松浪健四郎の発言 (憲法調査会)

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○松浪委員 保守党の松浪健四郎でございます。このような憲法調査会で発言の機会をお許し賜りましたことを大変光栄に思います。
 けさの朝刊によりますと、やっときのう、ボンで行われておりましたアフガニスタン各派の会議が合意をしたということであります。これは、申すまでもなく、国連主導で行われてまいりました。
 一つの国の政治をどのような方向に導いていくか。これは、民族自決の原則、あるいは内政不干渉の原則、これらのことを考えたときに、一つの国が、自分たちでどのような方向に持っていくかを決めることができずに、国連が主導権を握ってやらなければならないということは、本当にそれはすばらしいことなのか、それともそれは間違っていることなのか、明確ではありませんけれども、はっきりしておりますことは、内政不干渉の原則というものがある、このことを忘れることはできません。
 この内政不干渉の原則は、第二次世界大戦前の国際連盟規約でできたと言われております。同規約第十五条八項は、国際法上専ら該当事国の管轄に属する事項については、国際連盟理事会は何らの勧告をもなし得ないと規定いたしました。その後、国際連合憲章もこれを受け継ぎました。本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項については、国際連合も干渉することはできないと規定しました。もっとも、何が本質上国内管轄権内にある事項かは必ずしも明確ではありません。そのこと自体が論議の対象となり得ることでありましょう。
 国際人道法の発展に伴い、人権問題は国際的関心事になったと言われますけれども、人道的干渉が許されるのかどうか、これもまた問題であると思いますけれども、私どもは、平和主義の憲法を持っております。そして、この人道主義に基づいて、アフガニスタンの難民を、国連を通じてずっと支援してまいりました。その意味におきまして、我々は、憲法前文に書かれてあるとおり、きちんと平和主義に徹してきた、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、ボンの会議をずっと見ておりますと、ブラヒミ国連特別代表は、アフガンの和平について、そしてこれからについて、いろいろな私案を出されました。その案を見ておりますと、我々の憲法前文にありますように、選挙によって代表を選び、そして政治を行うという考え方は全く示されることはありませんでした。つまり、そのことは、アフガニスタンという国は部族主義に基づいて政治を行う国であるという認識をブラヒミ特別代表も国連も持っていたということを我々に示唆しているわけであります。このことは、我々はこれだけの平和憲法を持つ者として、民主主義というのは一体どういうものであるのかということをも同時に教えてくれているような気がします。
 アフガニスタンの政治システムは、元来、部族によって、ジルガという会議が行われました。そして、そこで部族長が決定され、部族のあり方、部族の方針、これらが決められて、そして、ロヤ・ジルガという、大部族長会議というものが設けられ、そこで決定されることがおおむねアフガニスタンの国の方針、こういうふうに決められてまいりました。そこで役員が決められる、あるいは指導者が決められる、最も正統性のあるものだ、こういうふうに言われ、それが伝統的にアフガニスタンの民主主義として機能してきたわけであります。
 この特殊なアフガニスタンの国のあり方、これを我々の憲法の価値観でとらえるとしたならば、アフガニスタンの政治のあり方、あるいはアフガニスタンの民主主義と甚だ大きく異なることに気づきます。憲法というものも、また国の政治というものも、地域によって大きな格差がある、そして、今までその国がたどってきた歴史と大きな関係がある、そういう気が私はしてなりません。
 その意味から、私たちは、幾度かの大戦を経て、そして平和を手中にいたしました。その中から生まれてきた憲法が現在の憲法だと思います。歴史も変わってまいりました、状況も変わってまいりました。経済状況も変わり、我々の日本という国が世界に果たす役割も変わってきたような気がいたします。その意味において、これらの事象を踏まえて、いかに我々の民主主義、そしてその根本をなす基本法である憲法がどのようなものでなければならないか、これを考えたときには、私は、小泉総理が発言されましたように、憲法前文と第九条の間にすき間がある。そして、そのことは、今金子委員からも指摘がありましたように、憲法違反ではないか、そうであるかもしれません。だとしたならば、国際社会にふさわしい新たな平和憲法を我々の手でつくっていくべきである、このように考えております。
 これで私の陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 松浪健四郎

speaker_id: 32577

日付: 2001-12-06

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会