財政金融委員会

2001-10-25 参議院 全177発言

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会議録情報#0
平成十三年十月二十五日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十八日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     櫻井  充君
 十月二十二日
    辞任         補欠選任
     山本  保君     白浜 一良君
     大渕 絹子君     大田 昌秀君
 十月二十三日
    辞任         補欠選任
     白浜 一良君     山本  保君
 十月二十四日
    辞任         補欠選任
     大田 昌秀君     大渕 絹子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下八洲夫君
    理 事
                入澤  肇君
                林  芳正君
                若林 正俊君
                円 より子君
                山本  保君
    委 員
                上杉 光弘君
                尾辻 秀久君
                金田 勝年君
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                大渕 絹子君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       総務副大臣    遠藤 和良君
       法務副大臣    横内 正明君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        坂  篤郎君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      迎  陽一君
       国土交通省河川
       局長       竹村公太郎君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第五局長   円谷 智彦君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (構造改革と財政政策に関する件)
 (今後の経済見通しに関する件)
 (不良債権の処理に関する件)
 (日本銀行の金融調節に関する件)
○銀行法等の一部を改正する法律案(第百五十一
 回国会内閣提出、第百五十三回国会衆議院送付
 )

    ─────────────
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山下八洲夫#1
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
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山下八洲夫#2
○委員長(山下八洲夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山下八洲夫#3
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山本保君を指名いたします。
    ─────────────
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山下八洲夫#4
○委員長(山下八洲夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官坂篤郎君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君及び国土交通省河川局長竹村公太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山下八洲夫#5
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山下八洲夫#6
○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山下八洲夫#7
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山下八洲夫#8
○委員長(山下八洲夫君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中島啓雄#9
○中島啓雄君 おはようございます。
 自由民主党の中島啓雄でございます。
 本日は、塩川財務大臣、柳澤金融担当大臣、そして速水総裁初め関係各位の皆様に御出席をいただきまして、ありがとうございます。
 まず初めに、当面の財政政策の理念といいますか、重点といったものをどのように考えておられるか、財務大臣にお伺いをいたしたいと存じます。
