大沼保昭の発言 (憲法調査会)
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○大沼参考人 私も、個人的には中川議員のおっしゃるとおりだと思います。
これはやはり、別に貧困の人がみんなああいうむちゃな行動をするわけではもちろんないわけですし、また、宗教が違う、イスラムがみんなああいう行動をするわけでは毛頭ないわけです。ですから、それは中川議員のおっしゃるとおりなんです。
ただ、問題は、そういうふうな冷静なとらえ方をできない人たちが世界に極めて多数いる。世界の六十億のうち八割の途上国の民衆のかなりの部分が、残念ながら、中川議員が今おっしゃったような見方をするのが困難である。それは現実なんですね。つまり、中国政府としては、もちろん中川議員が今おっしゃったような考慮がありますから、内心ではざま見ろと思っていても、やはり自分の利益があって、また建前上もあって、米国政府を一応支持するという形で来ています。だけれども、中国政府のそういう姿勢とは別個に、中国のほとんどの人が、インテリからタクシーの運転手さんから、あるいはホテルの掃除をしている人も含めて、ざま見ろというふうに見てしまっている。
それはいけないんですよと、我々はもちろん言うことはできますよ。言うことはできても、そういう人が圧倒的にいるというその現実を無視して、我々が我々の見方を押しつけても問題の解決はできない。文明の対立ではないんだ、貧しい者と豊かな者の対立ではないんだと我々が幾ら言っても、向こうの側で、貧しい人たち、文明の対立だと思っている人たちがそういう主張を受け入れてくれなければ、問題は解決しないわけです。
そこの現実を我々日本としてはもっと、米国は今興奮していますから、そういうことはとても考えられないので、せめて日本がそういうことを理解して、米国の同盟国として、こういう点もあるんだよ、こういう点を考えないと問題の本格的な解決はできないんだよということを伝えるのがまさに真の友人としての日本の役割ではないかというふうに私は思っているわけです。