沢たまきの発言 (本会議)

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○沢たまき君 私は、ただいま議題となりました経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、公明党を代表いたしまして、総理及び関係大臣に御質問いたします。
 小泉総理は、景気の現状について、失業率が過去最高の五・三%を記録するなど、一層深刻化しているとの認識を示しながらも、我が国の潜在的な成長力は十分にある、これを生かすためにも構造改革が必要だと、構造改革に対し並々ならぬ決意を表明されております。
 構造改革については、国際的視点からもその必要性が叫ばれてきました。世界各国の科学者、経済学者等で構成されたローマ・クラブのレポート「成長の限界」において、食料、工業生産及び人口が旧来のシステムのまま幾何級数的に成長していけば、資源の枯渇、環境汚染の拡大が要因となって、二十一世紀中に確実に経済成長は停止するだろうと厳しい警告を発していたのです。いわゆる構造改革は、世界的な二十一世紀の課題でもあるのです。
 したがって、今日、政府が進めようとなさっている財政改革、行政改革、特殊法人改革等の構造改革は、地球的課題である省資源、環境重視という観点からも必要であり、むしろこうした枠の中で持続可能な経済成長を実現するための構造改革でなければなりません。我が国の財政、行政機構、民間産業が活力を取り戻し、また、資源が有効利用され、環境保全がなされるために、新しいシステムが確立されなければなりません。今こそ、国民が安心できる改革を実現するため、英知を結集して構造改革を実行するべきであります。しかし、その成功のためには余りにも課題、難問が山積しています。改めて構造改革に対する総理の御決意をお聞かせいただきたい。
 あわせて、構造改革と雇用対策は車の両輪の関係でなければなりません。総理の言われる構造改革が安定的に推進されるためには雇用対策にどう配慮されるのか、御見解をお聞かせください。
 次に、我が国の企業の再構築と雇用の創出について伺います。
 厚生労働省は、本年八月に、構造調整下における企業行動と労働面の対応に関する調査結果を発表しております。平成十二年八月末現在の常用雇用者数を五年前と比較した場合、増加したとする企業割合は一八・三%、減少したとする企業割合は四一・六%となっており、減少が増加を大きく上回っております。このことは、これから本格的に構造調整下に入った場合、さらに常用雇用者数が減少に向かうことを物語っているのではないでしょうか。また、同調査によると、事業の再構築を必要とする企業は、過去五年間で事業の再構築を行った企業八〇%、今後五年以内においても七〇%の企業で再構築を実施するとしています。
 今日まで、日本の経済成長は、鉄鋼、自動車、家電等の製造業や公共事業が先導的役割を担ってきました。しかし、我が国財政が逼迫している中で、日本の基幹産業の再生を図るため、付加価値の高い事業への転換について国としても積極的に支援して雇用創出を推進していくべきではないかと思いますが、総理及び経済産業大臣の御見解を伺います。
 次に、本法律案の内容に関してお伺いします。
 今日の厳しい雇用状況に対し、国民の痛みを最小限に抑えるための法案であります。具体的には、求人が少なく再就職が困難である上、生活面での負担の大きい中高年齢者に焦点を当て、雇用保険法等の臨時の特例措置を定めるものでもあります。
 私は、先ほど、構造改革を進めるに当たっては雇用に十分配慮して進めるべきであると申し上げました。本法案は、そうした配慮の一つであると考え、まことに適切であると評価いたします。特に、中高年の方々は失業期間が長期化する傾向にあり、求職半ばにして給付打ち切りとなり、大変厳しい事例もありました。今回の措置によって、そうした方々が失業給付が切れた後も再び職業訓練を受講しながら給付が受けられることでより長期にわたって安心して求職活動を行うことができ、加えて、その間、高度な技術を身につけることができるため、ミスマッチ解消にも大いに役立つと思います。
 また、本法案では、雇用機会をふやすため、中高年齢者に限って、派遣期間の上限を三年に延長することとしております。私は、特に厳しい状況にあるこうした方々に対しては、あらゆる手段を講じて雇用に結びつけることがまず重要であろうと考えます。そのため、このような措置も臨時特例的な措置として評価されるべきものと思います。
 しかしながら、これによって常用労働者が派遣労働者に代替されるのではないかと危惧する声があることもまた事実であります。
 そこで、厚生労働大臣に伺います。
 今回の措置によって中高年齢者の方々の雇用はどれくらい進むと見込んでいるのか、また、心配されるような常用雇用の代替やその防止についてどのように考えているのか、以上についてお答え願います。
 最後に、雇用に関する今日的諸問題について、厚生労働大臣に数点伺います。
 まず第一は、不良債権処理という負の遺産の処理が雇用安定の前に立ちはだかっていることであります。この不良債権処理の進め方によっては、雇用情勢がますます厳しくなることが予想されます。また、不良債権処理に伴い、これを口実にした安易な解雇や労働条件の引き下げが生じないとも限りません。大臣は、解雇ルールの明確化について発言されているようですが、いかなる対策を講じられるお考えでしょうか、お伺いいたします。
 第二に、年齢差別の解消についてお伺いします。
 年齢差別の解消については、求人や採用で年齢制限をしないよう企業に努力義務を課した改正雇用対策法がこの十月から施行されました。しかし、その後も制限を撤廃、緩和しない求人が約四割にも上るということです。生計の主たる中心者にある中高年齢者に対し、いかなる実効性ある対応策を考えていられますか。お伺いいたします。
 第三に、職場における若年者の定着率の向上について伺います。
 若年者の失業は自己都合退職によるものが多いと言われております。この要因については、厚生労働省はどう分析されているのでしょうか。昔は、若い人たちが就職すると、金の卵として一人前の仕事が早くできるようにしようと会社を挙げて教育訓練をいたしました。新入社員に対する企業内教育訓練をしたり、インターンシップ制の導入拡大を確立し、定着率の向上を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 第四に、新たに創設されました緊急地域雇用創出特別交付金について伺います。既に実施されています平成十一年からの交付金実施の検証結果はどうなっているでしょうか。
 今回も厚生労働省は、同交付金の実効性を確保するため、失業者の新規採用枠を四分の三以上とする、事業費に占める人件費割合を八〇%以上にする等、きめ細かに対応するとしており、地域の方々が大変期待しております。しかし、雇用期間が六カ月ということですが、単に一時的な雇用機会の創出に終わらせず、地元の労使の意見を聞いて長期の雇用や地域の活性化に結びつけることが大事であると思いますが、いかがでしょうか。
 以上、政府の御見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115315254X01420011128_021

発言者: 沢たまき

speaker_id: 20586

日付: 2001-11-28

院: 参議院

会議名: 本会議