 財政の役割としては、資源配分機能、それから所得再分配機能、それから経済の安定の機能というのがあると言われておりますが、これはマスグレイブの著名な教科書の最初に出てくる事柄でございますが、最近の景気情勢を踏まえて、党内外の声としては、経済の安定化というものをもっと重視すべきではないか、財政支出によって景気を回復させるべきだという主張がございます。
 一方、小泉総理としては、構造改革なくして景気回復はないんだという立場で、むしろ資源配分機能なり所得再分配機能を重視をして、将来の財政の健全化というものを実現していこうということを目指しておられるんだと思いますが、低成長になり、予算も非常に税収が上がらないという制約がある。それに加えて、バブル後の大型財政ということで国債依存度が三〇%以上に増大をしてきたというような現状から、財政の構造改革、健全化というのは当然の要請であるわけでありますし、その要請にこたえるためには、やっぱり財政の全体の枠組み、それからその資源配分機能とか所得再分配機能を見直していかなければならぬと、これは当然の要請であると思います。
 そういう意味では、一、二年で財政の健全化を急にやるというのは無理な話なんで、五年とか十年とか、かなり長期的な目標を持ってやることが大事だと思いますし、財政諮問会議等ではこれから御議論になるんでしょうが、やっぱり十年間ぐらいの長期的な財政健全化をどうやってやっていくかということを示すことが非常に大事なのではないかと、こういうふうに思っておりますが、短期的にはやはり景気変動というものにどう対処していくかというのが大事だと。
 この辺のバランスが非常に難しいさじかげんだと思いますが、当面、平成十三年度補正予算、これから議論になると思いますし、十四年度にかけての財政運営の理念といいますか、重点をどのように考えておられるのか。いわゆる国債三十兆円枠というのが話題になっておりますが、この三十兆円の枠を堅持されるというお考えなのか、堅持されるとすれば、なぜ三十兆円なのかということも国民に向かってやっぱりもう少しPRをしていかなくちゃならないんじゃないかと思いますが、その辺のお考えについてお聞かせいただければと思います。
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塩川正十郎#10
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの趣旨は大体了解いたしまして、相関連した御質問でございますので、総括してお話しさせていただきたいと思っております。
 おっしゃるように、財政は資源配分の機能を持っておりますことは当然でございますが、同時にまた、国の財政の責任というものは経済の発展と密接に結びついてきておることも当然であろうと思っております。
 ここ戦後五十数年の間、日本が歩んでまいりました道筋を見ますと、復興から成長へと入り、さらに高度経済成長となってまいりましたが、その間にとられてきた諸制度、習慣というものは、重厚長大産業を中心としたいわゆる護送船団方式であったと。一言で言ったらそういう形で経済体制が組まれてきておったと思っておりますが、これが現在の軽薄短小時代になり、さらにはデジタルの時代となりましたら、経済構造そのものを変えていかなきゃならぬということでございますが、財政の構造を見ました場合に、ずっと従来からの、いわゆる高度経済成長型の、それに順応した財政構造が組まれてきておると、私はそう思っておりまして、この際に新しい時代に即した、デジタル時代に即した経済体制に移行すべきではないかと、こう思っております。
 そのためには何が一番大事かといいましたら、予算の中で今まず支出構造を見直してみることが必要であろうと思っておりまして、これは行財政改革を通じての一つの素地として、財政の中のいわゆる支出の面をまず洗い直してみるというこのことに現在私は力を注いで検討させておるところでございます。
 同時に、それを通じて経済の構造の変化に、つまり、これを通じて規制を緩和することによって財政構造も変わってくると私は思いまして、そこに財政の基本を置いておるわけであります。
 それでは、なぜ国債の発行を三十兆円に絞っておるのかということでございますけれども、大体日本の財政や国家予算を見ました場合に、先ほど言いました高度経済成長の延長線において景気回復を図ろうということに努力いたしました。このことはそれなりの効果があったと思います。つまり、経済が破局的に崩壊することを防いできたという意味においてこれは効果はあったと思うのでございますが、それでは、それを続けていきましても、そこに新しい産業の活力が生まれてくるとは思われない、やはり産業の構造を変えなけりゃならぬということになりますと、そうすると財政上の仕組みもそれに合ったものにしなきゃいかぬ。
 高度経済成長時代のときは財政出動の中で三〇%以上のものが公債に依存しておるという、現在では八十兆の財政規模の中で三十兆円が国債に依存しておるという状況でございますが、これは何といたしましてもやっぱり不自然な財政構造であるということは間違いないと思っております。これをいつまでも続けていきますと、やっぱり財政だけじゃなくして経済の仕組みそのものも変化をもたらさないと思いますので、この際に国債を削減しよう、国債の発行を削減しよう、こういうことを基本にいたしました。
 それじゃ、三十兆はなぜ三十兆なのかということでございますけれども、これは幾らにとるかということはなかなか難しい算段でございますけれども、今までの過去の実績並びに将来、中期展望いたしました見通しといたしまして国債の発行額の推移というものがおおよそ想像されてまいりますので、そこで、過去における実績上最高額をとってきたものをそこを天井にして、これ以上は新規発行はいたさないということを条件にいたしまして三十兆ということを決めたのでございます。
