島聡の発言 (憲法調査会)
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○島委員 民主党の島聡でございます。
私も、当初、憲法調査会の幹事をやらせていただきましたが、そのとき中山会長は、本当にオブザーバー、幹事の発言を、十分公正に運営されていることを私は身をもって体験しました。その上で、この憲法調査会の進め方について、私なりの思いを申し上げます。
改憲対護憲ということも含め、いろいろな議論はありますけれども、論点が随分出てきた。新しい経済社会に生きていく憲法にしていくために、憲法調査会として、例えば、一つは憲法の条文を変えるべき明文改憲の部分もある。それが第一です。あるいは、今の憲法の中で、法律がどうも憲法とうまく合っていない部分もある。それは法律を変えて、憲法の精神に合うようにすべきだという第二の点。そして、解釈がどうも合わなくなってきているという部分。今内閣法制局がいろいろな解釈をしていますが、それに合わなくなってきた部分ということがありますので、その三つに分けてきちんと憲法調査をしていくということが必要なのではないのかというふうに思っております。報告書はそういう形で出していただくといいなということを思いつつ、そのために、特に統治行為の議論のときには、統治行為を現実にやっておられる小泉首相を参考人として招いていただきたいと思っています。
小泉首相に私が聞きたいことは二点あります。
一つ。まず、今、首相のリーダーシップ、首相公選制の話がございますが、それだけじゃなくて、例えば憲法六十六条一項で、「内閣は、」「その首長たる内閣総理大臣」としております。しかし、内閣法四条では、「内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。」「閣議は、内閣総理大臣がこれを主宰する。」という、座長になっています。国家行政組織法五条では、「総理府及び各省の長は、」「内閣総理大臣及び各省大臣とし、」「主任の大臣として、」と、同格になっています。これで本当に首相になってリーダーシップをとっていけるのかどうかということも含めて、もしこの六十六条一項といろいろな意味でそごがあるならば、きちんとそういうふうにするんだということも憲法調査会の一つの流れとして出すべきだ。
現在、与党の事前審査、与党と内閣の一元化が議論に上がっておりますが、そこには政党が憲法の中にきちんと位置づけられていないということがあると思います。政党の存在は、トリーペルの四段階説じゃありませんけれども、敵視から始まって、無視、政党の承認・法制化ときて、第四段階に政党の憲法的編入とあります。ドイツ基本法二十一条、フランス憲法四条、イタリア憲法四十九条には、政党が入っております。現在議論になっております与党と内閣の一元化の議論も含めて、そういうことを議論するためにも、小泉首相をぜひ参考人に呼んでいただきたいと思います。
第二点、集団的自衛権の問題でございます。
我が党は、安全保障政策の中で、安易な憲法解釈変更で集団的自衛権を認めるべきでないという立場に立っておりますが、これは国会で、この憲法調査会で議論すべき点だと思っています。といいますのは、テロ特措委員会、私は現実に聞いておりませんが、報道でしか聞いておりませんが、今回の行動については、国際的に見たら集団的自衛権だというような言葉を小泉首相自身おっしゃっていたということが流れていました。
集団的自衛権という概念は、例えば岸信介さんの答弁は、国際法上の集団的概念というのは、実力行使を含まないかどうかということがある。さらに言うと、例えば、他国に基地を貸して自国を守るということも集団的自衛権として解釈されているということを、六〇年安保当時の参議院予算委員会で述べています。
その後、いろいろな議論がありまして、八〇年以降は、集団的自衛権は我が国の友邦に対する武力攻撃を、我が国が直接攻撃を受けていないのに、実力をもって阻止する権利という形で、いわゆる中核的な集団的自衛権という形で今解釈されているわけでありますが、これが本当に今後の時代にきちんとそぐうのかということについても、きちんとこの憲法調査会で議論すべき問題であると思っています。
西ドイツ基本法は、九四年、NATOにおける自国軍の領域外派遣という、憲法解釈を憲法裁判所で変えて、その後、ボスニア派遣などをしました。ドイツに行ったときに、日本は国際貢献の面で二歩おくれているとドイツの学者に私は言われたわけでございます。そういう意味で、真正面から首相を招いて、統治行為の議論、一体どこが今の時代に合っていないのか、そういう観点から参考人としてお招きいただきたいと思っている次第でございます。
以上です。