大沼保昭の発言 (憲法調査会)

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○大沼参考人 九月十一日事件をどのように解釈するかという問題でありますけれども、私は次のように考えております。
 まず第一に、この事件は、もちろんその規模において極めて重大でありますけれども、既にこの二十年明らかになっている米国に対する、あるいは米国中心の現在の国際秩序に対する怨念の蓄積、それに基づくテロリズムの攻撃というものの一つであるということであります。
 私は、先ほどの話の中で「「平和憲法」と集団安全保障」という論文にちょっと触れたわけでありますけれども、この論文を書いた一九九三年の時点で既に、これからの国際安全保障というものはそういう怨念をもとにしたテロリズムの攻撃というものを、ロシアの脅威などよりははるかに現実的な脅威として考えなければならないということを書いているわけです。そういう目から見ますと、私は、現在の米国の自衛権を根拠とした対応というものが、テロリズムを根絶してより安全な国際社会をつくる上でどれほど有効かということに対しては、かなり大きな疑問を持っております。
 私は、そういう点からいえば、日本としては、もちろん積極的にテロリズムの鎮圧に対する主体的な行動をとるべきでありますけれども、そのあり方というのは、九〇年の湾岸戦争の、言ってみればトラウマにとらわれた、あの二の舞をしてはならない、だから米国の求めるところをとにかく先に読んで恥ずかしくないような対米協力をやるんだという発想ではなくて、既に何人かの方が言っておられることですけれども、アラブ、イスラム地域で日本が持っているこれまでの財産を最大限活用して、穏健派のアラブ諸国あるいはイスラムの過激派の不安におののいている諸国に対して、さまざまな形でこれを説得し、より厚みのある対テロのコアリション、いわば連合戦線をつくり上げる、そういう努力を目に見える形でやるべきだったというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 大沼保昭

speaker_id: 13023

日付: 2001-10-25

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会