 したがいまして、三十兆というものが財政規模の中でどのぐらい占めて、それがどういう財政上の効果あるいは圧迫になるかとかいう、そういう細かい分析をして三十兆というものを決めたのではなくして、甚だ政治的ではございますけれども、この程度でとめなければ国債の発行を抑制することができないという一つのめどとしてやったものでございます。
 私は、財政のやっぱり今基本の理念に返るべきだと思っておりまして、従来は国家の予算は、支出の方を経済対策ということを重点に置いてまずはかって、その上で、入るをそれに合わせていったということが過去におけるやり方であったと思っておりますが、私はやっぱり財政の基本は、入るをはかって出るを制すという精神、これも必要なことではないかと思っておりまして、この十三年度補正予算並びに将来の十四年度、十五年度に向かいましての予算の基本的な理念といたしましては、先ほども申しました入るをはかって出るを制す精神でやっていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
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中島啓雄#11
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 大臣の入るをはかって出るを制するという意味では、まさに支出構造の見直しということが必要なんだと思います。
 そういう意味で、予算査定に当たって、支出構造というのを変えるための評価基準といいますか、そういうものがどうも今までは余り明確でなかった、政治的な力関係によって決まってきたというようなことが多いですし、特に公共事業については、政策評価の手法がかなり進んでおって、費用便益分析というようなことがやられてきておるわけでありますが、財務省の方として、予算編成にそういった政策評価の手法をもっとどんどん取り入れていくという面でどのようにお考えになっているのか。
 財務省のホームページなどを見ておりますと、政策評価の項目は出てくるんですけれども、予算査定にどう使っていくかというのはどうも余りはっきり、迫力がないといいますか出てこない、こういうことで、例えば高速道路、今、九千三百四十二キロを削るか削らないかというのが非常に話題になっておりますけれども、確かに、九千三百四十二キロ、全く財政制約がないとすれば、これは費用に対して効果があると、費用便益比率で一以上ならばそれはやっていい、こういうことになるんですが、当然財政の制約があるからこそ、どうすべきかと。その限られた財源の中で、やっぱり費用対効果の高いものを実施していくのが当然の手法だろうと思いますが、その辺も含めて、特に公共事業の予算編成などについては、費用便益分析など数量的評価をどんどんやっていくべきじゃないかと思いますが、お考えを聞かせていただければと思います。
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尾辻秀久#12
○副大臣(尾辻秀久君) 予算査定において積極的に政策評価機能を活用していくべきではないか、こういう御指摘でございまして、一言で申し上げますと、私どもも、全くそのとおりである、そしてそういう努力をしなきゃいけない、そのように考えております。
 そこでまず、平成十四年度概算要求におきましては、八月十日に閣議了解されましたところの「平成十四年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」に基づきまして、まず施策等の意図・目的、必要性、効果・効率性等に加えまして、いわゆる重点七分野についての民間需要創出効果及び雇用創出効果にかかわる分析、これらの提出を各省庁に求めておるところでございます。今後、予算編成過程におきまして、今回提出のありました各省庁の政策評価資料の適切な活用に努めてまいりたいと考えております。
 そこで、御指摘ございました費用対効果などの評価の手法でございますけれども、ここが今後の研究課題だと思っております。そして、これまた御指摘ございましたように、個々の評価をして、今度はそれを足して予算をつくるわけでございますから、そして当然その予算には全体の制約がありますから、その中で例えばどういう優劣順位にするのか、そして手法によってはそうしたものまで踏み込めるような手法があるのかどうか、今後大いに研究してまいりまして、御指摘の方向で努力してまいりたいと考えております。
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中島啓雄#13
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 次に、金融担当大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
 不良債権処理と、特に中小企業との関係などについてお伺いをいたしたいと思いますが、去る十八日の当委員会における大臣発言においても、遅くとも三年後には不良債権問題の正常化を図るべきであるということをおっしゃっていただいておりますが、これは、八月に経済財政諮問会議に出された試算よりはかなり短期間で不良債権問題を処理する、こういうことでありますから、思い切った手法を用いていかないとなかなか実現が難しいのではないかということで、具体的にどのような手法をとっていかれるのか。
