山口富男の発言 (本会議)

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○山口富男君 日本共産党を代表して、小泉総理に質問いたします。(拍手)
 今回のAPEC首脳会議は、テロ対策に関する首脳声明で、同時多発テロ事件を厳しく批判しました。その一方で、米国などのアフガニスタン軍事攻撃に対して、マレーシアのマハティール首相が、支持できないと述べ、インドネシアのメガワティ大統領も、無辜の人々への攻撃に強い懸念を表明しました。また、ASEAN諸国も、軍事攻撃の中止を求める声明を出す議論をしていると伝えられています。軍事攻撃が始まって約一カ月、戦争が報復の色を濃くし、泥沼化してきているからにほかなりません。
 米軍などによる空爆は病院や住宅地にまで広がり、病院への爆撃では、市民の死傷者が二百人に上ったと言われております。国連NGO事務所、国際赤十字の倉庫も攻撃にさらされました。テロの根絶と容疑者への厳しい裁きは世界の共同の願いです。しかし、容疑者とテロ集団がいるからという理由で、一国の国民に攻撃を加え、命を奪うなど、絶対に許されるものではありません。
 総理は、軍事攻撃によってテロ根絶が何か前進したというのですか。具体的に答えていただきたい。
 その上、空爆は食糧支援を初めとした人道援助の実施を困難にしています。国連人権高等弁務官が、冬の到来を前にしたアフガン国民の状況は絶望的であるとして、アフガン国民への巨大な人道援助を可能にするために空爆を中止しなければならないと訴えたのも当然であります。
 総理、あなたもアフガン国民への人道的支援の必要性を認めてきました。それならば、軍事攻撃への支援ではなく、人道援助の実施を困難にしている空爆の中止こそ、今、求めるべきではありませんか。(拍手)
 米軍は、その軍事攻撃で、クラスター爆弾の使用を始めました。この兵器は、地雷を広範囲にまき散らすことも可能な、まさに無差別殺傷兵器であり、国際赤十字がその使用禁止を求めてきたものです。二十五日には、対人地雷被害救済を掲げるダイアナ記念基金などが、クラスター爆弾の使用を批判し、その中止を米英両政府に要求しました。
 総理は、情報を持ち合わせていないと、答弁を避けてきました。かつて、対人地雷全面禁止条約に署名した小渕元総理は、私たちの子孫が地雷の脅威にさらされない世界に住めるよう、早期に犠牲者ゼロの目標を達成できるよう積極的活動を展開していく、こう述べました。総理、こうした立場に立つのなら、クラスター爆弾の使用中止を米国に求めるべきではありませんか。
 米当局者は、ウサマ・ビンラディンを捕まえるのは干し草の山から針を探すくらい難しいと、容疑者の拘束に見通しがないことを認めています。このまま軍事攻撃を続ければ、犯罪者を引きずり出すどころか、テロ根絶への国際的団結を弱め、テロと報復の悪循環という一層の泥沼化へ進むことは明らかです。報復と泥沼化の様相を強める軍事攻撃は直ちに中止し、国連を中心とした制裁と裁きの道に切りかえるよう、重ねて提起するものであります。(拍手)
 昨日、いわゆるテロ特措法が強行成立させられました。早くも、ディエゴガルシア島の米軍基地に燃料や物資を輸送し、洋上で米軍艦艇に補給するために、自衛隊の補給艦や護衛艦、そして輸送機の派遣が伝えられています。
 総理は、法案審議中、米側から自衛隊派遣の要請は一切ないと言ってきましたが、法案が成立した途端に、要請が来たというのですか。米側からいかなる要請があるのですか。国民に明らかにすべきであります。
 たとえ米側からいかなる要請があっても、この法律は発動すべきではありません。なぜなら、自衛隊の派遣は憲法違反であり、戦時の派遣など、もってのほかだからです。
 しかも、政府は、今、イージス護衛艦の派遣を検討中といいます。空母戦闘群の護衛を目的に開発されたイージス艦は、艦艇へのミサイルや航空機攻撃などを監視し、情報を空母群に提供するものです。その派遣は、まさに米空母戦闘群の武力行使と一体化するものです。テロ特措法には、艦船の護衛も情報収集も明記されておりません。イージス艦による協力支援活動とは、一体、テロ特措法のどの規定に根拠を置くものですか。
 政府は、これまで、特定国の武力行使を直接支援するための偵察活動を伴う情報収集・提供は武力行使と一体と判断される可能性があるとしてきました。この政府見解からいっても、イージス艦の派遣は憲法違反ではありませんか。きっぱり取りやめるべきであります。
 今、憲法の平和原則を持つ日本がとるべき道は、国連を中心に、正義と理性を持ってテロ根絶に立ち向かうよう、力を尽くすことにあります。
 ところが、総理は、憲法が戦力の保持を禁じているにもかかわらず、自衛隊は常識的に考えて戦力だと述べ、憲法は国際常識に合わないと言い放つなど、最高法規である憲法に極めてぞんざいな態度をとってきました。これは、憲法尊重擁護義務を負うべき者として、許されない、憲法をないがしろにする姿勢だと言わなければなりません。
 世界平和の危機的な事態に対して、日本は、テロ特措法の発動による戦争への支援ではなく、憲法九条に基づく行動と平和の貢献にこそ、力を注ぐべきであります。このことを最後に強く求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

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発言者: 山口富男

speaker_id: 25006

日付: 2001-10-30

院: 衆議院

会議名: 本会議