川橋幸子の発言 (本会議)

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○川橋幸子君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました平成十一年度決算について質問いたします。
 その前に、現下の緊急かつ重大問題として、狂牛病及びアフガニスタン支援問題について伺います。
 まず、狂牛病問題についてお伺いします。
 去る二十一日、国内二頭目の狂牛病の牛が確認されました。一カ月余り前に国が出したあの安全宣言の意味は一体何だったのでしょうか。
 かねて専門家は、二頭目の発生は時間の問題であり、今後も発見される可能性が高いと指摘していたそうですが、農水大臣は、このような事態の予測を国民に対してどのように説明してこられたのか、また今後についてどう把握されているのか、率直にお答えください。
 消費者がかねてより行政に不信感を募らせているのは、行政が業界寄りの姿勢をとる余り、過剰に風評被害を心配し、食の安全に対する徹底的な対策を根本的に講じてこなかったこと、また、事実を隠し立てせずに公表するといった情報開示の姿勢が基本的に欠けていたことにあります。
 現に、これまでの農水省の対応を見ると、欧州で狂牛病騒ぎが起きてから十年以上が経過していたにもかかわらず、農水省は日本は安全と繰り返すのみで、危機意識が極めて薄かったことが歴然としています。
 九六年になってようやく農水省は、牛への肉骨粉の使用を自粛するよう行政指導を行いましたが、その指導は団体どまりで肝心の各農家までは周知されなかったこと、また、EUが禁止した肉骨粉を日本が去年まで輸入し続けていたこと、さらにことし六月、EUが指摘した日本の狂牛病危険度評価を農林事務次官が日本は安全だと拒否したと伝えられていること、加えて、一頭目の感染牛が発生したときに担当部長が焼却処分をしたとうその発表をしたことなどが明らかになっています。また、最近の報道によれば、九一年当時、狂牛病の危険を警告した研究者に対して、農水省幹部が今後は触れないでほしいとくぎを刺していたこともBSE問題に関する調査検討委員会の席上判明しています。
 武部農水大臣は、このようにたび重なる行政の重大な失態についてどのように責任をとるおつもりか。ドイツでは二人の閣僚が対策のおくれから引責辞任をしていたことを踏まえ、御自身の責任を含めて出処進退を明らかにしていただきたい。
 急ぐべきは、感染源、感染ルートの解明であります。全頭検査の実施により消費者が口にする牛は安全であり、だから食べろと言われても、消費者心理は疑心暗鬼です。まして、今回の補正を含め、一千億円以上もの巨額な税金が役人の不作為のしりぬぐいに使われることについては、到底納得できるものではありません。
 これは小泉内閣全体の責任です。総理のリーダーシップをどう発揮していかれるのか、総理の姿勢をお聞きします。
 次に、アフガニスタン復興支援と難民認定問題についてお聞きします。
 アフガニスタンにおける戦禍はようやく先が見えつつあるようです。タリバン後の新たな暫定政権づくりに向けての動きがある中で、米軍が海兵隊を投入するなど、新たな局面が報じられています。
 まず、最新のアフガニスタン情勢をどう認識されているのか、外務大臣にお伺いします。
 次いで、今回、パキスタンを訪問され、帰国されたばかりの外務大臣の率直な見解をお聞きしたいと思います。
 アフガニスタンの悲劇は、旧ソ連侵攻後二十年にも及ぶ内戦が続き、ここ三年ばかりは異常な大干ばつに見舞われ、六百万人にも及ぶ国内難民が山岳地帯の農村部から平地の都市部に移動してきていたということです。空爆がなくても百万人にも上る多数の餓死者、凍死者が出る危険が国連機関から発表されておりました。
 前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんは、アフガニスタンは国際社会が見捨ててきた国と表現され、そうした中での今回の空爆であり、地上戦であったわけです。パキスタンに逃れることができた人々はまだ恵まれており、戦火の続く国内にとどまっている難民はさらに苦しい状況に置かれていることは言うまでもありません。