 オフバランス化の手法としては、清算型の手法と再建型の手法と当然あると思うんですが、特に中小企業については、地域経済への影響とか雇用への影響とか種々の観点から、なるべく企業再生といったような方向で不良債権問題を処理していただきたいと思いますし、その辺については改革先行プログラムの中でも、中小企業についてはその特性も十分に考慮し、再生可能性、健全債権化についてもきめ細かく的確な判断を行うというふうに述べられておりますが、現実問題としては中小企業というのは非常に数が多いわけでございますから、きめ細かくといってもある程度限度があるのではないかと思いますが、そういった今後の不良債権処理の一般的な手法と、特に中小企業に対してどのようなことを考えておられるか、お聞かせいただければと思います。
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柳澤伯夫#14
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権問題の正常化については、今先生御指摘のように、このところ一連の経済財政諮問会議における政策決定がございまして、その一環というか、むしろ経済再生のための第一歩というような大きな位置づけをされておりまして、これに取り組まなければならないということになっておるわけでございます。
 私どもとしては、この集中的な改革の期間、調整の期間、これが大体三年ということを見込まれておりますので、それが終了をするということ、これに合わせて私どもの不良債権の問題についても正常化を図りたい。
 不良債権の処理というと、何か全部不良債権がなくなってきれいさっぱりするというような素朴な誤解というか、そういうものが現実にあるわけですが、そういったことに配慮しまして正常化という言葉を使うことにいたしております。要するに、不良債権が貸し出しに占める割合というのが大体四%に近いところというか、そういうところになるということを計数的にはめどにしておりまして、これをぜひ実現したいと、こういうふうに考えております。
 ということになりますと、不良債権の処理というのも、おのずからその主流がオフバランス化でなければならないということになるわけでございまして、そのオフバランス化を最終処理という言葉で言っておるわけですが、今、先生は直接償却というような言葉でこれを表現された。言葉が非常にたくさんあるものですから、ますます金融がわかりにくくなるというようなことがございますが、私どもとしては正常化だとか最終処理という言葉を使っておるということでございます。
 最終処理という手法については、今先生御指摘のように、法的な処理をする場合でも清算型と再建型がある。私的な整理をする場合は、観念的には清算型もないことはないですが、通常は再建型ということで私的な整理が行われる。これらの手法をケース・バイ・ケースに適用してその最終処理を図っていこうと、こういうことが基本でございます。
 もちろん、その前提として不良債権の認識というか把握というものが的確でなきゃならないということで、これは銀行の自己査定、それからまた当局の検査ということでこれを期していかなければならないということは申すまでもございません。
 中小企業の問題ですけれども、中小企業については、これは特殊性があるわけです。やっぱり大企業あるいは公開の上場企業ということになれば、これは経営と所有というのがもう非常に截然と分かれているわけですけれども、中小企業の場合には、概して経営と所有というようなものも、法的な建前をぎりぎり言えばもちろん分離されているのが普通なんですが、しかし現実の問題としてはこれが一体化されている場合もあるので、そういう特殊性に着目して、我々は不良債権問題の処理に当たってもその特殊性に着目した処理をしていかないといけないということでございまして、今先生の御指摘のような、できるだけ再建の方向に向けてということをうたわせていただいておると、こういう次第でございます。
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中島啓雄#15
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、日銀総裁にお伺いさせていただきたいと思います。
 最近の金融政策につきましては、三月に金融調整の主たる操作目標をコールレートから日銀当座預金の残高ということに変えられまして、かなり思い切った施策をやってこられた。特に、九月にはもう六兆円を上回るということで、八兆円とか十二兆円の規模まで当座預金の残高がふえているということでございますが、なかなか景気回復ということに効いてこない、資金需要がないということで。
 どうも総裁なり日銀のお立場からいうと、もうやるべきことはほとんどやり尽くしているんだ、あとは政府側の財政対策なり構造改革ではないかというようなニュアンスがちょっと強いわけでございますし、それから、三月の枠組みを変えるときだと思いますが、消費者物価上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで当座預金残高方式というのを続けるというふうに宣言をされておられて、これはデフレを許容しないというメッセージなんだというようなことを先日の増渕理事のお話でも伺ったわけでございますが、どうも国民に対するアナウンスメントという意味では、デフレを許容しないというか、アンチデフレというようなニュアンスがなかなか伝わってこない。
