佐々木秀典の発言 (本会議)

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○佐々木秀典君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました司法制度改革推進法案につき、内閣官房長官並びに法務大臣に質問をさせていただきます。
 一九九九年七月、小渕内閣のもとで設置された司法制度改革審議会は、二年間六十三回にわたる審議を経て、本年六月十二日、小泉総理に対し、我が国の司法改革についての最終意見書を提出いたしました。
 法曹のみならず各界の有識者で構成されたこの審議会が、極めて短期間の中で、あらゆる角度から我が国司法についての検証を行い、その審議の内容をすべて公開しつつ、あるべき司法について真摯な討議の上に最終意見を策定された御努力に対して、私は深い敬意を表するものであります。
 小泉内閣は、この意見書に基づき、戦後、新憲法の制定に伴って行われた改革以来五十年を経た現在、それをも上回ろうとする我が国司法の大改革に着手すべく、その具体化の作業を推進する体制づくりのために本法案を提出されたものと了解をいたします。
 その意味で、この法案は、「聖域なき構造改革」をうたわれる小泉内閣として、また二十一世紀の我が国の国のあり方からも、その意義はまことに重要であるところ、本法案が、今、全国民の耳目を集める中で先ほど採決されたテロ対策特措法の陰に置かれることを、私としては憂慮せざるを得ないのであります。
 そこで、本来なら、この法案成立の場合、内閣に設置される司法制度改革推進本部の本部長に就任されることとなる小泉総理から、三権分立の一翼を担う司法の位置と我が国司法の現状についての認識、あわせて、今次司法制度改革の基本的方向と決意についてお伺いをしたかったところでありますが、いらっしゃらないようでありますので、かわって内閣官房長官に、この点の政府としての御答弁をいただきたいと存じます。
 次に、この法案の内容について伺います。
 法案第一条は、この法律の目的として「国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、司法の果たすべき役割がより重要になることにかんがみ、」「司法制度の改革と基盤の整備」を推進するとうたっております。
 私は、司法の究極の役割は、憲法の保障する国民の基本的人権の擁護と、そのための行政に対する司法の優位、すなわち法の支配の確立、そして社会正義の実現に求められるところ、現在の官僚司法体制のもとでその役割は十分に果たされていない、このことを正すためにこそ司法制度改革が行われなければならないと考えております。
 司法制度改革審議会設置法制定の際、参議院の法務委員会の附帯決議もこの点を特に留意すべきこととして挙げ、またその審議の際、当時の陣内法務大臣も、司法制度の改革は、単に規制緩和などを推進していくために必要であるという観点からだけで行われるのではなく、国民にとって身近で利用しやすく、わかりやすい司法制度を実現するという観点から検討されなければならないと答弁されておられます。
 この点について官房長官の御見解を伺いますが、あわせて法務大臣に、この本法案の第一条に司法の人権擁護機能という文言を付加する修正について検討をされてはいかがであるか、そのことを御要望申し上げます。
 私たち民主党は、我が国の司法を官僚司法から市民が主役の国民のための司法を実現するため、「新・民主主義確立の時代の司法改革」と題する提言を行っております。
 そこで私たちが強調しているのは、今回の司法改革が、単に事件数の増加や質の変化に司法サービスが応じ切れていないことに対する対応だけではなく、国民から縁遠いものとなっている司法に有効にして迅速な国民の人権擁護機能を充実させるという理念と目標を問うことから始めようとするものであります。
 具体的には、法曹人口の増大、法曹一元の実現、陪審制など国民の司法参加の促進、行政訴訟制度の改善、家庭裁判所の改革、司法アクセスの改善、被害者救済の確立、裁判の適正迅速化、裁判外の紛争解決手段の拡充、最高裁判所裁判官のジェンダーバランス、法科大学院構想、隣接法律専門職種の活用などを提案しているのであります。
 これらの問題については、審議会においても論議され、それぞれについて提言されていますが、これをよりよく実現するためには、これからの全国民的論議が必須であると考えます。
 そのためにも、この法律によって設置される司法制度改革推進本部の改革案作成作業は、できる限り国民にオープンにされることが重要であるとともに、作業自体に法曹以外の各層の有識者を関与させ、また、広く国民の意見を反映させる方策を講ずることが必要だと考えますが、本法案にはこうした配慮がなされているのかを法務大臣にお伺いいたします。
 法案は、第四条に、日本弁護士連合会の責務規定を置いております。
 在野法曹として国民の人権を擁護し社会正義を守ることを職責とする弁護士と、その強制加入団体である弁護士会と、その連合体である日本弁護士連合会は、我が国司法制度の上で重要な位置と役割を占めております。それである以上、司法制度改革実現のために積極的な役割と社会的責務を果たすべきことは言うまでもありません。
 しかし、本来その在野としての職責の重要性にかんがみ強い自治権を保障される日弁連について、本法にこの責務規定を設ける趣旨はどのようなものなのでしょうか。これによって、日弁連に対する政府または行政の干渉の契機となることを恐れるとの声も聞かれるのですが、いかがでしょうか。法務大臣、その真意をお聞かせ願いたいと存じます。
 また、審議会の意見を尊重した司法改革の具体策を実現するためには、恐らく莫大な予算措置を講ずることが必要になると考えられます。本法案の第六条では、必要な財政上の措置を講じなければならないとされています。しかし、御承知のように、現在、我が国の司法予算は、国家予算総額の一%にも満たず、先進諸国に比べて格段に少額であることがつとに指摘されてまいりました。
 政府においてもこの点の意識改革を抜本的にしなければ、今次の司法改革も結局は絵にかいたもちになるものと思われますけれども、官房長官、この点の改革、そして予算措置について大胆な実行をなさる御決意があるか、これをお尋ねいたしたいと存じます。
 終わりに、私は、このたびの司法改革を真に国民のための司法を実現するものとするためには、これから始まる改革案の作成作業にすべての同僚議員と国民の皆さんが深く関心を持ち、議論に積極的に参加していただくことを心から念願して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣福田康夫君登壇〕

発言情報

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発言者: 佐々木秀典

speaker_id: 26980

日付: 2001-10-18

院: 衆議院

会議名: 本会議