永岡文庸の発言 (経済産業委員会)
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○永岡参考人 日経新聞の永岡です。私は、産業とか中小企業、流通、企業経営とエネルギーをカバーしている論説委員です。
論説は、御存じのように、二十名前後の論説委員で何回も議論して、その結果書くんですけれども、商業捕鯨だとか外国人移民とか、真っ向から対立して結論がまとまらないケースも多々あるんですけれども、その場合は書かないとか、両論併記をやると余りパンチがない、何を言っているかわからないということであれなんですが、事エネルギーに関しては、日経の社論としては、原子力は必要である、もちろんその安全面の努力ということを前提にするということなんですけれども。あるいは京都議定書も批准すべきだ、この辺については余り異論がないんですが、私は多少、エネルギー政策については、余り日経の中はそんな異論はないんですけれども、きょうはちょっと編集委員ということで、かなり自由な意見を言わせてもらいたいと思います。
私の立場は、日本の一番コアコンピタンスというんですか、日本の宝というのはやはり製造業であると。製造業なりその支えている中小企業とか、そういうところの競争力回復というのが、私は一番自分で主張している立場なんです。それプラス雇用とかいろいろな面で、流通・サービス業、そういったところが活性化するというのがポイントなんですけれども、その辺で見て、電力とかガスとか高速道路代だとか水道代とか、やはりインフラコストが高い。今、空洞化とか、いろいろな意味で日本の高コストが言われているときに、そこの是正が最優先じゃないかというスタンスできょうお話ししたいと思います。
それで、エネルギー政策基本法案ですけれども、これは私は一回も社説でも書いていないんですけれども、他社を見ても一紙ぐらいですか、書いているのは。私も慌てて今回、もう一回日経のテレコムを調べたら、去年一年からことしにかけて二回、二本ぐらいしか記事がないんですね。何か最初は、電力自由化に慎重にというような十行ぐらいの記事でしか出ていなくて、その後は何かまあ、ようやく国会もエネルギー政策全体を考えるようになったという、一面の企画の中で二行ぐらい書いてあった。
まあ、これは議員立法ということで別にばかにしているわけじゃなくて、非常に結構なのに何でこれを取り上げないのかなということは思って、まあ自分のことでもあるんですけれども、多少関心を持ったのは去年の十一月ごろですかね。経営破綻したエンロンの、エンロン・ジャパンというようなところですね。あるいはNGOの方が、NGOの方はこれは原発推進法案だと。エンロン・ジャパンの人は、何か日経に来て、これは自由化をつぶす電力自由化阻止法案なので、なぜこれに反対しないんだということを言うんですけれども、どう見ても余りそういうふうな法案じゃないなと。法律の文面だけを見ていますと、何に反対するのか、何に賛成するのかというのがよくわからない。
このエネルギー政策基本法全体の私の印象としては、行政を監視するというんですか、エネルギー全体についてやはり国会が考える、それで大枠をかけると。かつての通産と業界がやっていたエネルギーの需給見通しとかについて、やはり国会も、それは非常に重要なんで、個別じゃなくて監視をするんだ、あるいは、国会の中でそういう全体のことを考えるんだということでは、私も非常に敬意というんですか、ここのところは非常に評価すべきなんですが、さっきの、論評するとなると非常に難しい。
こういうことを言っていいのかどうかわかりませんけれども、提案者が加納さんなんで、加納さんはよく、朝までテレビで原子力賛成の論客なんで、多分そういったところの危機感というんですか、このまま電力自由化論議をやると位置づけがはっきりしないというようなことで、多少そういう、原子力問題について国会でもいろいろな自由化論議でもちゃんと議論してほしい、これは電事連の会長の南さんも同じ意見なんですけれども、そういったことだろうということで、あえてちょっと深読みをしながらあれなんですけれども。