 そういう意味で、もっと日銀としても、アナウンスメント効果を含めて、うまく金融政策というものの効果を浸透させていく方法があるんじゃないか。アメリカのグリーンスパンなんというのは非常にその辺はうまく利用をしているんじゃないかと思いますが、今インフレターゲット論というふうなこともありますが、インフレターゲットは問題ありとしても、アンチデフレ対策とか価格安定化ターゲットとか、そういったキャッチフレーズでうまくアナウンスメントしていくという方法が考えられるのではないかと思いますが、時間もなくなりましたのでごく簡単で結構でございますが、お考えを聞かせていただければと思います。
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速水優#16
○参考人(速水優君) 今の御質問、実に私どもの今考えておりますことを的確におっしゃっていただいたと思います。
 日本銀行は、先生おっしゃいますように、現在の金融緩和の枠組みにつきまして、消費者物価上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで続けるということをこの三月の政策変更のときに公表したわけでございます。これは、いわばデフレを許容しないという日本銀行の強い姿勢を具体的に数値で示したと言ってもいいかと思いますし、中央銀行として物価の安定に向けた強い決意を示したというふうに思っております。
 日本銀行は既に政策金利の引き下げ余地をほぼ使い尽くしておりますし、この約束のもとで何とか金融緩和の効果を上げるためにさまざまな努力を行ってきているわけで、こういった情勢を踏まえますと、現在の日本経済の問題を解決しますためには、こうしたアナウンスメント効果や金融緩和だけではやはり十分でないわけで、事実を直視する必要があると思います。
 その問題は、手っ取り早く申しますと、一つは、市場までは金は十分行っているんですが、市場から企業や一般家計に金が回っていかないというところなんですね。これは、金融的な言葉を使わせていただければ、銀行が信用仲介の機能、これは銀行のもともとの機能ですけれども、それをもっと活発化させていってもらいたい。今までいろんな課題があったものですから、外へ積極的に出ていくということがなかったということが一つあります。
 それともう一つは、やはり需要自体が非常に弱い。その需要を伸ばしていくためには、金融で幾ら市場に出してもだめなので、それこそ産業・経済構造改革を積極的に推進していただくということ。それによって民間が主導して新しい需要が生み出されていくことを私どもとしても待ち望んでいるというのが現状でございます。
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峰崎直樹#17
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、きょうは、先日の両大臣の所信表明に対する一般質疑でございますので、ぜひこれからの論議を進めていくための前提としてかなり広範囲にわたってお話を聞かせていただければというふうに思っております。
 竹中経済財政担当大臣は来ていただけるんでしょうか。──どうもありがとうございます。
 それでは最初に質問させていただきたいと思います。
 まず、竹中大臣、着いた早々大変恐縮でございますが、日本の経済。政府は今年度の経済見通しを一・七%というふうに見通しをしていたわけでありますが、最近、この経済成長率の見通しが、さきの四月—六月の大変大幅なマイナスによって、今後これは達成するのは不可能じゃないかということが指摘をされ、マイナス成長やむなしというような話がされていますが、政府として公式に今年度の経済見通しは、一・七%から変えて、今年度はどのぐらいを政府としては見通しをされているのか、まずそのあたりからお聞きしたいと思います。
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竹中平蔵#18
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員もう御指摘のとおり、日本の経済、大変厳しい状況になりました。四—六月期のGDP成長率はマイナス〇・八、そういった状況を受けて失業率も高まっているという状況であります。さらに、先行きにつきましても、今の同時多発テロに起因する世界経済への影響、非常に厳しい懸念すべき点がたくさんある、これはもう残念だけれども間違いない点だと思います。
 今年度の政府経済見通しは一・七%程度でありますけれども、これはもうかなりこれを下回るというような認識を私自身は持っています。
 内閣府としましては、この政府経済見通しを内閣府の独自試算という形で発表したいというふうに思っております。若干作業がおくれてはいるんですけれども、補正予算の国会審議前までには公表したいというふうに思っておりまして、その中で数字そのものについてはぜひ正確に煮詰めていただきたいと思います。具体的にいつ、どのような形で発表できるかという日程についてはまだ検討中であります。いずれにしても相当厳しい認識を持っているということでございます。
