坂井隆憲の発言 (外務委員会)

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○坂井委員 私は、今回の北朝鮮の、総領事館への駆け込み事件を見ていまして、後の北朝鮮の人たちの質問を聞いていますと、韓国の通信社に前もって連絡していたとか日本の通信社にも連絡していたとか、そういう話がありますが、これから高度情報社会の中で、やはり情報戦略というのが一番重要であって、それは、よく言われているようなソフトパワーみたいな話になるんですね。
 やはり外務省というのは、情報のとり方にしても、あるいは収集と同時にどういうふうに情報を保全するかという話もありますが、この一年の外務省の姿を見てみますと、情報がぽろぽろ漏れたり、あるいは情報のとり方も遅かったり。例えば今回の北朝鮮の侵入事件でも、テレビで放映されているから見せてくれと言ったら、どうもそういうものは保存していない。しかし、外務省の中にはちゃんと情報局があるわけですから、やはり全体に対応がのろいなと思うんですね。
 そういう意味では、外交フォーラムの二〇〇〇年のものに「IT革命と外交」ということで書いてありまして、やはり外交革命というものには未知なる情報空間が誕生するから、そういうものの戦略でソフトパワーということを頭に入れてやっていかなければいけないといいながら、非常におくれているなという感じがします。だから、やはりこういうところはこれからも十分配慮してもらいたいなというふうに思います。
 それから、ITの関係でいいますと、これは私もずっとかかわってきていることなんですが、単に携帯電話とか電話網だけじゃなくて、これからは画像情報になってきています。私は実は、昨年内閣府の副大臣をしているときに、このe—Japan戦略の中にアーカイブという言葉を入れました。これは、いろいろ画像処理を含めての情報の保存です。
 どういうことを考えているかといいますと、例えば北欧を見ていますと、いろいろな歴史研究を、ノルウェーはノルウェー、フィンランドはフィンランド、業務分担してやったりしています。そういう意味では、非常に各国間の協調の仕事をしている。これは単に、今回日韓の歴史研究もやるんですが、そういうものだけではなくて、どういう文献を研究するか、訳するか、そういうものをあわせてやる、それを例えばネットで公開する、こういうことをやっているわけですね。
 外務省には、お手元に届けましたけれども、例えば近隣諸国のそういういろいろな資料のコンテンツの保存、流通ということを見てみますと、中国とか台湾、韓国などは非常にそういうものの保存をよくやっています。私は、党内でいろいろ勉強しています。例えば中国は、今度オリンピックをやるものですから、中国の国がいかに文化的にすぐれているかということを今のうちにやりたいということがあって、例えば大日本印刷が中国の故宮博物館のアーカイブの仕事を受け持つ、あるいは日立製作所、これは画像情報が非常に技術的に進んでいるところですが、そういうところに中国が接近したりしていて、情報をどういうふうにしてやったらいいかとかいろいろ聞いたりしている。
 一方で、ユネスコですね。ユネスコは今、松浦さんが事務局長で行かれていますが、今回、カブール美術館というものを平山郁夫先生がネットで公開しているんですよ。これはアフガンのカブール。それは、そういうものの遺跡をいろいろネットで見せながらやっていくということです。
 私は、何でITのことを言っているかというと、これからの一つの外交の中に、単にITの技術をどうのこうのするとかいうことだけじゃなくて、文化政策と絡んで、あるいは歴史の共同研究と絡んで、やはりそういうことを十分やっていったらどうかなと思うんです。やはり外交というのは、まず相手のことをよく知ることから始まります。
 歴史を知ること、それはもう個人のつき合いもそうなんです。私は四月に靖国神社を参拝しました。私は毎年靖国を参拝するんですが、これは話が飛びますが、実は秀吉が朝鮮征伐したときに、加藤清正が朝鮮で負けちゃったんですね。そのときに韓国は、勝ったという記念碑をつくったんです。それを戦前、日本軍が持ち帰ってきまして、その持ち帰った碑が靖国神社にあるんですよ。今回、私は、靖国を参拝したときにそこをちょっと見に行こうと思ったんですが、靖国にそれを返してくれと韓国は言ったんですが、結局返さなかった。その結果、模造品を韓国はつくったんですね。例えば日韓一つ見ても、やはりいろいろな歴史の問題がある。
 そういうときに、今、日本と韓国の間も、日本と中国の間もそうですけれども、やはり歴史をお互いに共同研究する、あるいは難しいところであれば、まず文化的な交流をし始めて、あるいは今言ったように、北欧がやっているように、いろいろな、仏教の仏典にしてもそうですが、お互いに分担してそういうものを研究し合う、そういうことが非常にこれからの時代で必要じゃないかなと私は思っているんです。
 そういう意味で、これからの外交政策の中で、もともとODAに文化がなじむかという議論があります。外交フォーラムの二〇〇〇年の四月号も「外交も文化にあり」ということで、この中に、ODAの定義、文化に対する高いハードルがある、しかし、文化観光という概念をユネスコが仕掛けてきたんだ、こう書いてありますね。だから、この文化観光という形の中で、ODAの役割というものを見直していく。
 その中で、特にこれはアジアについて、特に中国、今回こういう問題が起こりましたけれども、中国とか韓国、やはりこういうものについて文化的な共同基盤、EUみたいに一遍に通貨統合はできませんから、私は、そういうところの土台の交流から始めていただければなと思って、こういう意見を言っているんです。
 そこで、e—Japan重点計画に絡んで、土曜日は竹中大臣が韓国に行かれてIT閣僚会議に出られるような話も聞いていますが、やはり外務省としても、どういうような形で各国間の協調を図っていくのか、十分考えていただければと思います。

発言情報

speech_id: 115403968X01720020531_006

発言者: 坂井隆憲

speaker_id: 556

日付: 2002-05-31

院: 衆議院

会議名: 外務委員会