートしていきたいと思っております。
 同時にまた、全国の小中学校での安全確保につきましても、私どもも、地域の取り組みをサポートしながら、全力を挙げて日本の学校が安全にかつ安心して過ごせる場所になるために努力をしてまいりたいと思いますので、どうぞ先生方の今後の御指導及び御支援をお願いしたいと思います。
 御質問の件でございますが、第一に、指導が不適切な教員に関し、地方公務員法の活用及び任命権者の責任についてのお尋ねでございますが、教員の職務は児童生徒の人格形成に重大な影響を与え得るものでありますことから、指導が不適切な教員への対応は適切な教育を確保する上で大変重要な課題であります。
 このような観点から、指導が不適切な教員のうち分限処分に該当する者につきましては、これまでどおりその処分を行うべきでありまして、本法律案の措置の対象からは除くことといたしておりまして、今回の改正では、分限処分に至るほどではないものの、指導が不適切な教員を対象にすることとしております。
 都道府県教育委員会は、指導が不適切な教員が生じないように、当然のことながら、採用、研修等を通じて教員の資質能力の向上に努めることが必要でありますとともに、このような教員が生じた場合には、指導に当たらせないよう、分限処分や本法律案の措置等を適切に行うことによって責任を果たすことが必要と考えております。
 また、客観的な基準や判定審査等についてのお尋ねでございますが、まず、本法律案の措置を適用する場合の基準については、その対象となる教員の要件を法律上明示しているところであります。また、この措置が適正かつ公平に行われますように、要件に該当するかどうかを判断するための手続について、教育委員会規則で定めることを法律上義務づけております。
 この手続の具体的内容は、各都道府県教育委員会が定めるものではありますが、我が省といたしましては、必要な手続として、判定委員会を設けることなどを指導してまいりたいと考えております。
 さらに、不適切教員についての措置が不服申し立ての対象となるかという点につきましては、本法律案の措置について不服がある場合には、地方公務員法第四十九条の二に基づいて、人事委員会に対し不服申し立てを行うことが可能であります。
 続いて、今回の措置は教員を萎縮させるのではないかとのお尋ねでありますが、本法律案においては、措置の対象となる教員を、児童生徒に対する指導が不適切であること、研修等必要な措置が講じられたとしてもなお指導を適切に行うことができないことのいずれの要件にも該当する者に限定するとともに、要件に該当するかどうかを判断するための手続について、教育委員会規則で定めることを義務づけております。
 本法律案は、このような内容を盛り込んだものでありまして、児童生徒に対する適切な教育を確保することをねらいとしたものでありまして、教員を萎縮させるものではないと考えております。
 次に、高等学校の通学区域についてのお尋ねでございますが、今回の改正は、地方分権を一層進めるという観点に立って、通学区域の設定につきましては各教育委員会の判断にゆだねることとしたものでありまして、これによって学区の拡大や全県一学区をねらいとするものではございません。
 一方、これからの高等学校教育におきましては、多様な生徒の実態に対応して、生徒の個性を最大限に伸ばすために、多様な特色ある学校づくりが必要でございます。各教育委員会におきましては、それぞれの地域の高等学校教育のあり方を基本に置きながら、地域の実情を十分に踏まえて適切に対応されるものと考えております。
 さらに、出席停止についてのお尋ねでありますが、問題行動の原因、背景につきましては、さまざまな要因が複雑に絡み合い発生していると考えられます。このため、問題行動の対応に当たりましては、学校において全教職員が一致協力して生徒指導に当たりますとともに、家庭や関係機関と十分連携するなど、日ごろからの生徒指導を充実することがまずもって大事なことは、まさにそのとおりと考えております。
 しかしながら、学校が最大限の努力を行っても解決せず、他の児童生徒の教育が妨げられている場合には、出席停止とすることも必要であります。今回の法改正は、この出席停止制度について一層適切な運用を期するものでございます。
 次は、教員の実践例の共有についてのお尋ねでございますが、問題行動への適切な対応を進めるために、文部科学省や教育委員会では、従来から、学校におきます取り組み例などの普及に努めてきたところでございます。問題の解決には、もとよりそれぞれの学校が工夫をし、そしてそれぞれの実情に照らした取り組みを行うことが大切でございますが、しかし、実践例を共有していくことは、御指摘のとおり大変大切なことであると考えます。
 そのために、今後とも、国立教育政策研究所の生徒指導研究センターが中心となって、問題行動の背景、要因や効果的な取り組みなどについて調査研究を進め、学校現場に対し実践例や研究成果を提供するよう一層努力してまいります。
 飛び入学についてのお尋ねでございますが、今回の法改正をしましても、高校を卒業してから大学に入学するのが原則という現行制度の基本が変更されるものではございません。また、これまでの実施状況からいたしましても、大学側のしっかりした受け入れ体制や高校側との密接な連携など、適切な運用が確保されますれば問題はないものと考えております。
 さまざまなすぐれた資質を持つ子供たちの才能を伸ばしていくためにも、できるだけ早く法改正をしてチャンスを広げることが重要でありまして、御理解を賜りたいと存じます。
 最後に、奉仕活動についてのお尋ねでありますが、社会奉仕体験活動とは、青少年に社会奉仕の精神を涵養することを目的とした体験活動のことでありまして、ボランティア活動を含む広い概念であります。衆議院におきます修正も、このことを前提として行われたものと受けとめております。
 今回の法改正は、学校教育及び社会教育において青少年の体験活動の促進を図ることを目的としておりまして、青少年に対し体験活動を行うことを義務づけるものではございません。
 もとより、ボランティア活動など社会奉仕体験活動の実施に当たりましては、青少年の発達段階あるいは自発性に配慮したり、地域の実情に応じて多様な形で行われることが大切であると考えております。
 以上でございます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 115115254X03220010615_009

発言者: 遠山敦子

speaker_id: 31456

日付: 2001-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議