私の最大の疑問点というか、唯一の疑問点なんですけれども、やはり四条ですか、市場原理の活用は、安定供給と環境への適合を配慮するというんですか、おとついですか、ここの委員会で、あえて言えばその二つが優先するんだ、こういう議論だったんですが、私は、今の日本の産業の現状とか空洞化、中国の台頭とか韓国の躍進だとかいろいろ言う中で、やはり市場原理を活用するというか、自由化競争政策というんですか、競争を導入してやはりコストを下げていくということの方が今最優先じゃないかと。三つは並行してやれないということはあるんですが、優先順位とすれば、私は、やはり日本の産業や流通やそういったところに対してインフラコストを下げる、そのためには競争政策をより推進していくことが必要だ。
この四月ですか、東京電力が平均七%値下げして、特にガスとか新規参入業者とぶつかっている業務用電力については一五から二〇%という値下げになって、私、これは非常に朗報というんですか喝采をしたんです。例えば、ここからはなかなか明らかにしないんですが、イトーヨーカ堂とかセブンイレブンのグループとなると大体年間七百億ぐらいの電気料金を払っているわけですね。トヨタ自動車で一千億円とか。トヨタは大口なんでもともと割引というのか、自由化されているところなんではっきりわかりませんけれども、そういったコンビニなんかでやはり一〇とか下がると非常に、干天の慈雨というんですか、そういう現状なんですね。だから、そういったところで、今後も競争政策を実施していくという意味では、やはり自由化を促進してほしい。
この辺は電力業界も、この前の会議で、小売の全面自由化を受け入れることで検討を始めるということで、今電力業界も別に、自由化はやはり時代の流れだ、もう部分自由化でルビコン川を渡ったんだ、かつての総括原価とかそういうことはないんだということで、十電力というか九電力、濃淡はあるんですが、自由化に向けては、企業格差はありますけれども、進んでいる。
ということで、余り、安定供給と環境への適合をどんと前面に出して、そして市場原理、これは恐らく規制緩和とか競争政策のことだと思うんですが、それを後にするということを法律で固定していいのかなと。やはりいろいろ時代によって順序は変わるわけですね。例えば、今の時点で、安定供給と環境と市場原理、もし三つのうち二つ選べといったらそういうことを私は選ぶと思うのですが、そういうふうにかなり変わるわけですから、そんなに固定してやっていいものかどうか。このバランス、先ほど秋元参考人がおっしゃられましたけれども、バランスは大事なんですが、今の経済の認識ではどうなんだろうかと。
私も、企業担当なんで、時々、アメリカのコンサルティング会社のトップの方に聞いているんですが、今の企業戦略で、最新の企業戦略というのは豹変することだと言うんですね。余りにも世の中の変化が激しいので、変わったときには対応できるような選択肢を常に持つというのが最新の今の世界的な経営戦略なわけですね。
もう、波が激しいとか、グローバル化で激しいとか、そのときに、余り固定的なものをやると、電力の安定供給はもちろん大事ということはあるんですけれども、例えば新規参入とかあるいは外資の投資、そこに物すごく制限があるんじゃないか。まさに、変な、例えばエンロンみたいな、これは電力側の言い分なんですが、ああいう銭もうけのところは入ってきてほしくない、ちゃんと公益事業という認識を持つところだけでやってほしいというその気持ちはわかるんですが、いろいろな形のプレーヤーが参加して、今、日本人だけではなかなか日本を活性化できない。やはり流通でも、ウォルマート、カルフールとか、いろいろな外資を呼び込んで雇用をふやしていくとか、そういう投資の中に、何か市場原理は後よと、こういうのはちょっといかがなものかなという感じは印象として持ちました。
あと、レジュメは、これは皆さんが多分勉強なさったのと同じ勉強なんですが、むしろ、自由化について、やはり私が最大の懸念をしたのは、原子力の問題をどうするか。
自由化をやっていきますと、きのうも新聞にありましたけれども、大阪ガスが、百万キロワット級のガス火力で八百億ぐらいで済むわけですが、原子力は一基やはり四千億ぐらいかかる、これは全く競争力がなくなっていくので。あるいは、高レベルの放射性廃棄物をどうするかとか、六ケ所村のあれをどうするかということについては、やはりそれは国の役割分担というんですか、そういうことをむしろこの委員会とか法律の中で議論してほしい。
そういう意味では、そういう透明性ができたということにおいて、一点の疑問点はありますけれども、この法案についての評価はしています。
以上です。どうもありがとうございました。(拍手)