山田啓二の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)
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○山田参考人 京都府の副知事の山田でございます。
本日は、知事の荒巻がやむを得ない所用のため出席できないことについて、まずおわび申し上げますとともに、知事にかわりまして、私から首都機能移転につきまして、京都府の意見を述べさせていただきたいと存じます。
本特別委員会におかれましては、永井委員長様を初め委員の皆様方には、七月の現地調査を含め、御熱心な調査、御審議を賜っておりますことに対し、この場をおかりしまして厚くお礼を申し上げます。また本日は、三重・畿央地域の関係府県に意見陳述の機会を賜り、まことにありがとうございます。
首都機能移転につきましては、国会等移転審議会においても御指摘がございますように、戦後五十有余年を経て重大な転換期にある我が国において、地方分権や規制緩和の推進を初めとした、現在進められている国政全般の諸改革を本格的な軌道に乗せ、明治以来の現行諸制度をその根源に立ち返って見直し、その集大成として移転を論じていくべきであるというふうに考えてございます。
政府におかれましても、本年六月にいわゆる骨太の方針を出されまして、地方でできることは地方にを基本に、地方の自立、活性化を重点分野の一つに位置づけ、さまざまな改革を進めようとされておりますけれども、これはまさに、これからの国政は、地方のことは地方にお任せいただき、国はその役割をさらに純化させた新しい形をつくることが課題となっていることが指摘されているのだというふうに私は考えております。
そして、その場合においては、政治、経済、文化の一極集中を廃し、安定成長時代、成熟化する社会に応じ、経済との過度の一体化を避けた、二十一世紀において日本が世界にその文化を誇れるような政治文化都市を構築すべきではないかというふうに考えてございます。
その点で申し上げますと、三重・畿央地域は、審議会答申におきましても、「長く我が国の伝統文化の創造と継承に中心的役割を担ってきた」とお認めいただいているところでございまして、京都、奈良、近江、伊勢など、我が国固有の歴史、文化を創造、継承してきた地域を周辺に有するとともに、後で述べさせていただきますけれども、関西文化学術研究都市と相まって、新たな日本のアイデンティティーを象徴する都市づくりが可能になるのではないかと考えております。
また、もう一つ重要な視点といたしましては、今後予測される大規模な地震災害や、このたびのような恐ろしいテロにより政治、行政と経済の中枢が同時に被災するリスクを回避し、国土の均衡ある発展を考える上でも移転は大変大きな意義があるものと考えております。
首都機能の移転は、一見大きなコストがかかるように思えましても、国家としての安全を考えた場合の保険費用として考えた場合、また均衡ある発展による柔軟でより可能性を秘めた国家づくりを考えれば、決して高くつくものではないというふうに考えております。
特に、私どもが強く移転をお願いしております三重・畿央地域は、先ほどから知事さん方が述べられましたように、一つは、国土の大体中央に位置しておりまして、東京圏との位置関係において国土の均衡ある発展に寄与するとともに、東京圏に問題が生じた場合でも、比較的その影響を受けることが少ないという利点があるように考えます。
また、二つ目といたしましては、関西圏と中京圏という東京圏に次ぐ二大経済圏を連結することによりまして、経済の一極集中を既存のインフラを十分に生かして避けることができるため、経済の安全という点からもすぐれた位置にあると考えております。さらに、今後、太平洋岸の第二国土軸の整備が期待されますが、三重・畿央地域は、従来の国土軸とこのような新しい国土軸の中間に位置し、等距離で接することができる地域でございまして、この点でも安全面から大きな利点を有しているというふうに考えております。
続きまして、京都府地域がどのような貢献ができるかについて、簡単に御説明申し上げます。
先ほど申しましたように、新しい首都機能を持つ都市のあり方を考えた場合、文化、学術のすぐれた地域と密接な関係を保つべきであると考えますが、三重・畿央地域から西へ約二十キロメートルの京都、奈良、大阪に広がる京阪奈丘陵におきましては、二十一世紀を担う文化、学術、研究の新しい拠点づくりを目指し関西文化学術研究都市が、産学官の協力のもと、ナショナルプロジェクトとして建設が進められております。
また、この春閣議決定されました第二次科学技術基本計画におきましても、この関西学術研究都市は、内外に開かれた国際研究開発拠点として位置づけられておりまして、また、都市再生プロジェクトにおきましても、関西圏においてライフサイエンスの総合的な研究開発と起業化を推進する上で重要な拠点として位置づけられております。
このように関西文化学術研究都市は、東の筑波学園都市と並び、我が国を代表する学術研究都市として、次世代をリードする創造的な学術、研究や新しい文化の発信基地として、首都機能を持つ新都市と呼応することにより、三重・畿央地域を中心とした地域は、日本はもとより、世界へ政治、文化、学術を発信する一大地域となると確信しております。
また、この学研都市には、現在、国立国会図書館の関西館が、平成十四年秋の開館を目指して建設が進められているところでございまして、関西館は、国会図書館の蓄積する情報資源を東京本館と分散保存し、災害などに備えることとされているほか、IT時代に即応したさまざまな情報集積機能を有しておりまして、国会の政策立案機能をサポートする上で欠かせないインフラが既にこの地域には整備されつつあることに御留意いただきたいというふうに考えております。
また、京都御苑内では、京都迎賓館が着工される運びとなっておりまして、先ごろ入札が行われたところでございます。これも、我が国の歴史、文化の象徴の一つとも言える京都の地に、多様で緊密な外交、国際交流を展開し、歴史的、文化的側面も含めた幅広い対日理解を醸成していくために建設が進められているものでございます。
京都迎賓館は、首都機能を持つ都市と一体となりまして、我が国を訪問された海外からの賓客の方々に、日本の歴史や文化に直接触れていただくなど、首都機能に不可欠な外交機能や国際交流機能に大きな役割を果たせるものと考えております。
このように、京都だけを見ましても、既に首都機能の一端を担うべき国の施設が着々と整備されつつありまして、三重・畿央地域での新しい都市の建設に、これらの機能を十分活用していくことのできる有利な条件を有しているものと考えております。
以上、三重・畿央地域について京都府の意見を、京都府の特色も含めまして申し述べさせていただきまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)