 人間の安全保障を掲げる日本は、アフガニスタンの難民支援についてどのような構想を持って我が国外交を進めようとしているのでしょうか。今直ちに必要な緊急支援と今後の長期にわたる自立支援について、日本は何ができるのか、また何をすべきなのか、外務大臣としての構想を明らかにすべきだと考えます。
 ポスト・タリバンのアフガニスタン復興については、報道されるような日米とEUの主導権争いといった各国の国益中心のパワーゲームではなく、国連のもとにおける国際協調行動を重視すべきであると私は考えます。国連中心主義をとってきた我が国としては、特に国際協力においては、日米同盟の枠組みにとらわれることなく、ましてアメリカの後方支援にとどまることなく、真にアジアの人々の立場に立って、アジア地域の安全、平和のために日本のプレゼンスを示すべきだと考えますが、総理の御決意を伺います。
 また同時に、国際協力は、紛争地域に出かけなくても、国内においてより容易に日本の顔が見える支援を行うことが求められています。
 先ごろ、アフガニスタン人九人による難民認定の申請が認められず、認定前に強制収容されていた四人のうちの一人が自殺未遂を図ったという痛ましい事件が起きました。日本という国が、口では国際協力を言いながら、実は難民認定に対して極めて厳しい国だというのでは、世界の信用を失墜させることになります。難民認定について人道的配慮を強く求めるものでございます。総理の誠意ある答弁を求めます。
 それでは、決算について伺いますが、まず、十一年度決算の内容と評価について伺います。
 十年度決算において税収が十一年ぶりに五十兆円の大台を割ったことが問題になりましたが、十一年度決算においても、引き続き税収は五十兆円を割りました。その反面、一兆円もの純剰余金が発生していますが、その背景には、公債発行総額が三十七兆五千億円余にも上り、公債依存度が四二・一%と過去最高となったという厳しい財政状況にありました。当時、故小渕総理が、私は世界一の借金王だと述べられたことは皆さん御記憶のことでしょう。
 こうした十一年度決算の内容について、財務大臣はどのようにお考えでしょうか。また、来年度も引き続き税収が減少し、五十兆円を大きく割る見込みとなっていますが、このように深刻な財政事情を踏まえ、小泉内閣として責任を持つことになる来年度予算の編成に向けてどのような姿勢で取り組もうとしているのか、明確な答弁を求めます。
 また、本年六月の決算委員会における私の質問に対しまして、小泉総理は、公共事業のためにあえて予備費を設ける必要があるのか、問題があると思っている、そういう問題意識の上で予算編成に臨むと、実に明快に答弁されました。総理、改めてこの本会議で、十四年度予算に公共事業のための予備費は設けないと明言していただきたいと思います。
 次に、小泉内閣が掲げる構造改革についてお聞きいたします。
 総理は、改革なくして成長なしと強く断言しておられ、特に国債発行額三十兆以下、二、三年以内の不良債権の集中処理、特殊法人改革などの目標について強い決意を示しておられます。
 しかしながら、国債発行額三十兆以下については、今回、二次補正を約束したことにより、既に事実上破綻したのではないでしょうか。本来、NTT売却益は国債償還に充てられるべきものであり、これを二次補正の財源に充てるのは邪道です。隠れ借金をふやすことにほかなりません。これを総理は国民にどのように説明されるのでしょうか、お伺いいたします。
 現在、失業率は五・三%にも達し、さらに今後上昇していくことが予測されております。こうした状況下で不良債権処理を急げば、失業率の上昇がさらに加速されることは目に見えています。
 そもそも構造改革は競争力強化を目的とするものであり、現在のデフレが供給過剰、需要不足によって生じているときには、構造改革よりも景気対策を優先すべきだとの論があります。故小渕総理も前森総理も、二兎を追う者一兎も得ずとして、構造改革よりも景気を優先すべきだと訴えられました。こうした論者がむだな公共事業を擁護し、小泉総理の抵抗勢力となっています。民主党は、構造改革については総理よりいち早く主張してきたところであり、こうした抵抗勢力に加担するものではありません。
