伊藤公介の発言 (憲法調査会)
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○伊藤(公)委員 自由民主党の伊藤公介でございます。
中山先生から、前文についての大変含蓄のある意見が開陳をされました。
私は、非常に限られた時間でありますので、この憲法調査会の今後の進め方も含めて少し意見を述べさせていただきたいと思います。
この憲法調査会は、調査期間はおおむね五年程度を目途とするということで始まりました。平成十二年一月二十日に設置をされてから約二年間、かいつまんで言えば三つのステージを歩んできたと思います。まず一つは、日本国憲法の制定の経緯。それから二番目には、戦後の主な違憲の判決が数々ございました、これらの学習もされてこられました。三番目には、今私たちが議論をし意見を述べております二十一世紀日本のあるべき姿、その中では、二十一世紀の世界と国家の役割あるいは世界の中の日本、人口問題、社会保障問題あるいは科学技術、ITなどなどでございます。
そこで、実は、九月十一日のニューヨークのテロ事件のその日、私はアメリカのシカゴにおりました。シカゴの最も高いビルも実はテロの攻撃の目標になっていたということを後で聞いたわけでありますが、その二日後、ニューヨークの現地に参りました。私が感じました実感は、日本のさまざまな法整備を急がなければならない、そして憲法の見直しもむしろスピードアップをしなければならないのではないかというのが私の実感でございました。
日本に帰りましてから、御承知のとおり、テロ特措法の議論がございました。私は、今の国際情勢の変化の中で、日本のそれぞれの、五五年体制と言われた時代から非常に大きく皆さんの認識が変わった、与野党の中でも日本の最も大事な安全保障という問題についてかなり共通の基盤ができてきた。もちろん、永久に議論を一つにすることができないという方たちもいると思いますけれども、大きな流れとしてはそういう環境が整ってきたというふうに思います。
そういうことを考えますと、私は、むしろこの議論を、これまで外堀を埋めて、そして大きなテーマでいろいろ私たちは学習をしてきたわけですけれども、そろそろ憲法のそれぞれの各論についても議論を深めていく時期に来ているのではないかというふうに思います。
限られた時間ですので、私なりにこれから憲法の各論についてどういうことが大きな論点になるかということを整理して、私の考え方だけ少し述べたいと思います。
既に今、中山先生から御意見がありましたように、前文について、私たちがこれから二十一世紀の新しい憲法を想定したときに、今の前文をどう我々が考えるかということは非常に大きな一つのテーマだと思います。
二つ目には、昨今、天皇家の内親王の誕生など国民の皆さんが非常に明るいニュースとして受けとめていただいていますが、天皇の地位というものを国家元首として定めるかどうかということも大変大事な論点ではないかと思います。
三つ目には、テロ特措法で議論がありましたように、自衛隊が国連の軍隊や世界の国々の軍隊が集まってできますいわゆる多国籍軍に参加できるようにするのかどうかという問題点。
それから四番目には、環境権の問題であります。先ほど鳩山委員からも御指摘がありましたけれども、私は二十一世紀の日本のキーワードは何かと問われたら、やはり資源のない日本は科学技術創造立国だ、しかしこれまでの五十年と次の世紀の違いは、科学技術創造立国と環境先進国日本、これが私は二十一世紀日本のキーワードではないかと思います。
私は、最近、八王子にありますオリンパス工業が開発をしている内視鏡の現場を見させていただきました。人間の鼻からでも口からでも、あいているところどこからでも入っていって、私たちの内臓が手にとるように見える。そして、その後、青梅にあります東芝工場の、いわゆるロボットでほとんどの作業をやっている現場を見させていただきました。一ミクロン、千分の一ミリの分野をロボットが、世界の七〇%のシェアを占めているという日本のオリンパス工業の開発の内視鏡でやがて日本の医療を大きく変えていくことができる。日本はやはり二十一世紀は科学技術だ。
そして、その後、私は山梨のリニアに試乗いたしました。私が乗ったときには四百八十キロでしたが、五百五十キロ、地上を走れば世界一です。宇宙競争では私たちは少し立ちおくれましたけれども、地上の競争では日本は世界一です。リニアに乗りますと、百七十キロぐらいで浮上しますけれども、非常に静かです。かつての新幹線のような公害がない。あとはコストの問題です。中国の朱鎔基さんは日本に来てこれに試乗していきました。まだ日本の総理大臣でリニアに乗った人はだれもいません。
私は、今、科学技術創造立国、そして環境先進国、そういう二十一世紀を考えたときに、新しい憲法の中で環境権というものはしっかりと位置づけなければならないと思います。既に世界の主要な国々が環境問題をしっかり国の責任として義務づけていることは、御案内のとおりであります。
ちょっと時間になりましたので、あとは羅列的に申し上げますけれども、参議院の権限や組織をこれからどうするかという問題は非常に大きなテーマだと思います。これは、私たちが地域を歩きますと、先生、参議院はもう必要ない。私が言っているのではありません、多くの方々からそういうことを耳にするときに、参議院の権限や組織をどうするかということは新しい憲法の中で大変大事な論議になる点だと私は思います。
それから、首相公選については、先ほど委員から私とは全く違う考え方が述べられましたが、私は、イスラエルと日本の置かれている状況は全く違うと思います。そういう意味で、首相公選も大きな論議のテーマになると思いますし、していただきたいと思います。
あと、私立学校の助成の問題はこれまでも指摘されていたところでありまして、一日も早く現実に見合った条文に変えるべきだと思いますし、憲法改正のための条件は今のままでいいのか。憲法改正をすることは私は間々あっていいと思います。そういう意味でも憲法改正のための条件を緩めるべきではないかと私は思います。
限られた時間の中でありますので、羅列的に申し上げましたけれども、この議論を各論に移し、そしてスピードアップをして、大先輩の方々が御活躍をいただいている、新しい世代の人たちが国会に登場してきているというこの時期に、私は新しい時代の憲法をしっかりと位置づけるべきだということを申し上げて、意見とさせていただきます。
ありがとうございました。