小林興起の発言 (予算委員会)

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○小林(興)委員 費用対効果を見直す、財政のむだを排す、まことに結構だと思うわけであります。しかも、それがだんだん進みつつある、結構だと思うわけでありますが、ただ、この大不況というよりデフレを脱却するためには、どうしてもやはり財政をある程度出動させなければならないということも事実だと思うのであります。
 実は、経済成長率と財政支出の推移をまとめてみたんですけれども、やはりどうしても連関があるんですね。そして、財政を出しますと、落ち込んでいた経済が少し上がる。しかし、上がって、また財政の赤字幅が増大するからといってちょっと出し惜しみしますと、やはりまた経済成長率が下がってきて、そしてとうとう最後の方は相当下がるような格好になる。やはり、今もうここまで来ているわけですから、このまま財政を下げますと、どうしても経済がもっともっと下がる傾向から抜け出せないんじゃないかなという気がするわけであります。
 今日の不況は、御承知のとおり、デフレということでございまして、そして、このデフレを脱却するというのはなかなか、戦後余り例がなかったということであります。よく、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶということがあります。我が国の歴史上、大デフレを克服した人といえば、言うまでもなく高橋是清という大蔵大臣を思い出すわけでありますが、一九二九年、世界大恐慌のときに、当時の井上大蔵大臣は、やはり節約ということだったんでしょう、一度財政を縮小するということで、節約によって経済を浮上させようとした。しかし、もっと結果は悪くなった。そこで登場したのが高橋是清大蔵大臣であります。
 この井上財政から高橋財政に切りかわる、このときに、何と財政の伸び率がここまで、対前年度比三九・六%、すさまじい膨張、拡張財政をすることによって、経済を一気に浮上させていくわけであります。そして、ずっと浮上しましたから、ここから伸びを抑えても経済はとうとう安定化に入る。
 いずれにいたしましても、財政の大拡張というのが非常に大きな意味があったということでありまして、思い切ってやっていくことも必要であり、私は、塩川大臣に平成の高橋是清公になっていただきたいという気もするわけであります。
 ただ、言うまでもなく、公共事業で穴掘りだけやっていればそれでいいということを私は申し上げるわけではありません。高橋財政にも、経済を拡張、経済波及効果のある中身が実はあったわけでありまして、同じように今日も、やはり、むだなお金と国民から見られるようなことではなくて、なるほどこれなら新しい産業が起こるということに思い切った財政の出動が必要だということを私は申し上げたいと思うのであります。
 もちろん、たらたら金を使えばいいということではありませんから、余りお金が要らないことについても一つ二つ私も申し上げてみたいと思うんですけれども、今、扇大臣になられて大いに進められております羽田空港の国際化、私は、大臣のおかげで今非常にいい結果が出てきていると思う。
 ただ、これをもっと思い切って、どんと羽田空港の国際化、今まで羽田は一切国際化に使わない、そういうことは、小泉総理の言う聖域なき見直しですから、新しい時代に国際化が非常に必要だということであれば、羽田も国際空港に使っていい。そして、これはもっと、今、週に二、三便やっと国際便を飛ばすようになりましたけれども、一日に思い切って五十便近く、ある試算によりますと、四十八便羽田から国際化で飛ばせば、そうすれば経済効果が三兆円、雇用創出十八万人という、そういう結果もあるぐらいでございまして、これは非常に大きな結果が出る。こんなものは規制だけの問題だと思うんですね。
 そして、今、このデフレというのは、御承知のとおり、インフレは経済問題だと言っておりますけれども、デフレは社会問題だと言われるほど、非常に人生に失望したりして、失業者がどんどんふえるというのがデフレの恐ろしさ。これで今、年間三万人を超しているんですから。年間三万という数字は、この間のあの貿易センタービルでどんと亡くなった方だって五、六千人と言われている。阪神・淡路大震災だって六千人ですから、三万という失業者の数がいかに大きいかということが……(発言する者あり)死者の数が。死者の数が三万人というのはいかに大きいかということがおわかりいただけると思うわけであります。
 そういう中にあって、そういう知恵を使う、規制緩和も必要でしょう。もう一つ、私は、国民のライフスタイルを変えたり、あるいは引き出すために、今ちょうど道路公団の問題がたくさん出ておりますけれども、道路公団の民営化がどうか、中長期的にはそういうことについてしっかりと方針を定めるのも結構でしょう。しかし、今すぐぜひ扇大臣にやっていただきたいのは、高速道路料金を引き下げる。日本はやはり、世界を旅行すればわかりますけれども、料金が高過ぎますね、何千円も取られるわけでありますから。
 そういう中で、これを思い切って、例えば東京から私が伊香保に行くときも三千円取られる、これを二千円にする。では、どうして千円も下げられるかといいますと、御承知だと思うんですけれども、今、五十年で償還しようとしているんでしょう。五十年後にほぼただになろうとしている。これを五十年たってもただにしないで、やはり千円か何か取るということにしますと、今、逆に三分の一ぐらい下げられると思うんですけれども、大臣、こういう道路料金の見直し、こんなことについてはいかがお考えですか。

発言情報

speech_id: 115305261X00420011112_008

発言者: 小林興起

speaker_id: 14823

日付: 2001-11-12

院: 衆議院

会議名: 予算委員会