 しかしながら、世界経済はテロ不況の追い打ちを受けて減速傾向にあります。株価が低迷する中で、小泉総理がどのように構造改革を達成しようとなさるのか、改めて総理の基本的な考え方とその決意をお伺いいたします。
 また、経済財政政策担当大臣には、構造改革と景気回復を両立できる魔法のような経済運営の手法について、具体的かつ明快な答弁を求めます。
 次に、特殊法人改革について伺います。
 連日、新聞紙上をにぎわしている特殊法人改革でありますが、総理は、道路公団への出資金の打ち切り、高速道路整備計画の見直しや道路四公団、石油公団等七法人の改革先行を指示するなど、相次いで改革措置を打ち出し、ようやく小泉改革が前進しつつあるかのような印象を国民に与えております。
 しかしながら、今月二十二日の政府・与党合意の中身を見ますと、すべては妥協の産物、玉虫色の決着に終わっており、抵抗勢力の巻き返しによりましては骨抜きになるおそれが十分であります。先日のクエスチョンタイムで、総理は、私をつぶせば自民党がつぶれると見事なたんかを切られましたが、それは現実でしょうか。改革は見せかけで、実は妥協の道を選ぶとなれば、総理は二重に国民を欺くことになります。
 例えば、全国一万四千キロの高速道路網計画を盛り込んだ四全総について、自民党のある有力者は、あれはおれが大臣のときにつくった計画、勝手なことはさせないと言葉を荒げ、批判を繰り広げたと報じられております。抵抗勢力を排し、速やかな改革を貫けるとお考えか、その決意のほどをお伺いいたします。
 これに関連して、特殊法人が抱える巨額な債務についても伺います。
 例えば、日本道路公団は約二十七兆円、本四公団は約四兆円と言われる債務を持っています。民営化する際にはこの処理をどうするのか、国鉄民営化の際のように国民の借金として処理すべきではないと私は考えます。特殊法人見直しでは、このような不良債権の債務処理をどうするおつもりか、今現在、どのような構想をお持ちなのか、総理にお伺いいたします。
 最後に、報償費及び外務省におけるいわゆるプール金問題についてお伺いいたします。
 まず、ことし初めに発覚した報償費の流用事件ですが、国民は激しい憤りを持って注目いたしました。本院におきましても、流用問題や報償費の意義、執行のあり方などについて、警告決議をもって政府に厳正な対処を求めたところであります。
 このような不祥事に関連して、会計検査院が内閣官房報償費及び外務省報償費について検査を行い、去る九月、内閣総理大臣及び外務大臣に対して是正及び改善処置を要求いたしました。この内容を見ますと、内閣官房報償費について、経費支払いの確認がなされていないことや内部の確認・監査体制が十分でないことを指摘して、これについて適切な処置を講ずるよう具体的に要求しております。また、外務省報償費についても、内部監査体制の確立、報償費の使途見直しなどの処置を要求しております。
 今回の会計検査院の検査結果は、外務省報償費の官邸への上納問題について確認できなかったなど不満な点も残りますが、報償費の執行体制の是正について厳しく小泉内閣に求めております。こうした要求について、今後、どう処置していくのか。根本の責任はどこにあり、またどのようにして国民の信頼を取り戻すのか。総理、外務大臣、それぞれの答弁を求めます。
 さらに外務省については、プール金問題という忌まわしい不正行為も露見しております。外務省が各種行事のために企業等に支払う際、実績に上乗せした額を請求し、プール金として保有していたことが外務省全体の約三分の二に当たる課室に達し、部局単位としてはすべての部局に及んでいたことが外務省調査でも判明しています。
 この事実からして、外務省が組織ぐるみで不正な会計処理を行っていたことは明らかです。プール金問題は、報償費問題や一連の不祥事とも関連して、外務省の公金に対する麻痺、倫理観を欠いた体質そのものをあらわしており、卑劣な犯罪であると言わざるを得ません。
 今回のプール金問題に関する厳正な処置と再発防止策について、外務大臣の見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115315254X01420011128_004

発言者: 川橋幸子

speaker_id: 1047

日付: 2001-11-28

院: 参議院

会議名: 本会議