中川昭一の発言 (憲法調査会)
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○中川(昭)委員 何か、生の政治家が理想論を述べて、大変著名な先生が現実論を述べているような感じになりますけれども、要は、こういうテロは絶対に撲滅しなければいけない、その意思を強固に発信することが国際社会においてまず必要なことだろうと私は思います。
翻って、日本のことでございますが、あるべき姿、これは憲法調査会でございますので、より身近な我々の憲法でありますけれども、今回のいろいろなテロ対策関連法案は、根拠としては憲法前文というものを前提にしているわけでございます。
憲法前文というのは、読むと、非常に高邁なすばらしい文章でありますけれども、これは、先ほども申し上げたように、この前の大戦を終わらせて、我ら戦勝国の人民は、もう一度繰り返しますが、要するに、戦勝国の枢軸国に対するある意味では国際平和組織の再構築というふうに私は位置づけているわけであります。したがって五十三条、百七条というものが現に今も生きておるわけで、これが条文的にどの程度実効性があるのかということになれば、それはもう現実そういうことはないでしょうとか、一方では、旧ソ連時代は、北方四島の占領の根拠として使っていた時期もあるわけでございます。
そういう中で、日本国憲法、特に崇高と言われております日本国憲法の前文でありますけれども、これは一言で言えば、二度と戦争は繰り返しません、平和に生きてまいります、これはもうだれも否定することではないと思います。しかし、その前提には、諸国民の正義等に信頼してという、極端な言い方をすれば、世界の人たちはみんな平和を希求しているんだからその人たちと一緒になって名誉ある地位を占めたいんだ、つまり、人類性善説に立っているわけであります。
しかし、過去五十数年の間にいろいろな対立もありましたし、いろいろな意図があったわけでございまして、そのときに、国家間のことはあえてきょうは横に置くとして、こういうテロ、日本もあすは我が身にしてはならないという現状の中で、この憲法前文というものが、まさに先生がおっしゃるように時代とともに、原則は変わらないという前提でございますけれども、こういう予測しなかったような出来事に対しても、平和に日本が発展をしていくためには、先生のおっしゃる、ただ何にもしないという一国平和主義、孤立的平和主義だけでいいのかということに、ここ十年間の湾岸戦争あるいはまた直接的な影響を、今回二十数名の我が日本人たちがああいう被害を受けたということも含めまして、この憲法前文というものの趣旨を体するためには、どういう憲法の改正なり法律的な改正あるいは制定が必要だというふうにお考えになりますでしょうか。