赤嶺政賢の発言 (本会議)
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○赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表して、テロ対策特別措置法案及び自衛隊法一部改正案に反対、海上保安庁法一部改正案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)
九月十一日の米国への同時テロ攻撃は、アメリカだけでなく、国際社会に対する卑劣で残虐な許しがたい犯罪です。私たち日本共産党は、この蛮行に対して強い非難と抗議を行うものです。
今、テロをどう根絶していくか、世界と日本に問われています。テロ根絶のためには、国際社会の大同団結が何よりも大切です。国連を中心とする告発と制裁という手段を尽くさないまま、十月八日、米国など一部の国によるアフガニスタンへの武力攻撃が始まりました。地雷除去に取り組んでいた国連NGOの職員が誤爆により亡くなり、赤十字国際委員会の倉庫、小学校なども爆撃に遭うなど、これまでに、罪のない多数の人々が死傷しています。今後、地上戦も取りざたされており、戦争が拡大され、さらに多くの犠牲者が生まれることが懸念されています。
こうした武力攻撃に対して、マレーシアのマハティール首相やインドネシアのメガワティ大統領は厳しい反対の声を上げ、パキスタンを初めアジア、中東を中心とするイスラムの民衆の中から、激しい抗議の行動が広がっています。今、世界各地で、罪もない多くの犠牲者を生むテロにも、報復のための武力攻撃にも、反対する声が巻き起こっています。
日本共産党は、アフガニスタンへの武力攻撃を直ちに中止し、国連を中心とする裁きの道に引き戻すべきだと考えます。(拍手)
ビンラディン自身が今回のテロ事件への関与を事実上認めており、国連が、今回のテロ行為に対するビンラディンとアルカイダの容疑を確定し、引き渡しをタリバンに要求すべきです。それが拒否されたなら、国連が主体となって、アフガニスタン住民への人道的配慮を十分に行いながら、経済制裁など非軍事的措置によって、それを実行させるべきです。これを徹底してもなお不十分と国際社会が認めた場合には、国連憲章四十二条に基づく措置の検討も含め、国際社会の団結によって、法と道理に沿ったあらゆる手段を尽くして問題を解決すべきです。
ところが、本特措法案は、まさに戦後初めて、現に米軍などが進めている戦争に自衛隊が参加し、他国領土への出動も可能にするものであり、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と定めた憲法の平和原則に根本的に反するものです。
以下、具体的に法案の重大な問題を指摘します。
第一は、テロ根絶のためとして米軍が武力行使すれば、白紙委任的に日本がその戦争に参加する仕組みになっていることです。
米軍への協力は、地理的にも米軍の活動内容の面でも、全く限定されていません。米軍が、地球上のどこであれ、だれに対してであれ、どんな手段であれ、テロ根絶のためとして軍事行動を起こせば、日本が無限定にその戦争に参加するものです。
第二は、自衛隊が行う輸送・補給などの一連の協力支援活動や捜索救助活動が、米軍の武力行使と一体不可分のものであり、憲法違反の武力行使そのものであるということです。
その一つは、自衛隊の活動区域の問題です。
政府は、アラビア海などに作戦展開し、アフガニスタンに空爆を行っている米空母や駆逐艦などへの燃料の補給、武器弾薬の輸送を、戦闘行為が行われていないところだから可能だと言い、ミサイル発射後、人が誘導するような構造なら戦闘行為にならないという珍論まで展開しています。大体、テロとの戦いで戦闘地域と非戦闘地域に区分するなど、本質的に成り立つものではありません。
二つは、自衛隊の活動内容の問題です。
自衛隊が行う米軍支援の内容は、いわゆる兵たん活動であり、NATOが集団的自衛権の発動として行おうとしている活動内容とほとんど同じものであり、政府は、集団的自衛権でないと繰り返し答弁していますが、国際的に通用するものではありません。
さらに、武器使用の対象を拡大したことも重大です。
政府は、突発的なテロやゲリラの発砲に応戦することもあり得ると答弁しました。これは、他国に派遣された自衛隊による武器使用がまさに武力行使につながる危険性を示したものにほかなりません。
第三は、自衛隊による被災民支援の問題です。
政府は、人道支援だと言いますが、米軍が行う戦争に参加している自衛隊が行えば、攻撃対象とされ、逆に、難民を危険にさらすことになります。難民救援は国連諸機関やNGOなど中立の立場の諸組織によって取り組まれており、難民支援を言うならば、これらの諸組織の努力に対する支援こそ強めなければなりません。
なお、与党による、事後の国会承認を盛り込むなどの修正は、自衛隊の海外派兵という憲法違反の本質を何ら変えるものではありません。
次に、自衛隊法改正案です。
これは、米軍基地への警護出動の新設、治安出動下令前の情報収集出動や武器使用権限の拡大など、自衛隊の権限を大幅に拡大するものです。その上、防衛秘密漏えい罪を設け、防衛庁職員、自衛官だけでなく、民間人まで厳罰に処す規定を盛り込んでおり、極めて重大な基本的人権じゅうりんの内容を持つものです。このような法案をテロ対策に乗じて強行するなど、到底認められるものではありません。
このような重大な法案を、憲法原則にかかわる大きな矛盾が露呈してきたにもかかわらず、わずか五日間という短期間の審議で、公聴会も開かず押し通すことは、憲法と議会制民主主義の原則を真っ向から破壊するものであり、断じて許されるものではありません。(拍手)
沖縄に、命(ぬち)どぅ宝という言葉があります。これは、悲惨な沖縄戦の体験を通して、二度と戦争を起こしてはならないという崇高な平和への願いです。これは憲法九条の精神でもあります。憲法九条をずたずたにする本法案は、沖縄県民を初め我が国の国民、そして平和を願う世界の人々の心とは相入れないものであります。
私は、本法案の廃案を強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)