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峰崎直樹#19
○峰崎直樹君 マイナスに多分なるだろうと、こういうふうに予測されているんですが、そういう予測で大体間違いないでしょうか。
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竹中平蔵#20
○国務大臣(竹中平蔵君) これは数字のことでありますので、試算を積み上げている段階では何とも私の立場で申し上げにくいのでありますけれども、基本的には、各機関、非常に厳しいマイナスの成長を出しておりまして、個人的にどのぐらいの認識を持っているかということは申し上げてもよろしいのかと思いますけれども、数字のことでありますので、その数字の積み上げを待ってぜひ発表させていただきたいと思っています。
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峰崎直樹#21
○峰崎直樹君 実は四—六の数字を見たときに驚いたのは、名目が年率換算一〇%を超えるマイナスなんですね。いわゆるデフレというもの、つまり日本経済の名目値がどんどん小さくなっていっているということが大変大きな問題だと私は思っています。
 その意味で、今年度の物価上昇の見通しについてはどんなふうに思っていらっしゃいますか。竹中大臣からまずお聞きしたいと思います。
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竹中平蔵#22
○国務大臣(竹中平蔵君) 物価の見通しそのものも数字の話でありますので基本的には成長率と同じ立場に立たざるを得ないのでありますけれども、卸売物価、消費者物価、持続的な物価下落にある。特にGDPデフレーターそのものを見てみますと、これはもう五年ぐらいのタームで中期的にも下がり続けているというような状況になっています。
 今、四—六月期の名目の成長率についてありましたけれども、実はこれは大変細かい話ですけれども、季節調整による物価の変動というのはちょっと過大に出ている可能性もありまして、これは技術的な問題としては検討はしております。
 いずれにしても、こういった物価の下落というのは、これは国内的な要因のほかに対外的な要因、さらには技術革新という要因、もう全部これが重なっている要因でありまして、当面は続くというふうに思っております。
 この物価の下落というのは、消費者から見ますと実質所得を上げるという効果はありますけれども、やはりマクロで見ますと、企業収益の減少、実質債務の増加、これは悪影響があるというふうに認識しておりますので、この動向については慎重に見ていきたい、さらには政府経済見通しの改定等々を通して数字的にもフォローしていきたいと思っております。
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峰崎直樹#23
○峰崎直樹君 日銀総裁にお伺いしたいんですが、日銀は通貨の番人でございます。まさに物価がどうなっていくかということについても見通しは出されておりますが、この物価上昇について日銀としてはどんな見通しをされているのか、あるいは、たしか半年に一回見通しを公表されるというふうに聞いておりましたけれども、それはいつごろになるのかということもあわせて教えていただきたい。
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速水優#24
○参考人(速水優君) 御指摘のように、日本銀行におきましては年二回、成長率と物価につきまして、政策委員会で皆さんの見通しを議論した上、各人に出していただいて、それを公表することにいたしております。
 今出ておりますのは本年四月にやったものでございますけれども、これは経済・物価の将来展望とリスク評価と言っておりますが、政策委員会委員の大勢見通しとして、本年度の成長率はプラス〇・三からプラス〇・八、消費者物価についてはマイナス〇・八からマイナス〇・四と、この数字が出ている数字なんですが、御承知のように、その後の経済の動き、海外経済の一段の減速、我が国経済の情勢の厳しさといったようなこと、さらに先月の米国のテロ事件の発生といったようなことを考えますと、この条件がすっかり変わってきているように思います。物価の下落傾向が続いております。
 今後とも、需要の弱さに起因する物価低下圧力には十分注意を払っていくつもりでおりますが、十月三十日公表となっておりますが、成長率と物価の見通しについて本年度、明年度ということで、多分各委員の持っている見通しを数字で発表できるというふうに思っております。
 ただ、こうやって物価が下がっておるわけですけれども、成長率が上がり、そして企業の収益率が上がっているときに物価が下がるのはそれほど心配でないんですけれども、それが逆になったときに物価が下がっていくというのはやはりデフレと言わざるを得ないわけで、その辺のところは数字だけでなく全体を見て判断してまいりたいというふうに思っております。
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峰崎直樹#25
○峰崎直樹君 そうすると、内閣府の方も経済見通しは予算が出るまでに再度出しますと、物価見通し、日銀の方も近々には発表しますと。残念ながらきょうの議論のためにはなかなかそう進まないんですが、しかし、いろいろ条件を聞いてみても、どうも今年度はもうマイナス成長になるんではないか、あるいは物価についてもそれがどんどん、どんどんというか、マイナスで要するにデフレ状態というところから、先日もたしか日銀の報告に対する質疑の中でデフレスパイラルになっているんではないかというような、そんな議論もあったわけですが、そこまでは認識はまだ行っていないということなんでしょうか。
