塩川正十郎の発言 (財政金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの趣旨は大体了解いたしまして、相関連した御質問でございますので、総括してお話しさせていただきたいと思っております。
おっしゃるように、財政は資源配分の機能を持っておりますことは当然でございますが、同時にまた、国の財政の責任というものは経済の発展と密接に結びついてきておることも当然であろうと思っております。
ここ戦後五十数年の間、日本が歩んでまいりました道筋を見ますと、復興から成長へと入り、さらに高度経済成長となってまいりましたが、その間にとられてきた諸制度、習慣というものは、重厚長大産業を中心としたいわゆる護送船団方式であったと。一言で言ったらそういう形で経済体制が組まれてきておったと思っておりますが、これが現在の軽薄短小時代になり、さらにはデジタルの時代となりましたら、経済構造そのものを変えていかなきゃならぬということでございますが、財政の構造を見ました場合に、ずっと従来からの、いわゆる高度経済成長型の、それに順応した財政構造が組まれてきておると、私はそう思っておりまして、この際に新しい時代に即した、デジタル時代に即した経済体制に移行すべきではないかと、こう思っております。
そのためには何が一番大事かといいましたら、予算の中で今まず支出構造を見直してみることが必要であろうと思っておりまして、これは行財政改革を通じての一つの素地として、財政の中のいわゆる支出の面をまず洗い直してみるというこのことに現在私は力を注いで検討させておるところでございます。
同時に、それを通じて経済の構造の変化に、つまり、これを通じて規制を緩和することによって財政構造も変わってくると私は思いまして、そこに財政の基本を置いておるわけであります。
それでは、なぜ国債の発行を三十兆円に絞っておるのかということでございますけれども、大体日本の財政や国家予算を見ました場合に、先ほど言いました高度経済成長の延長線において景気回復を図ろうということに努力いたしました。このことはそれなりの効果があったと思います。つまり、経済が破局的に崩壊することを防いできたという意味においてこれは効果はあったと思うのでございますが、それでは、それを続けていきましても、そこに新しい産業の活力が生まれてくるとは思われない、やはり産業の構造を変えなけりゃならぬということになりますと、そうすると財政上の仕組みもそれに合ったものにしなきゃいかぬ。
高度経済成長時代のときは財政出動の中で三〇%以上のものが公債に依存しておるという、現在では八十兆の財政規模の中で三十兆円が国債に依存しておるという状況でございますが、これは何といたしましてもやっぱり不自然な財政構造であるということは間違いないと思っております。これをいつまでも続けていきますと、やっぱり財政だけじゃなくして経済の仕組みそのものも変化をもたらさないと思いますので、この際に国債を削減しよう、国債の発行を削減しよう、こういうことを基本にいたしました。
それじゃ、三十兆はなぜ三十兆なのかということでございますけれども、これは幾らにとるかということはなかなか難しい算段でございますけれども、今までの過去の実績並びに将来、中期展望いたしました見通しといたしまして国債の発行額の推移というものがおおよそ想像されてまいりますので、そこで、過去における実績上最高額をとってきたものをそこを天井にして、これ以上は新規発行はいたさないということを条件にいたしまして三十兆ということを決めたのでございます。
したがいまして、三十兆というものが財政規模の中でどのぐらい占めて、それがどういう財政上の効果あるいは圧迫になるかとかいう、そういう細かい分析をして三十兆というものを決めたのではなくして、甚だ政治的ではございますけれども、この程度でとめなければ国債の発行を抑制することができないという一つのめどとしてやったものでございます。
私は、財政のやっぱり今基本の理念に返るべきだと思っておりまして、従来は国家の予算は、支出の方を経済対策ということを重点に置いてまずはかって、その上で、入るをそれに合わせていったということが過去におけるやり方であったと思っておりますが、私はやっぱり財政の基本は、入るをはかって出るを制すという精神、これも必要なことではないかと思っておりまして、この十三年度補正予算並びに将来の十四年度、十五年度に向かいましての予算の基本的な理念といたしましては、先ほども申しました入るをはかって出るを制す精神でやっていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。