原陽子の発言 (憲法調査会)
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○原委員 社会民主党の原陽子です。
私は、五分間発言の時間をいただきまして、憲法調査会のあり方について再確認の機会とさせていただきたいと思います。
社民党は、この調査会の設置に当たり、平和憲法を守る立場から改憲に反対し、今必要なことは、憲法条文の改正議論ではなく、日本の将来のビジョンの議論であると主張してきました。また、調査会の開始に当たっては、その目的が憲法について広範かつ総合的に調査を行うことであるということを確認してまいりました。そして、議院運営委員会でも、この調査会には議案提出権がないとしたことは、私よりも皆様方の方が御存じだと思います。
ところが、最近の風潮を見ておりますと、小泉総理が憲法改正の筋道とすることをねらって首相公選制を発言されたり、憲法調査推進議員連盟という議員連盟からは、憲法改正国民投票法案なるものが出回ったりしております。しかも、この議員連盟は、衆議院の憲法調査会の会長であられる中山太郎議員が会長をなさっております。
憲法を広範かつ総合的に調査を行うと国会で約束したにもかかわらず、調査会の会長みずからがこうした議連を立ち上げているということは、私にとってはルール違反なのではないかというふうに思えてなりません。そして、この憲法調査会でまだ何の報告も出ていないにもかかわらず、そしてこの調査会には議案の提出権がないということにもかかわらず、この議員連盟の方から憲法改正ありきのこうした法案を準備しているということを、私はこれは非常におかしいことであるというふうに思います。
そして一方、国民の側から見た場合、現在の憲法によって多くの国民が不自由を感じていたり、また関心を寄せているならまだしも、九月十一日のテロ事件以来、憲法に不自由や関心を感じているのは、まさに自衛隊を海外に派遣したいと思っている方々ではないでしょうか。
先ほど、憲法はアメリカによって書かれた押しつけの憲法なので新しい憲法をというような声が出ておりましたが、今回もまさに外交、防衛という国外とのかかわりにおいて憲法議論が高まっていることは、だれも否定ができないと思います。敗戦によってこの平和憲法を手に入れて、そして今度はテロによってその平和憲法を手放すことになるのではないか、私はそんな恐れを感じております。テロ対策を口実にして平和憲法を放棄した国とならないようにしなくてはなりません。
そして、むしろ賛否も明確にしないサイレントマジョリティーの存在というものを私たちは自覚すべきではないでしょうか。現在の憲法に対して不満のない人は声を上げません。そして、声の上げ方を知らない人は声を上げません。つまり、先ほど中曽根先生の方から、六十代、七十代には護憲が多くて、三十代、四十代には改憲が多いと。二十代は、実はこの憲法に何の不満もないのです。声を上げていない、そうした人たちの存在というものを私たちは自覚すべきだというふうに思います。特定の目的意識を持った人たちだけによって憲法改正議論がひとり歩きすることだけは避けなくてはなりません。
そしてもう一つ、私は、この憲法調査会、ごらんになってわかると思いますが、出席率の低さというものは非常に危惧しなくてはならないと思います。この出席率の低さで、そして憲法に対する議論が大して盛り上がってもいないこの調査会が出す報告というものは、何かしら報告を出したとしても、それは、私は、決して国民の代表が集まって出した報告書とは言えないというふうに思っております。それなので、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、今この状態で報告書を出したとしても、それは知らない人たちが知らない場所で書いたものぐらいの意味しか持たないというふうに私は思います。
もちろん、憲法を私たち国民のものにするために、憲法に対する議論をしていくことは非常に必要だと私も思いますが、しかし、その前に、それ以外にも、例えば国会の民主的な審議のあり方とか、私たちにはやるべき課題がたくさんあるということを私は明言したいし、まさに二十一世紀を担っていく世代として、やはり日本国憲法の理念が現実に輝くものとしていきたいというふうに考えております。
以上で終わります。