 これは竹中大臣、そして日銀総裁、ともにお聞きしたいと思います。
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竹中平蔵#26
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレという言葉そのものが、本来収縮でありますけれども、価格が下がるということを意味しているのか、需要が急速に下がるということを意味しているのか、ちょっと使い方がいろいろあるのかと思います。
 委員御指摘は、スパイラル的に経済が悪化しているのかどうかという、そういう御趣旨だと思いますが、先ほど四—六月期のGDPがマイナス〇・八%という数字を挙げさせていただきました。しかし、これは御承知のように、実は個人消費を見ますとプラス〇・五に一応なっているわけですね。ということは、消費は四半期で〇・五、年率で大体二%ぐらいふえている、実質で。少なくとも四—六月期に関する限りはそのような状況が見受けられる。スパイラルというのは、一つの変数が悪くなってほかの変数がさらに悪くなる、だからほかの変数も悪くなるというような状況ですから、少なくとも四—六月を見る限りはそういう状況ではないというふうに認識しています。
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速水優#27
○参考人(速水優君) 私どもの方も、日本経済が物価下落と景気後退の悪循環に入るということになると、これはデフレスパイラルに陥ったということにならざるを得ないと思っておりますが、今、これからどういう方向に進んでいくか、金融サイドではもうやることをやったとおっしゃいましたけれども、かなり潤沢に資金は供給しておるんですが、やはりこれからの民間需要、特に構造改革などがどのぐらいのスピードで実現していくのか、それから不良貸し出しの償却などもそうだと思うんですけれども、そういうものを含めて全体の動きを見ながら考えてまいりたいと。今まだデフレスパイラルに入っているとは私どもは判断しておりませんけれども、今後の動きを見ながら判断していきたいと思っております。
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峰崎直樹#28
○峰崎直樹君 そうすると、竹中大臣、今おっしゃって、個人消費が比較的堅調だったと、こういうことですが、アメリカの同時多発テロ発生に伴い、アメリカの経済が急速に減速になってきている。それに伴って、例えば半導体だとかあるいは自動車の輸出だとかどんどん下がってきている。そして、相変わらず失業が非常に多い。そうすると、これで個人消費が落ち込めば、実際上これはもう日本経済を牽引しているものが何もないという状況で、これはやはり相当ひどい状況だなと。
 そこで、財務大臣にお聞きします。
 財務大臣はたしかサミットに行かれて、ことしイタリアであったと思うんですが、世界各国の皆さんの前で、日本経済はマイナス成長には陥らせないと、そういう決意を述べられているんですね、私、国際公約だと思うんですが。
 財務大臣、こういう現状を前にして、補正予算の論議にこれも関連してくるんですが、いずれにせよ、マイナス成長に陥らんとする、あるいはデフレスパイラルに陥るかもしれないと言われている経済の現状に対して、この国際的に約束をしたことをある意味では補正予算等を通じて何としても解決したい、こういう決意でおられますか。その点、いかがでございましょうか。
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塩川正十郎#29
○国務大臣(塩川正十郎君) 私、ローマの会議でそういうことを申しましたが、これはフリートーキングの、国の問題というよりも、それぞれ財務大臣が現在の世界経済をどう考え、そして自国の経済の運営の基本について考え方を述べろというフリートーキングの場でございました。
 そこで、私は、前提として、私の信念として、日本経済に対する非常な懸念はあるけれども、自分としてはマイナス成長にしないよう懸命の努力を続けていきたいと。それではそのような可能性はあるのかという質問がございました。そのときにも、いや、確たる可能性については私は自信はないけれども、しかし、現在の日本が持っておる構造改革を進めることによって新しい需要が、潜在的な需要が喚起されてくるということは間違いない、だから経済構造の改革を優先して取り組んでおるので、その中において経済は活力を取り戻していく、それによって私はマイナス成長をとることのないように努力をしたいと、こういう説明をいたしておりまして、これは議事録にも載っております。
 でございますから、これは国際公約というのではなくして、私は信念として申し上げて、各国の大臣の取り上げ方が国際公約で取り上げているかどうか、これは聞いていただかないとわからないと思うことでございますが、私はそういう自分の信念としてこのような運営をしたいということを言っておるところでありました。
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